令和7年度 山口県立大学・岩国市サテライトカレッジ2回目を開催しました。

令和7年9月20日(土)岩国市民文化会館にて、令和7年度 山口県立大学・岩国市サテライトカレッジ 第2回目を開催しました。

今回の講座テーマは、「山口から見る世界史」と題して、山口県立大学 国際文化学部 情報文化学科 井竿富雄 教授が、受講者73名に対し講義を行いました。

講座では、大内氏の時代から近現代までの山口県出身の人物を通して、山口が如何に世界とつながっていたのかを考える内容でした。

岩国市サテライトカレッジの様子1
岩国市サテライトカレッジの様子2

私たちが普段何気なく暮らしている地域でも、古くから続く神社やお寺、歴史的な街並みなど史跡や歴史的な場所は意外と身近にあります。そのような場所で歴史に触れると時代の流れを感じることがあります。

受講者のみなさんは、日々の暮らしの中で歴史を感じることはありますか?という質問から講座がスタートしました。

岩国市サテライトカレッジの3
岩国市サテライトカレッジの4

長州藩から命がけでイギリスへ密航し、近代文明を学び明治維新以降の日本近代化に大きな功績を残した5人の若者たち「長州ファイブ」や、台湾総督などを務め防府図書館の前身にあたる三哲文庫の建設資金を提供した上山満之進(かみやまみつのしん・防府市出身)などの話題を交え、山口と世界の関わりを説明されました。

岩国市サテライトカレッジの5
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また、第2次世界大戦後のシベリア抑留体験を描いた『シベリア・シリーズ』で第一回日本芸術大賞を受賞した香月泰男(かづきやすお・長門市出身)や、洋画家 名島貢(なじまみつぎ・岩国市出身)の話題もあり、受講者はメモを取りながら耳を傾けていました。名島は帝展(後の日展)や台湾総督府の美術展「台展」に入選し、台北の名門女子高で教員を務めました。戦後は山口女子短期大学(現・山口県立大学)や岩国短期大学で美術を教え、山口県の美術教育に尽力した人物です。

岩国市サテライトカレッジの7
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さらに、カンボジア難民やタイのスラム救援事業に立ち上がり「曹洞宗国際ボランティア会」(現・シャンティ国際ボランティア会)を創設した有馬実成(ありまじつじょう・周南市出身)の紹介がありました。地域に根ざした文化活動や難民支援に取り組み、国際協力NGOセンターJANIC理事長や、東京災害ボランティアネットワーク副代表等の役員を歴任し、NGO間調整にあたる「NGOの有馬」と呼ばれました。

このように、多くの山口県出身者が志高く世界で活躍していたことがわかり、県民として誇らしく感じると同時に、知らなかった人物もあり、もっと歴史を学んでみたいと思う講座でした。

岩国市サテライトカレッジの様子9
岩国市サテライトカレッジの様子10

受講者アンケートでは、

「自分の居るところが世界に繋がっているという考えを持つことができた。」

「知らないことを調べたい。学びたいと思った。」

「今まで知らなかった山口県の人物を知ることができ有意義だった。」

「歴史に興味が湧いてきた。」

「郷土の歩みを知り、もっと深く学びたいと思いました。」

などの声が寄せられました。

山口から世界はどう見えていたか、世界は山口をどう見たか。このことを常に考えつつ、歴史や文化に触れていくと、いろいろなものが見えてきたりします。歴史を学びながら未来の社会を考えましょう。