卒業式


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 3月18日(水)、各学部・研究科・別科ごとに学位記授与式が執り行われました。卒業生・修了生合わせて354名が、本学を旅立っていきました。

式 辞

令和2年3月18日
山口県立大学学長
加登田 惠子

 卒業生・修了生の皆さん、ご卒業おめでとうございます。
 また、長い間皆さんを温かく支えてこられたご両親やご家族の皆様にも、山口県立大学教職員を代表して心よりお祝い申し上げます。
 今年は、新型コロナウィルスの感染拡大防止のために、例年のような華やかな卒業式を挙行することが叶わなかったことを大変残念に思います。しかしながら、国際文化学科、文化創造学科、社会福祉学科、看護学科、栄養学科等の学部生331名、国際文化学研究科、健康福祉学研究科の大学院生12名さらに別科助産専攻11名、総計354名の皆さんが獲得された学位記や卒業証書・修了証書の重みは全く変わりません。一人ひとりが、この県立大学で過ごしたかけがえのない時間に身に付けた力や育んだ力を携え、自信をもって社会へと飛び立って下さい。
 皆さんは、栄えある「令和」最初の卒業生・修了生となります。おりしも2020年は、日本で2回目のオリンピックが開催される年です。1964年の東京オリンピックが、我が国の戦後の復興と高度成長を世界に示す大会であったのに対して、今回のオリンピック・パラリンピックの開催は「人口減と少子高齢化の先進地である我が国が新たな社会づくりを始める契機としたい」という国民の思いが込められているそうです。私たちは、これまで様々な「激動の時代」を先人たちがひたむきに生き抜かれたのと同じように、これからの「予測不能な時代」を、新たな社会づくりに向けて逞しく切り拓いていかなければなりません。
 今現在、新型コロナウィルス対策で世界中大わらわですが、その中でイタリア・ミラノ市内の高校の校長ドメニコ・スキラーチェさんが発した全校生徒へのメッセージがネット上の話題となっています。スキラーチェ校長は、ペストで混乱した17世紀のミラノを描いた文豪マンゾーニの作品を紹介し「外国人への恐怖、感染源のヒステリックな捜索や、専門家の軽視、デマ、必需品の略奪。これらは小説からではなく、今日の新聞から出てきたかのようだ」とつづっています。そして「冷静さを保ち、集団の妄想にとらわれず、いつもの生活を送ってください。スーパーや薬局に駆け込むのはやめましょう。マスクは病気の人のためのものです。17世紀と比べて私たちには現代の医学があり進歩し、正確になりました。社会と人間性という最も大切な財産を守るべく、合理的な考えを持ちましょう」と呼びかけ、デマなどに振り回される風潮に警鐘を鳴らしました。
 不確定な状況に置かれたとき、リスクを最小限に抑え、賢明な判断をするには知性が必要です。本日、本学で所定の課程を修了し、晴れて学士あるいは修士、博士等の学位や助産師の資格を取得されたことの本質的な意義は、皆さんが、現代人として「社会と人間性という最も大切な財産を守るべく、合理的な考えを持つ」=科学(Science)的知性を身に付けた証ということに他なりません。大学で得られたその力を存分に生かして、是非ともこれからの「予測不能な時代」を冷静に生き抜いて下さい。そのことを期待して餞の言葉といたします。