文部科学省等採択プログラムについて

文部科学省大学教育改革プログラム

 国公私立大学を通じた大学教育改革の支援をすることを目的として、文部科学省は各種プログラムを展開しています。これらのプログラムでは、各大学等の計画のうちから特に優れた取組が選定され、それに対し財政支援などが行われています。
国公私立大学を通じた大学教育改革の支援(文部科学省HPへのリンク)

 山口県立大学では、地方小規模大学のメリットを活かした、地道で丁寧な組織的教育力が高く評価され、平成19年度は、全国の公立大学で最多の5件が採択されました。また、これらの各種取組は財政支援が修了した後も継続しており、本学の教育改革の原動力としています。

地域活性化人材育成事業~SPARC~

(2022年度~)
採択事業名 : ひとや地域(まち・文化・教育)のwell-beingに貢献する文系DX人材の育成

 教育未来創造会議では、未来を支える人材育成において在りたい社会像を実現するための重要な視点として、一人一人の多様な幸せと社会全体の豊かさ(ウエルビーイング(well-being))を挙げています。幸せには、経済的な豊かさだけでなく、精神的な豊かさや健康も含まれ、文化と教育はその基盤となります。
 地域(地方)には、少子高齢化や過疎化、人と人とのつながり(コミュニティ)の希薄化などの課題があり、これらをAIやIoTなどのデジタル技術による直接的なデジタルトランスフォーメーション(DX)で解決しようとする取り組みは多くみられますが、本来はこれらの技術を適用する前に、地域課題を適切に見定める必要があり、「ひと」と「まち」の観点をもつウエルビーイングは、このために有効な考え方です。
 山口大学、山口県立大学、山口学芸大学の3大学による連携事業が、令和4年8月、「文部科学省「地域活性化人材育成事業」に採択されました。
 本事業では、ウエルビーイングの考え方に立ち、デジタル技術者と協力してDXを実践し、ひとや地域(まち・文化・教育)の課題解決のために貢献できる人材を「文系DX人材」と呼び、3大学が大学等連携推進法人を設立し、連携・協力して文系DX人材を育成します。

地域活性化人材育成事業~SPARC~事業のページ
令和4年度大学教育再生戦略推進費「地域活性化人材育成事業~SPARC~」(文部科学省HP)

大学COC事業

(2013年度~2017年度)
地(知)の拠点整備事業
「『知の融合』と『異世代交流』による地域活力の創生」

 中山間地域が県土の大半を占め、全国水準以上に少子高齢化が進む山口県における「住民の健康の増進」及び「個性豊かな地域文化の進展」といったテーマは、県民のQOL(生活の質)を左右する基本的な地域課題であり、今後の成熟社会の有り様を探求する重要な研究課題でもあります。
 これまで山口県立大学では、国際文化学部・社会福祉学部・看護栄養学部の専門性をフルに生かして健康・福祉・まちづくりの分野で地域貢献活動を展開してきましたが、今回のCOC事業では、産学公の連携を強め学際的な知の融合を図る「共生研究システム」と、異世代交流をキーワードに学生と県民の交流学習を推し進める「共生教育システム」の二つのシステムを構築し、 存在感ある「地域貢献型大学」としての活動をさらに加速化します。

山口県立大学 地(知)の拠点整備事業のページ
選定取組の概要.pdf
平成25年度「地(知)の拠点整備事業」の選定状況について(文部科学省HP)

産業界ニーズGP

(2012年度~2014年度)
産業界のニーズに対応した教育改善・充実体制整備事業
「中国・四国産業界の人材ニーズに対応した協働型人材育成事業」

 「産業界の人材ニーズに対応した教育改善・充実体制整備事業」は、大学・短期大学が地域ごとにグループを形成して、地元の企業、経済団体、地域の団体や自治体等と産学協働のための連携会議を設置して取組を実施することにより、社会的・職業的に自立し、産業界のニーズに対応した人材の育成に向けた取組の充実を図る優れた大学グループの取組を国として文部科学省が支援するものです。  2012年度に本学を含む高知県・鳥取県・愛媛県・山口県の14大学が連携した「中国・四国産業界の人材ニーズに対応した協働型人材育成事業」として採択されました。この中で本学は、「インターンシップ充実による就業意識の涵養」をメインテーマとして取り組みを行っています。

本学の取組紹介(産業界ニーズGPのページ)
中国・四国産業界の人材ニーズに対応した協働型人材育成事業の概要(文部科学省HP)

グローバル人材育成推進

(2012年度~2016年度)
グローバル人材育成推進事業(タイプB:特色型)
「山口県立大学 グローバル人材育成推進事業」

 「元気な地域は元気な国の基となり、地域のグローバル化は元気な地域を作るカギとなる」という考えに基づき、在学中に学生を海外に派遣し、「世界と日本の地域をつなげて課題解決に向かう姿勢」と「地域資源の価値や可能性に着目し世界に売り込める力」を有するInter-local人材を育成します。
 本取組の最大の特徴は、産学公の連携により世界で活躍できる人材を育成することです。
 海外留学経験を卒業後の進路に結びつけ、学びの成果を地域社会に還元するため、入学から卒業までの一貫した教育プログラムを実施します。

山口県立大学 グローバル人材育成推進事業のページ

戦略的大学連携

(2009年度~2011年度)
大学教育充実のための戦略的大学連携支援プログラム
「個性的小規模大学連携による地域活性型e-quality仮想的大学の創生」

 小規模都市の知の拠点として使命を果たしてきた山口県立大学、山口東京理科大学、山口学芸大学の歴史と特色を生かし、共同して教育の質保証に向けた諸方策の開発・実践、高大連携教育プログラムモデルの開発、地域中小企業団体・教育機関等との密接な連携による地域課題解決につながる学際的教育研究の推進、地域産業の高度化や住民ニーズに応えうる人材育成等を目的に展開しています。

戦略的大学連携.pdf
E-quality 仮想的大学のページ

学生支援GP

(2007年度~2010年度)
新たな社会的ニーズに対応した学生支援プログラム
「総合的人間関係力を涵養する学生支援~大学と地域で作るプレ社会における実践的トレーニング~」

 昨今の大学生の人と関わる力の低下を学生個々の能力の低下ではなく、生活経験や社会体験の不足から来るものと考え、学生支援の観点からその経験を補っていくことを目的としています。大学及びそれを取り巻く地域社会を現実の社会の前段階であるプレ社会ととらえ、このプレ社会において、学生が大学や地域社会の要請に応えて様々な取組を行うことによって、学生同士は言うまでもなく世代や職種の異なる多くの人々と関わり、体験を通じて自主・自立の精神を養い、総合的人間関係力を身につけることが狙いです。これらの取組は、学生を大学のゲストではなくスタッフとしてとらえるジュニアTA制度によって支えられます。特に、本学の校是「地域社会との共生」の実現のため、大学内に専任のコーディネート機関を設置して積極的に地域との連携をはかることにより、地域社会にも活力を与えるという双方向性を持ちます。

学生支援GP.pdf

国際化加速GP

(2008年度)
大学教育の国際化加速プログラム(海外先進教育研究実践支援(教育実践型))
「英語で世界に発信する地域遺産教育の開発」

 本学の「英語で開講される科目」群における教育内容及び運営方法の改革を行う取組です。 1)地域文化を題材とした事前事後学習からなるコースワークを充実させ、2)ラーン・オン・ロケーション(LOL: Learn on Location、現地で学ぶ)の手法を取り入れた教室内外の活動を組み合わせて、3)学んだ成果を英語で世界に発信する機会を設けた地域遺産教育プログラムとなる「やまぐちスタディーズ」を確立します。先進的教育プログラムを有するアメリカ3大学と3プログラムの視察を行ない、「読む」「視る」「聞く」「解釈する」「表現する」といった多角的アプローチを導入し、講義で学んだ事柄と現地で体感するものとの溝を埋めながら、生きた知識を英語で語れる人材を育成し、人文系教育の向上に取り組みます。

国際化加速GP.pdf

特色GP

(2007年度~2009年度)
特色ある大学教育支援プログラム
「重層的学生支援教育」による福祉人材養成~学生の成長課題と専門教育課題の有機的結合による福祉的人間力獲得をめざして~

 山口県立大学社会福祉学部の教育目標は、福祉専門職である社会福祉士(ソーシャルワーカー)養成です。
 福祉専門職の専門性の基盤としては人間的成熟が不可欠であるが、近年の学生の一般的な傾向として社会性・主体性の脆弱化、あるいはモラトリアムの長期化が認められます。
 そこで本学部では、各学年に配置された<演習>の授業にチュートリアル機能を付加して学部教育の基軸に据えるとともに、学年主任・副主任や学生委員、教務委員、就職対策委員、障害学生対策委員、学部学生相談員等が学科長を中心に<学部教務会議>を組織し、専門実習教育を担当する<実習会議>と連携して、チームアプローチによって重層的な教育支援を行っています。

特色GP.pdf

現代GP(地域)

(2007年度~2009年度)
現代的教育ニーズ取組支援プログラム テーマ1 地域活性化への貢献(地元型)「やまぐち多世代交流・地域共生授業の展開~山口市の都市部と田園部におけるワークショップ型授業による団塊世代と若者定住促進~」

 存在感のある「地域貢献型大学」へ。これが法人化後の山口県立大学の目標です。
1市4町が合併した山口市の都市部と田園部は、それぞれに異なる魅力と悩みをもっているが、山口県立大学では、その魅力の発見と悩みの解決をめざす住民主体のワークショップやフィールドワークに学生たちを送る多世代交流・地域共生授業を行っています。
 このボランティア経験に基づいて、ともに汗を流し智恵を絞る中で地域の魅力に深く触れ、地域の悩みの主体的な解決に携わらせる「地域づくり達人塾」方式を共通教育・学部教育で実施し、さらに地域リーダーが学生及び地域参加者として多く集う大学院での地域共生授業につなげます。徳地町(現山口市)と県立大学との包括的提携を山口市全体に広げ、野田学園高校との包括的提携も生かして、地域・高校・大学・大学院が連携して、第二の故郷の魅力との出会いと、団塊世代と大学卒業者の地域定住促進を目指すモデル事業です。

現代GPテーマ1.pdf

現代GP(環境)

(2007年度~2009年度)
現代的教育ニーズ取組支援プログラム テーマ4 持続可能な社会につながる環境教育の推進「持続可能な社会に繋がる人的財産の育成~新生活スタートから持続可能な生活基盤づくりを支援する実践的環境・健康教育~」

 「ひとに優しい大学」を目指して、本学では「自己のケア」、「他者のケア」ができる人材育成を目標としています。その基盤に「地球へのケア」を嗜として身につけることが次世代を担う人材に必須の現代的教養と捉えました。環境や健康に対する配慮は継続的に取り組むことが肝要であるため、日々の生活の中で環境と健康に配慮し、健全で健康的な生活基盤作りをし、環境に対する専門的学習を支援する教育プログラムを開発します。
 本取組は次の2つの教育課程から構成されます。
 ①生活基盤形成時に学習習慣と共にCSRの意義を理解し段階的に生活習慣を身につける画期的な実践的環境教育及び実践的健康教育としての導入教育
 ②専門的知識や実践力を培う教育課程として専門水準が担保された、副専攻「環境システム」の創設
これらをとおして持続可能な社会に繋がる人的財産の育成を行います。
本取組は、地域の持続的環境改善や、社会的責任を果たせる人材育成としてのモデル的事業です。

現代GPテーマ4.pdf

社会人GP

(2007年度~2009年度)
社会人の学び直しニーズ対応教育推進プログラム
「行動変容を促進する栄養指導法を身に付ける栄養士キャリアアップ支援プログラムの開発」

 メタボリックシンドロームを予防するために、食習慣や運動習慣など生活習慣の改善につながる効果的な栄養指導を行うことができる管理栄養士の育成が求められています。
 本事業は、現職の管理栄養士を対象として、行動変容を促進する栄養指導を行うために必要な実践的な能力を身に付ける教育プログラムを開発し、山口県栄養士会、山口市、山口県と連携して栄養士キャリアアップ研修を実践するものです。
 本研修は講義、実習、演習で構成され、6カ月(2時間×15回)で修了します。実習は、本学が実施する「山口県立大学(YPU)すこやかライフセミナー」(地域住民を対象として、自分の体と習慣を知り、すこやかに暮らすための技を身に付けるセミナー形式の学習会)に管理栄養士として参加することによって行います。研修修了時、一定の基準に到達した者について、大学は履修証明を発行します。
 本研修を受講した者は、保健指導対象者の病態や栄養評価に基づいて個別行動計画を提案する能力を身に付け、受講後はそれぞれの職域において、生活習慣改善のための取組を支援するセミナーを企画運営することにより、地域の保健指導において中心的役割を果たします。

社会人GP.pdf