卒業式

 3月18日(火)、各学部・研究科・別科ごとに学位記授与式が執り行われました。卒業生・修了生合わせて303名が、本学を旅立っていきました。

式 辞

令和7年3月18日
山口県立大学学長
田中 マキ子

 ただ今、国際文化学部 国際文化学科62名、文化創造学科50名、社会福祉学部社会福祉学科99名、看護栄養学部 看護学科51名、栄養学科41名、合計303名の学部卒業生のみなさんに卒業証書及び学位記を、大学院国際文化学研究科 修士課程7名、健康福祉学研究科博士前期課程4名、健康福祉学研究科博士後期課程5名、合計16名の大学院修了生のみなさんに学位記を、さらに別科助産専攻9名のみなさんに修了証書をお渡ししました。

 みなさんの門出を祝し、山口県副知事 平屋 隆之さま、山口県議会議長 柳居 俊学さまのご臨席を賜り、学位授与式を挙行できますことは、本学にとりこの上ない喜びでございます。また、みなさんを支えてこられましたご両親やご家族のみなさまのお喜びもひとしおのことと存じます。社会人としての新たな門出を祝し、山口県立大学教職員を代表しお祝いを申し上げます。

 本日、みなさんはこの学び舎を後にされますが、分断化する国際情勢や気候変動などの環境問題、AIの進展がもたらすSociety5.0社会におけるWell-beingの追求など、さまざまな課題が待ち受けています。課題多き、予測不可能な社会に旅立たれますが、臆せず・勇敢に進んでください。みなさんには、本学で培われた「もてる可能性を最大限に伸ばし、未来を拓き、新たな知を創造する力」が、しっかり身についています。

 本学は、公立大学として「地域貢献大学」を旗頭に、地域で学び・地域を拓くをモットーとした教育に力を注いでいます。地域での活動や課題解決学習を通して、みなさんは様々な世代の人々と交流し、人と人とのつながりの重要性や、様々な違いを認め・尊重することから生み出される考え方や価値について、気づかれました。また、学部学科を超えての学生どうしの交流は、学びの幅と深さに触れられ、自身の専門性を極めることが学問の深淵に迫ることを理解されたと思います。大学生活を通しての様々な学びから、みなさんは、ご自身の変化と成長を自覚されているでしょう。これは、教員とみなさんとの距離、みなさんと地域との距離、みなさんとみなさんの距離、小さな大学だから、地域に根付く大学だから、みなさんお一人おひとりの個性を大切にする教育だから涵養されたものです。

 これらは、現場の生きた知識を学び、学び続ける文化の醸成とも重なり、「迷っても迷いから脱げだせる力」「傷ついても、癒せる力」「前へ踏み出せる力」にもつながっています。しっかりみなさんの身体に溶けこみ、血や肉となって、これからのみなさんを支えていきます。鍛えあげられたみなさんの心身は、予測不可能な社会にあっても、迷うことなく、とどまることなく、進んでいける力をもっています。

 ジャーナリスト「むのたけじ」が、詩集「たいまつ」の中で、こんな事を書いています。「学ぶことをやめれば、人間であることをやめる。生きることは学ぶこと、学ぶことは育つことである」「意義ある人生は、絶えず未知への挑戦に貫かれている」と。学び続けること、そして挑戦することは、まさしく本学で培われた力を衰えさせることなく、一層研ぎ澄ますことに役立つでしょう。学びと挑戦を続けることは、みなさんの夢や希望につながり、みなさんの身体に宿っている力を、大きく・強いものへ育てていきます。自分を信じて、自分にしか作れないユニークで唯一無二の時を刻んでいってください。みなさんらしい、あなたらしい未来を創っていってください。もしも、学ぶこと・挑戦することに疲れたならば、豊かな自然に囲まれ、あふれる思いやりの中で過ごした時間を思いだし、明日への活力としてください。山口県立大学は、みなさんの応援団として、みなさんへ熱いエールを送り続けます。

 みなさんの前に広がる前途洋々な世界。無限に広がるみなさんの未来が、光で満ち溢れることを願いつつ、私からの祝辞といたします。

 ご卒業、おめでとうございます。