2023.11.02

恒例 赤田神社秋祭りへの参加

10月15日、秋晴れの下、今年も赤田神社秋祭りに参加しました。本学の留学生は、2019年まで「盛り上げ隊」として参加してきましたが、コロナ禍では一時休止に。しかし、昨年から復活しました。

赤田神社は1800年の歴史を誇り近隣地域に深く根差してきたと言われる神社です。近年衰退してきた「稲作と神事」の関係が今も脈々と続いている吉敷地区の皆さんの協力を得て、今年の留学生は、秋祭り以前にも、田植え、稲刈りという稲作の節目行事も初めて体験させていただきました。

吉敷地区の田植えを体験する 山口県立大学の留学生
吉敷地区の稲刈りを体験する 山口県立大学の留学生

今回の秋祭りには、交換留学生の9名(中国、韓国、アメリカ、フィンランド)に加え、長期留学生4名が、日本人学生10名と一緒に参加し、総勢23名という大所帯でした。

午前7時半に集合。神の御霊を神輿にお移しする伝統的神事から参加。その後、その御神輿を古四之宮のお旅所まで地域の皆さんと協力しながらお運びしました。そこでまた神事を行った後、赤田神社に戻ってくるその全旅程、3時間強。

神の御霊を神輿にお移しする伝統的神事
御神輿をらお運びする 山口県立大学の留学生
神事の様子

神社の方々から温かくお迎えいただいた後、地域の方の歌唱や楽器演奏、地元小学校と地域合唱団のコーラス、石見神楽保存会の方による演技など様々な出し物を皆さんと一緒に観賞しました。

地域の方の出し物を観賞する 山口県立大学の留学生

最後の出し物は、留学生も参加した女子尻相撲大会。みごとアメリカからの留学生が優勝!景品は...もちろん、お米。その量10キロ!

女子尻相撲大会の様子

締めは、留学生は初めて経験する餅まき。

お土産にポン菓子もいただき、最初から最後までお米と神様と人々と親しんだ、まさに日本古来からの伝承文化を堪能した秋の好日でした。

山口県立大学の留学生

Yucca事業「ママかんフリーカフェ」が開催されました

10月26日(木)、「ママかんフリーカフェ」が社会福祉学部附属 子ども家庭ソーシャルワーク教育研究所の協力のもと開催されました。

ママかんフリーカフェとは、本学教員、学生スタッフ、先輩ママが運営をしている、自閉症や発達障害のある子や、診断や年齢に関わらず発達が気になる子を育てている家族が集い、交流できる場です。

今回は6名の方にご参加いただき、初めて参加された方もおられました。

参加者のみなさんは、就学先に関する悩みや思い、子育てを通して考えていることなどを共有したり、先輩のお母さまからの意見を聴いたりしました。

ママかんフリーカフェ 意見交換の様子

運営した学生からは、「座学での学びだけでなく、実際に経験されている方々のお話を聞くことで、より学びが深まった。今後につなげていきたい。」等の感想がありました。

次回は、11月16日(木)に開催予定です。

ママかんフリーカフェ 県大の学生と参加者のお子さんたち

桜の森アカデミー「認知症ケアリーダーコース」の開講結果

令和5年8月29日から9月28日にかけて、桜の森アカデミー「認知症ケアリーダーコース」を開講し、13人(一般7人、学生6人)の方が受講しました。

【桜の森アカデミーとは】

桜の森アカデミーは、生涯現役社会を主体的に担う人材や地域リーダーを育成する「共生教育」講座です。所定の時間の学修コースを履修した人には、山口県立大学から「リーダー」の称号が与えられます。また、一般の方と学生が同じ時間に同じ講座を学び、交流することで、相互理解を深め学習効果を高めることを目的としています。

【認知症ケアリーダーコース】

今年度も、高まる介護ニーズを踏まえて認知症ケアに携わる人材育成を目的に、8月29日から9月28日の間に6日間20時間の「認知症ケアリーダーコース」を開講し、受講者は認知症の理解、法律や制度の理解、予防、地域で認知症を支えることなどを学びました。本コースには、看護や介護の現場で働いておられる方など一般7人、山口県立大学の看護学科、社会福祉学科、栄養学科などの学生6人の計13人が受講しました。

①8月29日(火)

【オリエンテーション】

初日最初の「オリエンテーション」では、山口県立大学の吉村耕一 副学長(地域共生センター長)から本コースの全体像、流れ、学習目標等の説明があり、認知症に関する事前知識等を学びました。

オリエンテーションを行う吉村耕一 副学長(地域共生センター長)

【認知症の理解とケア~BPSD(行動・心理症状)の理解と対応】

初日2番目の授業「認知症の理解とケア」では、山口県立大学看護栄養学部の新居富士美教授から認知症のタイプと特徴的な症状、認知症の人の行動や心理症状からその原因・目的を理解すること、認知症の人への接し方・基本姿勢などを学びました。また、ミニ演習として、「認知症 そのこころの世界~認知症の人は何を感じているのか」という動画を全員で鑑賞し、受講者が意見や感想等を発表しました。

受講者からは、「認知症の方が受けた悪い感情は長く残ることを知り、接し方に注意しなければいけないと思った」「言い方や、伝え方を工夫することで認知症の方にもよく伝わるという接し方が勉強になった」「認知症の方がとる行動にどんな意味があるのかを理解するよう努力したい」「こちらが多忙な時には対応が後回しになることがあるが、そんな時でも言葉使いや伝え方に気を付けるべきと感じた」「今日の学びを現場で活かしたい」などの感想が述べられました。

「認知症の理解とケア~BPSD(行動・心理症状)の理解と対応」についての講義を受ける参加者の方々

②9月5日(火)

【知っていると役に立つ法律~認知症者の権利擁護のための成年後見制度】

2日目最初の授業「知っていると役に立つ法律」では、山口県立大学の藪本知二名誉教授から、成年後見制度の概要、任意後見制度、法定後見制度の利用の仕方、制度の利用者、制度を利用した契約などを学んだほか、実際の判例等を使用した演習問題で判断の事例についても学びました。

「知っていると役に立つ法律」について講義する藪本知二名誉教授

【知っていると役に立つ制度~認知症の方を支える社会資源~】

2日目2番目の授業「知っていると役に立つ制度」では、山口県立大学社会福祉学部の長谷川真司教授から、認知症の方を支える社会資源の概要、地域包括ケアシステム、自治体の取組、認知症サポーターの養成と活動支援、認知症カフェの取組、地域のネットワーク構築の重要性などについて学びました。

「知っていると役に立つ制度」について講義する社会福祉学部 長谷川真司教授

【若年性認知症の理解と支援~若年性認知症の人からのメッセージ~】

2日目午後の授業「若年性認知症の理解と支援」では、最初に山口県立こころの医療センターの若年性認知症支援コーディネーター小野みさ江氏から、若年性認知症の概要、若年性認知症の人を支える社会保障制度、具体的支援状況、支援窓口などについて学びました。

「若年性認知症の理解と支援」について講義する山口県立こころの医療センター 若年性認知症支援コーディネーター 小野みさ江氏

その後、「若年性認知症の方からのメッセージ」として、6年前に若年認知症の診断を受けながら、自ら認知症に関する社会の理解を広げるための普及活動に携わり、本年8月25日に県から「やまぐち希望大使」に委嘱された阿部俊昭氏と県健康福祉部長寿社会課の白石直美主任が対話形式で、認知症の診断を受けた時の思い、困ったこと、メモ帳を活用し記憶を確認していること、家族の支援、ほっとカフェ平川でコーヒーを皆さんに入れることにやりがいを感じていることなどを語られました。

「やまぐち希望大使」に委嘱された阿部俊昭氏と県健康福祉部長寿社会課の白石直美主任

阿部氏の話しを聴いた後、受講者はグループワークを行い、それぞれの感想や考えを意見交換し、「カフェや本屋めぐりなどやりがいを持っておられるのがよいと思った」「認知症の当事者の思い、経験についてのお話しはとても参考になった」「家族の真摯な支えがあり理想的だと思った」などの発表がありました。

グループワークを行う受講者の方々

③9月12日(火)

【認知症と栄養】

3日目最初の授業「認知症と栄養」は、山口県立大学看護栄養学部の白野容子准教授から、認知症と栄養の関係、認知症予防が期待される食事パターン、糖とたんぱく質が結合した老化物質である最終糖化産物から体を守る知識、食事や栄養を考慮した認知症予防の心得などについて学びました。

受講者からは、サプリメントの効果・摂取時の留意事項、朝食と血糖値の関係、トクホ(特定保健用食品)の効果などについて、積極的に質問がありました。

「認知症と栄養」について講義する看護栄養学部 白野容子准教授

【運動による認知症予防】

3日目2番目の授業「運動による認知症予防」は、山口県立大学社会福祉学部の角田憲治准教授から、アルツハイマー型認知症の原因物資アミロイドβ(脳のゴミとなるたんぱく質)と脳神経細胞を修復、増殖させる物質BDNF(脳の栄養となるたんぱく質)についての知識、認知症予防に効果的な運動方法、仲間と行う運動の効果などについて学びました。

授業の後半では、音楽に合わせて頭を使いながらステップを踏むスクエアステップの演習がありました。受講者は複雑なステップに苦戦しながらも、和気あいあいとスクエアステップを楽しんでいました。

「運動による認知症予防」について講義する社会福祉学部 角田憲治准教授と受講者の方々

④9月19日(火)

【ご家族と支える会の立場から~地域で支える認知症】

4日目、最初の授業では「認知症の人と家族の会山口県支部」の世話人 森 薫氏から若年性認知症となった夫の介護経験談として、若年性認知症とわかったときの戸惑い、地域包括支援センター・市役所・ケアマネージャー等地域で支える組織の存在を知ったときの安堵感、認知症の進行に伴う苦労、介護家族の4つの心理ステップ等についてのお話しを聴きました。

この後、山口県立大学社会福学部の宮﨑まさ江教授から認知症の人を支える地域のシステム、コミュニケーションの重要性、今後の福祉の方向性について講義がありました。

「認知症の人と家族の会山口県支部」の世話人 森 薫氏

【グループワーク】

午後の授業では、3つのグループに分かれ、森氏の話しを聴いてメモしたキーワードを基に受講者同士で討論し、その結果を発表しました。受講者からは、「認知症の人を支える社会資源の存在を知ることの重要性」、「地域住民として認知症の方が困っているときはひと声かけること」、「困った人ではなく困っている人だという認識すること」、「認知症について広く理解を深めるために発信することの重要性」など様々な意見が出されました。

グループワークを行う受講者の方々

⑤9月27日(水)

【認知症とポジショニング】

5日目、最初の授業では、山口県立大学 田中マキ子 学長から、認知症の方の安全・安楽のために体を動かす技術「ポジショニング」の留意点とコツについて学びました。受講者からはエアマットレス使用時の留意点等について質疑がありました。

「認知症とポジショニング」について講義する田中マキ子学長

【ケア方法の実際】

講義の後は、実際にベットを使用して患者になり、体の位置の違いによる快・不快を体験したり、体を安楽にするための正しい位置、枕やクッションの使い方、患者を楽に正しい位置に動かす技術、食事の時の留意事項などを演習しました。

実際にベットを使用しての講義の様子1

受講者からは、現場で困った事例などについて質問がいくつも出てくるなど、皆真剣に取り組んでいました。

実際にベットを使用しての講義の様子2

⑥10月28日(木)

【脳の活性化エクササイズ】

6日目、最初の授業では山口県立大学看護栄養学部の佐々木直美教授から脳の老化は20代から始まること、脳の血流をよくすることで脳の機能低下を予防することができること、そのためのトレーニングとして、色読み、音読、30マス計算、数字キャップ並べなどのやり方などを学びました。

「脳の活性化エクササイズ」について講義する看護栄養学部の佐々木直美教授
数字キャップ並べに取り組む受講者の方

【まとめと振り返り】

午後の授業では、山口県立大学 吉村耕一 副学長のまとめの授業で、①本コースで新たに得られた知識や理解、②本コースを経て、新たな考えに至ったことについて、グループ討論してお互いに意見を発表しました。

また、授業終了後、それぞれの意見をまとめたレポートを提出し、20時間の桜の森アカデミー「認知症ケアリーダーコース」のすべての授業を修了しました。

「認知症ケアリーダー」の認定証書授与式は10月31日に行われる予定です。

グループ討論を行う受講者の方々

野田学園幼稚園での食育活動

栄養学科の課外活動の一つ「食育プログラム開発チーム 食育戦隊ゴハンジャー」では、地域の子供たちが楽しみながら食について学べる食育プログラムを行っています。

10月14日(土)に、野田学園高等学校の授業の一貫として、野田学園幼稚園で子供たちを対象とした食育活動を行い、その様子を高校生に見学してもらいました。

まず、「三色はたらきポージング」では、子供たちはゴハンジャーと一緒に「あか!き!みどり!」と声を出しながらゴハンジャーのポーズをすることで、楽しく三色の食べ物分類やその働きについて知ってもらいました。

「三色はたらきポージング」でゴハンジャーのポーズをする野田学園幼稚園の子供たち

次に、「このたべものなあに?」では、食べ物のシルエットを見てもらい名前を当ててもらうことで、いろいろな食べ物の形を知ってもらいました。さらに、実際にその食材を触ることで、食べ物によって形が違うことやその特徴を整理しました。

「このたべものなあに?」に取り組む野田学園幼稚園の子供たち1
「このたべものなあに?」に取り組む野田学園幼稚園の子供たち2
見学する野田学園高等学校の高校生たち
ゴハンジャーのメンバー・スタッフ

令和5年度 山口県立大学・山口市サテライトカレッジを開催しました。

令和5年10月13日(金)山口市徳地地域交流センターにて、第1回山口市サテライトカレッジを開催しました。

今回のテーマは、ころばぬ先のフレイル予防「毎日の食事で健康寿命を延ばしましょう!!」と題して、山口県立大学栄養学科の白野容子准教授が受講者11名に対して講義を行いました。

講義をする栄養学科 白野容子准教授

「フレイル」とは、加齢によって心身が老い衰え、社会とのつながりが減少し、健康と要介護の中間にある状態のことです。

「フレイル」についてのスライド

講座では、生活習慣を見直し、フレイルを予防するために、

  • フレイルを理解し、自分自身のフレイル度のチェック
  • バランスのとれた食事とはどんなものなのか
  • 日常の食事で出来る工夫

などについて詳しく解説がありました。

第1回山口市サテライトカレッジを受講する方々

受講者からは、

「とてもわかりやすかった。考え直す機会になった。」

「具体的な食事のとり方について知ることができ、参考になった。」

「日頃の食生活に取り入れやすいと思った。」

「使ったことのない乾物など色々あることがわかったので使ってみようと思う。」

などの声が寄せられました。

第1回山口市サテライトカレッジの様子

健康寿命を延ばし平均寿命との差を小さくするためには、フレイルを予防することが重要なポイントになることがわかりました。

そのために食生活に気を付けて実践していきたいと思う講座となりました。