令和7年度 山口県立大学・美祢市サテライトカレッジ2回目を開催しました。

令和7年8月2日(土)美東地域まちづくりセンターにて、山口県立大学・美祢市サテライトカレッジ 第2回目を開催しました。

今回の講座テーマは、「本当の仏教 第5章」と題して、山口県立大学 国際文化学部 情報社会学科 鈴木隆泰 教授が、受講者20名に対し講義を行いました。

この講座は、2021年から美祢市で毎年続いている「本当の仏教」シリーズ第5回目の講座です。受講者は開催地の美祢市を中心に県内各市町、県外からもお越しいただき、リピーターの方が多い人気の講座です。

美祢市サテライトカレッジ 第2回目の様子1
美祢市サテライトカレッジ 第2回目の様子2

日常生活で、仏壇に手を合わせる、お盆やお彼岸に墓参りをする、葬儀に参列するなど、仏教に触れる機会はたくさんあります。さらに日常的に使っている「いただきます」、「ありがとう」といった言葉も仏教の教えに由来する言葉です。

生活に密着し身近にある仏教ですが、分かっているようで分かっていない、聞いたことはあるが詳しくは知らないと思っている人が多いのも事実です。そんな仏教をわかりやすく、仏教の原典から教えていただきました。

美祢市サテライトカレッジ 第2回目の様子3
美祢市サテライトカレッジ 第2回目の様子4
美祢市サテライトカレッジ 第2回目の様子5

仏教は、紀元前5世紀頃にインドで釈迦によって開かれた教えです。釈迦は悟りを開きブッダとなりました。仏教はブッダの説いた教えであると同時に、ブッダに成る教えを説いています。

講座では、仏教における人生の苦しみを表す言葉「四苦(しく)」(生・老・病・死)や、真理に対する無知のことで煩悩や苦しみの根源「無明(むみょう)」、無明から生じる「サンスカーラ」(今の自分を形成する力・作用)などの説明がありました。

美祢市サテライトカレッジ 第2回目の様子6
美祢市サテライトカレッジ 第2回目の様子7

無明やサンスカーラを無くすことによって、人は生きながらにしてブッダになることができますが、無明やサンスカーラを完全に無くすことは極めて困難なので、完全に消滅させられなくとも制御することで、一瞬でもブッダに近づくことができます。まずは「一瞬ブッダ」を目指しましょうと教わりました。

受講者の方は、熱心に耳を傾けながら、メモを取り、理解を深めていました。

美祢市サテライトカレッジ 第2回目の様子8
美祢市サテライトカレッジ 第2回目の様子9

講座後半には、インドのカーストについて説明がありました。インドには、古代よりカーストと呼ばれる身分制度があり、現在は法律で禁止されていますが、今でもインド社会に根強く残っています。一方、仏教はカーストや身分制度を否定し、すべての人が平等に真理にたどり着けると説きました。

仏教では、

「人は生まれによって卑しいものになるのではない。生まれによって尊いものになるのでもない。

人は行いによって卑しいものにもなり、行いによって尊くもなる。」

と説いています。

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美祢市サテライトカレッジ 第2回目の様子11

また、講座終了後には質疑応答の時間が設けられ、貴重な機会に多くの方から質問がありました。疑問に思っていたことが解決し、皆さん納得の様子でした。

受講者アンケートでは、

「今日のお話を聞いて、自分の生き方・生活のあり方について気をつけたいと思った。」

「とても深い話でした。仏教について分かりやすく話していただいた。」

「分かったつもりでいたが、分かっていなかったことに気付いた。とても素敵なお話しでした。」

「自分をコントロールできる力を身に付けたい。」

「日頃疑問に思っていたことが解決でき、モヤモヤしたものがすっきりした。」

などの声が寄せられました。

生きていることが当たり前のことではなく、有難いことだと気付きました。仏教は、自分自身を見つめ心のあり方を見つける、よりよく生きるために学ぶものと理解できた講座でした。