入学式


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 このたび、学部生・大学院生・別科生合わせて362人が、本学に入学しました。
 残念ながら今年の入学式は執り行われませんでしたが、加登田学長より新入生への激励の言葉をyoutubeにて公開しています。ぜひご覧ください。

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学長式辞

2020年4月6日
山口県立大学学長
加登田 惠子

式辞

 本日、山口県立大学及び大学院、別科助産専攻に入学された総勢362名の皆さん、ご入学おめでとうございます。ようこそ、県大へ。教職員一同、皆さんを心より歓迎します。
 今年は、新型コロナウィルスの感染拡大防止のために、例年のように華やかな式典の開催が叶いませんでした。新生活に胸を膨らませた皆さんや、晴れ姿に立ち会うことを楽しみにしてこられたご家族の皆さんのお気持ちを察しますと、いささか残念な気もいたします。しかし、今日から、皆さんが山口県立大学の一員に加わられたことの重みは、少しも変わりません。
 山口県立大学は、創立七十九年の歴史を誇る、山口県唯一の「県立大学」です。これまでに巣立った一万6千311人の卒業生は、地域社会の中核を担う人材として、それぞれの専門性を生かして「信頼され、愛される人材」となり各所で大活躍して居られます。今日から皆さんは、この県大コミュニティの仲間に加わったのです。晴れやかに、お祝いの気持ちを分かち合いたいと思います。
 桜の花びらをイメージした大学のシンボルマークは、本学の教育理念である「人間性の尊重」「生活者の視点」「地域社会との共生」「国際化への対応」の四つの教育理念を象徴しています。赤色は若者の熱い情熱を、黄色は明るく温かい本学の校風を良く表していると思います。
 さて、今回の「新型コロナウィルス」の世界的蔓延で、改めて考えさせられたことがあります。それは、私たちが現在享受している豊かな経済社会は、国際化・グローバル化によってもたらされた反面、一度その歯車が何らかの要因で軋むと、災いもまたグローバルに展開し大惨禍になるということです。
 進化・発展した社会システムは、決して固定された完成型ではなく、人類はさらに進化した難題と立ち向かわなければならないという宿命が有るのかも知れません。
 高齢化社会の問題もそうです。「長寿」は人類史上、究極の願いでしたが、21世紀になると、少子化や人口減少が合わせて進み、地域間格差の拡大を背景として「地方創生」が国家的な課題にまでなるに至りました。必ずしも「長寿化」は幸せな社会という「結果」には繋がっていないのです。
 むしろ、本学が掲げてきた4つの教育理念から発するところの「人間らしい健康長寿を支えるためには、どうするか?」「持続可能な地域社会をどう守るか?」「地域活性化にむけて国際化をどう進めるか?」などの問いかけは、ますます重要性が増してきました。
 ここ山口はまさに高齢化の先進県であり、急速な人口減少が予測されている地域であることは、ご案内の通りです。しかし、そのような厳しい現実の中でこそ、地域の皆さんの強い期待をもって作られた県立大学に学ぶ皆さんには、これからの地域社会を、「暗く貧しい高齢社会」ではなく、成熟した豊かな社会にすべく、新たな発想に基づいて切り拓くことに挑戦して欲しい、という大きなミッションが与えられているのです。
 私は、そういった課題に挑戦する人材を「ライフ・イノベーション・リーダー」と表現しました。Life= ライフとは、「命・生活・人生」の三次元を含むもので、Innovation=イノベーションとは、単なる改善ではなく、新たな価値を見出し、再創造する営みのことを指します。
 高齢化の先進県であり、さらに急速な人口減少が予測されている山口こそ、人々の「命・生活・人生」をより人間らしく質を高めるために、挑戦的な志、柔軟な発想・知恵、さらに足下から着実に実行する力のある、ライフ・イノベーション・リーダーが必要とされているのです。

 山口の人々が深く敬愛する吉田松陰先生は、若者に対して、「奪うことのできないものは 志である。滅びないのは、その働きである。」とおっしゃいました。
 皆さん方には、高い志をもって、この山口県立大学で「ライフ・イノベーション・リーダー」として、地域社会の未来と自身の将来を切り拓くための力を、しっかり身に付けて戴きたいと思います。
 ここに大きなエールを送り、入学のお祝いの言葉といたします。