オープンカレッジ

第1回宇部市サテライトカレッジを開催しました

 令和4年6月18日(土)、宇部市立図書館で第1回宇部市サテライトカレッジを開催しました。
 今回は「『平家物語』に建礼門院の悲劇を読む」と題して、郷土文学資料センター長 稲田秀雄教授が受講者22名に対して講義を行いました。



 「平家物語」は、平家の栄華と没落が描かれた軍記物語です。講座テーマ「建礼門院」は平家物語の本編12巻のあとに添付された「灌頂の巻(かんじょうのまき)」に描かれています。建礼門院は平清盛の娘で、壇ノ浦合戦で幼くして入水した安徳天皇の母でもあります。



 講座では、建礼門院が戦場で過ごした日々や、平家が滅びた後、自分の母親と息子の安徳天皇が海に身を投じる姿を目の当たりにしたこと、自身も入水しようとしたが源氏の武者に捕まり、都へ連れて行かれたことなどが詳しく解説されました。



会場に設けられた展示コーナーには、講座の中で紹介された平家物語に関する資料もあり、受講者の皆さんは興味深そうに手に取られていました。
 「平家物語」について、より理解を深めることのできる講座となりました。

令和3年度 全学客員教授特別講義を開催しました

 11月11日(木)、令和3年度全学客員教授特別講義を開催しました。
 今回は「山口県立大学を哲学する~『学ぶ』をいかに『生きる』に繋げるか~」と題して、山口大学国際総合科学部 教授 小川仁志氏をコーディネーターに、山口県立大学同窓会桜圃会会長・名誉教授 福田百合子氏、山口県立大学卒業生の米重敏明氏、林真由氏をパネリストとして迎えました。
 今年度は、新型コロナウイルス感染症拡大防止の観点から、会場とZoomによるリモート講義が行われ、学生、教職員、同窓生の合計164名が受講しました。

 講義は、小川仁志氏の進行により、今回のテーマ「山口県立大学を哲学する」に基づき、「『学ぶ』ことは楽しいか」、「どうすれば『学び』を良い人生に繋げていけるか」など、様々な角度からディスカッションが行われました。

 3人のパネリストは、本学での学びや学生生活におけるエピソード、卒業後に改めて感じていることなどを交えながら、それぞれの思いについて語られました。

福田百合子氏:
「『学ぶ』ことは楽しいことである。『生きる』ということは考えることであり、考えることなくして自分自身を確認することはできない」
「大学では、精神を大事にすることや四季を感じること、感じたことを言葉にすることを学んだ。これからも一人ひとりが考えて、行動できる、表現できる人物が育っていく場所であって欲しい」

米重敏明氏:
「自分がどうありたいか、そのために何をやるべきか、事の本質を突き詰め全力で過ごすことで良い人生に繋げていけると思う」
「学生時代は机上だけでなく、感心のあることがあれば実際に現地へ出向いて学ぶことも経験し、その中で教わったことが今も仕事などに活かされている」

林真由氏:
「『学ぶ』ことで人生の選択肢を増やすことができ、自分にとって一番良い方法を選ぶ力が身に付く。『学ぶ』ことは良い人生に繋がると思う」
「大学でのゼミやフィールドワークで、多様な人と交流する中で様々なことを学ぶことができた。卒業後、それらの経験やエピソードを自分の言葉として話せることは、仕事にも活かされていると思う」

 最後に小川仁志氏から、「『学ぶ』ことは『生きる』ことであり、積極的に自分のやりたいことを選んで、成長していくことが良い人生に繋がっていく」「山口県立大学はこれからも健在で、イキイキとした人材を育てる場所であり続けることを期待する」というエールとともに、本講義の幕を閉じました。

 会場は時折笑い声があふれ、終始和やかな雰囲気で包まれていました。
 「学ぶ」ことでより良い人生にするための選択肢が増えること、「学ぶ」ことをより前向きに感じることのできる講義となりました。

第2回宇部市サテライトカレッジを開催しました

 令和3年10月17日(日)宇部市立図書館にて、第2回宇部市サテライトカレッジを開催しました。 今回は「酔っ払いのうた-杜甫・李頎、時間があれば李白-」と題して、国際文化学科の川口喜治教授が、受講生19名に対して講義を行いました。

講義の様子の写真1

 旧中国の伝統的な知識人にとって、酒は、詩文・書道・琴とともに必須のたしなみで、友人との別れの場にはつきものとされていたそうです。現代のように遠くにいてもすぐに会える状況でない時代に、お酒を酌み交わすことで、別れの時間を楽しく、そして大切にしていたことが伝わります。  講義では、唐代の詩人「杜甫」が八人の酒豪について描いた詩や、お酒好きで書道家の「張旭」について描いた「李頎」の詩が解説されました。

講義の様子の写真2

 受講者からは、「詩の中で大酒飲みのことを『長鯨の百川吸うが如し』と鯨で表現していることもおもしろいと思った」「今まで唐詩に関心を持ったことがなかったが、今回のお話でとても親近感がわき、唐代の人や歴史にも興味が持てるようになった」との声が寄せられました。
 講師のユーモアに溢れた言葉の表現やわかりやすい解説で、受講者の皆さんは講義を満喫されたご様子でした。

第2回美祢市サテライトカレッジを開催しました

 令和3年9月11日(土)美東センターにて、第2回美祢市サテライトカレッジを開催しました。今回は「『平家物語』「先帝身投」を読む」と題して、大学院 国際文化学研究科の稲田秀雄教授が受講生20名に対して講義を行いました。



 『平家物語』「先帝身投」の章では、壇ノ浦の舟の上で平家の終わりを察知した平清盛の妻 二位殿(安徳天皇の祖母)がまだ幼い安徳天皇とともに海の底に心中する場面が描かれています。



 講義では、これからどこに連れて行かれるのかと尋ねる安徳天皇に対し「海の底にも都があります、極楽浄土へ連れて行きます」と涙をこらえながら慰める二位殿の姿や「海の底の極楽浄土とは?」などについて語られました。



 質疑応答の際には、天皇の所持する三種神器や敗戦後平家の生き延びた者についての質問があり、大変盛り上がりました。
 受講者からは「難しい本文をわかりやすく解説されていて良かった。もっと平家物語を学びたいと思います」との声が寄せられました。

令和2年度第2回宇部市サテライトカレッジを開催しました

 2月27日(土)、宇部市立図書館で第2回サテライトカレッジを開催しました。
 今回は、「『広辞苑』の編者 新村出とやまぐち」と題して、国際文化学部 文化創造学科の安光裕子教授が受講者19名に対して講義を行いました。


 講義では、文学者としての新村出や、詠まれた短歌からうかがえる人柄、そして、山口県で過ごしたことが記されている「私の生れ故郷山口を偲ぶ」についての紹介がありました。


 受講者の方からは、「新村出の人間性や新しい知識を得られて良かった。」「丁寧でわかりやすい講義でした。」という感想が寄せられ、講義は終始温かい雰囲気で行われました。



 会場には新村出の写真や自筆の原稿、関連書籍コーナーが設けられ、たくさんの方が興味を示されていました。