令和7年度 山口県立大学・山口市サテライトカレッジ2回目を開催しました。

令和7年10月21日(火)山口市徳地文化ホール会議室にて、令和7年度 山口県立大学・山口市サテライトカレッジ2回目を開催しました。

今回の講座テーマは、「今日からはじめる脳の活性化エクササイズ」と題し、山口県立大学 看護栄養学部 看護学科 佐々木 直美 教授が、受講者3名に対し講義を行いました。

簡単な文章を声に出して読んだり、簡単な計算をしたりすると脳の血流が良くなり認知症予防になります。講座では、座ったままで手と頭を動かす脳トレにチャレンジしました。

山口市サテライトカレッジ2回目の様子1

はじめに、受講者の方が普段されている健康法をお聞きしました。テニスや太極拳、子どもたちと一緒に歩くなど、みなさん普段から健康に気を付けて身体を動かしておられるようです。気持ちよく運動を継続することで体全体の血流が良くなり、骨や筋肉の強化や生活習慣病の予防・改善につながります。また、運動で血流が改善すると、脳の神経細胞を育む物質が増えます。これにより記憶力や集中力などの認知機能が向上し気分も良くなることが期待されます。

山口市サテライトカレッジ2回目の様子2
山口市サテライトカレッジ2回目の様子3

脳の廃用症候群(病気や怪我などをきっかけに安静状態が長期間続くことで起こる脳を含めた心身の機能低下)を予防するためには、脳の血流を良くすることが重要です。そこで、簡単な文章をできるだけ早く音読することや、簡単な計算を早く解く作業を行いました。

山口市サテライトカレッジ2回目の様子4
山口市サテライトカレッジ2回目の様子5

文章を声に出して読むことは、目と口と耳を同時に使うため脳を多角的に活性化させると言われています。また、簡単な計算は複雑な計算をするよりも脳の血流が良くなり脳全体を活性化することがわかっています。

音読と簡単な計算をセットで行うことにより、脳に適度な刺激を与え認知機能を維持することが大切です。

山口市サテライトカレッジ2回目の様子6
山口市サテライトカレッジ2回目の様子7

若い頃は計算などの作業が素早くできていたのに、年齢を重ねると時間がかかるようになったと感じることがあります。これは、脳の情報処理スピード、脳の回転速度が低下しているためです。この脳の回転速度を高めるには簡単な問題を速くこなす脳トレが効果的とされています。

山口市サテライトカレッジ2回目の様子8
山口市サテライトカレッジ2回目の様子9

さらに、手を動かすことも脳に良い影響を与えます。手指の神経は脳と密接につながっているため、手を動かすことで脳の血流を増やし、脳を活性化させる効果があります。

そこで、ペットボトルのキャップに書いてある数字を紙の上に順番に並べていく脳トレをしました。これは、ランダムに並んだ数字の中から一つ選んで取り出し、目で判断し、手で正しい位置に置くことをできるだけ早く行う作業です。どれくらいの時間でできたかを時計で測り、ゲーム感覚で夢中になり楽しむことができました。

山口市サテライトカレッジ2回目の様子10
山口市サテライトカレッジ2回目の様子11

講座の最後には、日々のストレスに向き合い、自分自身を労わる方法として注目されている「セルフコンパッション」について解説がありました。

「セルフコンパッション」とは、自分への慈しみや思いやりを意味します。他人を思いやるように、自分自身のことを大切に扱い、落ち込んだ時や失敗した時にも、自分を責めるのではなく、ありのまま受け入れて寄り添うことで、前向きな気持ちを取り戻しやすくなる心理的スキルです。

そのために、呼吸を整え、がんばって生きている自分の身体や心にむけて「ありがとう」と唱えながら、自分自身の身体に触れるセルフハグを行いました。少しの時間でも、こころが落ち着きスッキリした気持ちになりました。

受講者アンケートでは、

「脳トレが楽しかった。」

「他の参加者の話が聞けて良かった。」

「今の自分にぴったりの講座だった。」

「身近な人にも今日習ったことを教えてあげたい。」

などの声が寄せられました。

脳が活性化すれば認知機能が向上し、物事に対して意欲的になり、感情が豊かになるなどの効果が期待できます。音読や計算などの脳トレを日々の生活に取り入れて脳を活性化させてはいかがでしょうか。