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令和6年度 山口県立大学・周南市サテライトカレッジを開催しました。

令和6年5月11日(土)周南市学び・交流プラザにて、周南市サテライトカレッジ第1回目を開催しました。

今回のテーマは、「エシカルツーリズムを通した地域の魅力発見と環境改善」と題して、山口県立大学 国際文化学部 国際文化学科の藏田典子 講師が受講者13名に対して講義を行いました。

周南市サテライトカレッジ第1回目の様子1

講座は4つのセクション

  • ①身近な海洋ゴミの問題
  • ②観光とオーバーツーリズム
  • ③エシカルとは何か
  • ④エシカルツーリズムについて

から成り、それぞれのセクションでクイズや考える時間があり、環境問題やエシカルツーリズムを身近に感じる内容でした。

周南市サテライトカレッジ第1回目の様子2

観光は、訪れる側には旅行による満足や感動を与え、受け入れる側には地域社会や地域経済の発展をもたらします。しかし、最近では観光客による交通渋滞や騒音、マナー違反など、オーバーツーリズムによる問題が話題となっています。

そこで、旅先の社会や環境に配慮した観光「エシカルツーリズム」が注目を集めています。「エシカルツーリズム」とは、倫理的な旅行という意味で、単に観光地をめぐる旅行だけではなく、旅先の人やまち、自然に触れ、その魅力を高めるために貢献する旅行のことです。

具体例として、旅行者が料金を払って清掃活動を楽しむアムステルダムの「運河のごみ拾いツアー」が大人気を博していることや、類似のプロジェクトも拡大していることが紹介されました。

周南市サテライトカレッジ第1回目の様子3
周南市サテライトカレッジ第1回目の様子4

受講者のアンケートでは、

  • 「ごみ問題や消費のことについてよく分かり実感できました。」
  • 「何となく聞いたことはあったが、改めて考えさせられる内容だった。」
  • 「オーバーツーリズムと観光をつなげるアイデアが素晴らしいと思いました。」
  • 「私の知らない活動が多くあって、有意義な時間だった。」

などの声が寄せられました。

「安いモノ」や「自分にとってどれぐらい得か」という基準だけで選ぶのではなく、より広い視野で「人や社会、地域、環境などに優しいモノ」を購入する消費行動やライフスタイルが大切と学んだ講座でした。

持続可能な社会や未来のために、人・社会・地域・環境に配慮した「エシカルツーリズム」の旅に出かけてみよう!

2024.05.22

高大接続事業「令和6年度 第1回 はーと♡ふくし講座」を開催しました!

5月17日(金)、今年度第1回目の高大接続事業「はーと♡ふくし講座」が開催され、高校生16名が参加してくれました。

本講座は、教職課程の3・4年生が企画・準備・運営を行います。

第1回は『<ふくし>について一緒に考えよう~社会福祉を学ぶ大学生からのメッセージをもとに~』のテーマの下、前半は4年生よる<ふくし>講座、後半は3年生と一緒にグループワークを行いました。

参加した高校生からは、「福祉に関わることが少なかったが、今日の講座を通して興味をもつことができた」「グループワークでは自分にはなかった考え方を知れてとても参考になった」「大学生のみなさんが優しく、とてもよかった」などの声がありました。

当日の様子については本学公式YouTubeチャンネルにて公開しておりますので、 こちら からご覧ください。

「はーと♡ふくし講座」の様子1
「はーと♡ふくし講座」の様子2
「はーと♡ふくし講座」の様子3
「はーと♡ふくし講座」の様子4

認定こども園野田学園幼稚園で食育活動を実施しました

栄養学科の課外活動の一つ「食育プログラム開発チーム 食育戦隊ゴハンジャー」では、地域の子供たちが楽しみながら食について学べる食育プログラムを行っています。

5月11日(土)に、認定こども園 野田学園幼稚園にて食育活動を行わせていただきました。

認定こども園 野田学園幼稚園での食育活動の様子1
認定こども園 野田学園幼稚園での食育活動の様子2
認定こども園 野田学園幼稚園での食育活動の様子3

食べ物の三色の働きを体を動かしながら学ぶ「三色働きポージング」と、子供たちに食べ物に興味を持ってもらうきっかけとなるように食べ物のシルエットを見て何の食べ物かを当ててもらう「このたべものなあに?」をしました。子供たちは緊張した様子でしたが、活動が進むにつれしっかりポーズをとってくれたり、大きな声で問いかけに答えてくれたりしました。

今回、4月にこのチームのメンバーになった1年生にとっては初めての活動でしたが、積極的に子供たちとのコミュニケーションを図り、司会のお姉さんやゴハンジャー役にも挑戦しました。子供たちと関わることの難しさや大変さも見つかりましたが、下級生は上級生の姿を見ながら、活動の空気感や子供との関わり方を知ることができました。

2024.05.15

看護の日PRバスがやってきました

5月12日は近代看護の母、ナイチンゲールの生誕の日であり、世界で看護の日とされています。

日本看護協会では社会の人々、特に若い世代に看護について知ってもらおうと、看護の日を中心とした看護週間にPRバスを各都道府県で走らせ、県内の各所を回り看護の仕事や看護の魅力をPRしてきました。今年はそのバスが山口県にやって来て、トリを飾ることになりました。

5月12日~18日の看護週間に、PRバスは山口県内を回り看護の魅力をPRします。

5月14日に出発式が山口県庁で行われ、村岡県知事、田中学長らによるテープカットが行われました。本学看護学科4年生も、ユニフォーム姿で参加しました。

看護の日PRバス 出発式の様子
看護の日PRバス 出発式に参加した看護学科4年生

お昼には山口県立大学にもバスがやってきて、イベントが行われました。

イベントでは、田中学長より「本学で優れた看護師を養成し、地域・社会に貢献していく」と宣言され、看護協会のマスコットキャラクター「かんごちゃん」と本学マスコットキャラクター「わいぴよ」とが交流しました。

看護協会のマスコットキャラクター「かんごちゃん」と本学マスコットキャラクター「わいぴよ」

看護学科の学生たちも参加し、かんごちゃんと触れ合ったあと、みんなでバスを次の場所へと見送りました。

「かんごちゃん」とのふれあいの様子
バスを見送る一同

2024.05.09

陳澄波スケッチ柄皿・椀の贈呈

このたび、台湾・嘉義(かぎ、Chia-yi)市の「陳澄波文化基金会」より、陳澄波(ちん・とうは、Chen Cheng-Po、1895-1947)のスケッチをデザインした皿と椀のセットが贈られてきました。これには、本学のみならず山口県と台湾を結ぶ縁があります。

陳澄波のスケッチをデザインした皿と椀のセット

陳澄波は近現代台湾を代表する画家のひとりとして著名です。その出身地が嘉義です(嘉義は画家がたくさん出ているそうです)。最近は、山口県出身の栖來ひかり氏が翻訳された小説『陳澄波を探して』(柯宗明作、岩波書店)でも知られています。この画家に風景画を依頼したのが、防府出身の元台湾総督、上山満之進(かみやま・みつのしん、1869-1938)でした。

皿と椀のセットの写真2

依頼によって1930年に陳澄波が描いた作品が『東台湾臨海道路』です(残念ながらこの絵に描かれた地域は、2024年4月3日の台湾地震で大きく崩落しました)。この絵は上山から防府市立三哲文庫(市立図書館)設立にあたり蔵書などとともに図書館に寄贈されました。そして、閲覧室などで市民に見守られていました。図書館が何度かの移転をした際、絵は倉庫に保管されました。この間に、作者陳澄波を政治の魔手が襲いました。故郷の参議会議員となった陳澄波は、1947年に台湾で発生した2・28事件の際、事態収拾に乗り出して逮捕され、裁判抜きで公開銃殺に処せられたのでした。1987年に民主化が始まるまで、陳澄波は台湾では「知ってはいけない名前」だったのです。

2015年、僧侶・歴史家児玉識(こだま・しき、1933-2019)先生が防府市の依頼で上山満之進の伝記執筆の際に図書館倉庫よりこの絵を発見し、歴史が再び動きました。本学の安渓遊地教授(現名誉教授)を通じて、陳澄波文化基金会に連絡が行き、これが台湾では世紀の大発見として報じられたことから、安渓教授率いる台湾地域実習に嘉義行きが加わるようになり、その過程で出会った国立中正大學とのMOU締結(2019年)など、とにかく驚くようなことが次から次へと起こったのでした。

今回贈られた陶磁器には、陳澄波の遺したスケッチの一つがデザインされています。

皿と椀のセットの写真3

原作を収めた『陳澄波全集』(全18巻)も、既に陳澄波文化基金会から本学図書館に全巻寄贈されています。一枚のお皿にも、心を揺さぶる物語があります。

皿と椀のセットと井竿富雄教授