入学式


 4月2日(火)山口県立大学講堂(桜圃会館)で「2019年度山口県立大学・山口県立大学大学院入学式」を執り行いました。学部生・大学院生・別科生合わせて372人が、本学に入学しました。



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学長式辞

2019年4月2日
山口県立大学学長
加登田 惠子

式辞

 本日、山口県立大学及び大学院、別科助産専攻に入学された372名の皆さん、ご入学、誠におめでとうございます。 山口県知事様、山口県議会議長様をはじめとするご来賓の皆様のご列席のもと、全教職員とともに、皆さんの入学を、心よりお祝い申し上げます。
 同時に、これまで皆さんを慈しみ、支えてこられましたご家族や関係者の皆様に、お祝い申し上げます。
 本学の所在する桜畠という地名どおり、キャンパスの桜の木々も、皆さんを歓迎するかのように咲き誇っております。 折しも、昨日、新元号が発表され、5月から「令和」が始まることになりました。まさに新しい「令和時代」の扉を開こうとしているこの時に挙行された入学式は、皆さんの記憶に深く刻まれることでしょう。

 山口県立大学は、創立78年の歴史を誇る山口県唯一の「県立大学」です。
 21世紀に向けた大学改革の折に、基盤とする教育理念として「人間性の尊重」「生活者の視点」「地域社会との共生」「国際化への対応」の4つを掲げました。現在、使用している桜の花びらをイメージした大学のシンボルマークは、この4つの教育理念を象徴しています。
 また、赤は若者の熱い志を、黄色は明るく元気な本学の校風が良く表現されていると思います。
 さて、今日の世界を見渡しますと、イギリスのEU離脱問題や米中の経済覇権争いに見るように、国同士の対立構造が複雑化し、各地で政治的・経済的緊張関係が高まっています。グローバル化が進んだ現在では、それらの緊張関係が、私たちの身近な生活にも直接的に影響を及ぼすようになってきました。
 一方、国内では、少子高齢化や人口減少がより進み、地域間格差の拡大を背景として「地方創生」が国家的課題となってきました。中でも、ここ山口はまさに高齢化の先進県であり、急速な人口減少が予測されている地域です。
 しかし、そのような厳しい現状の中でこそ、地域の皆さんの強い期待をもって作られた県立大学に学ぶ私たちには、これからの地域社会を、暗く貧しい高齢社会ではなく、成熟した豊かな社会にすべく、新たな発想に基づいて創ることに挑戦して欲しい、という大きなミッションが与えられています。
 とくに、本学が掲げてきた4つの教育理念から発するところの「人間らしい健康長寿を支えるためには、どうするか」「持続可能な地域社会をどう守るか」「地域活性化にむけて国際化をどう進めるか」などの問いかけは、ますます重要性が増しているのです。
 また、近年、科学技術庁を中心に、経済発展と社会的課題の解決を両立するために、未来社会のコンセプトとして国が提唱しているのが「Society 5.0」です。
 「Society 5.0」とは、狩猟社会・農耕社会・工業社会・情報社会に続く、人類史上5番目の新しい社会を指します。第4次産業革命によって、新しい価値やサービスが次々と創出され、人々に豊かさをもたらそうというもので、その鍵を握るのは、人口知能AIや 情報コミュニケーションICT、あらゆるものとインターネットをつなぐIoTなどです。
 例えば、「Society 5.0」においては、日常的にITを活用して各自の健康管理力を高めることによって元気な高齢者を増やしたり、介護する人・される人を助ける「疲れ知らずの助っ人」としてロボットを登場させたり、設備投資が少ない地方の零細企業や個人商店がクラウドを使って自由に海外との取引ができたり、等々、夢は広がります。つまりは、技術革新によって「社会のありよう」を変えていこうというものです。
私は、学長就任にあたり、国際文化学部、社会福祉学部、看護栄養学部を有する本学が目指す人材像を「ライフ・イノベーション・リーダー」と表現しました。ライフとは、「命・生活・人生」の3次元を含むもの、イノベーションとは、単なる改善ではなく、新たな価値を見い出し、再創造する営みです。
 高齢化の先進県であり、さらに急速な人口減少が予測されている山口こそ、来たるべき「Society.5.0」において、住民の「命・生活・人生」をより人間らしく、質を高めるために、挑戦的な志と、柔軟な発想・知恵、さらに足下から着実に実行する力のある、ライフ・イノベーション・リーダーが必要とされているのです。
 山口の人々が深く敬愛する吉田松陰先生は、若者に対して、
 「奪うことのできないものは 志である。滅びないのは、その働きである。」とおっしゃいました。
 皆さん方には、是非とも臆することなく、勇気をもって、この山口県立大学で、地域社会の未来と、自身の将来を切り拓くための基本的な力を、しっかり身に付けて戴きたいと思います。
 本学は、大規模な大学ではありませんが、地方の公立大学ならではの、地域密着と、教員と学生の距離の近さが特徴です。とくに第3期中期計画では、大学と地域が一緒になって未来を創り出すという意味で、「大地共創」という言葉を掲げました。そして「大地共創」を具現化するために、先生方が公共団体や地元企業との共同研究や受託研究に積極的に取り組むほか、さらにその繋がりを教育に生かして、問題解決型の授業科目や、インターンシップ等の正課外教育にも地域と協働して取り組んでいます。
 先日、ベネッセ・ホールディングスがイギリスの高等教育誌と共同して発表した「The 世界大学ランキング日本版」では、新しくランクインした国公立4大学の中で、本学は、唯一「教育充実度」分野でランクインを果たしました。さらに、「国際性分野」においても、高いスコアを得ています。
 先に述べた地域密着型で、かつ世界に開かれた実践的教育が、学生自身が実感できる成長につながり、「教育充実度」分野における高得点に繋がったのではないでしょうか。
 本学では、教室の中だけでなく、地域のフィールドワークや、海外留学プログラムも豊富に用意されています。
 どうか、志をたて、自ら求め、自分の可能性を広げてください。

 終わりに、本日ご列席の皆様のご多幸と、今後のご活躍を祈念し、私の式辞といたします。