訪日外国人のための多言語Q&Aサービス「Tazuu」における山口市の観光情報の提供


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共同研究提案者 山口市
共同研究研究者 国際文化学部国際文化学科 教授 岩野雅子
研究期間:平成27年度

研究の概要

 日本全体における訪日外国人数の伸びが目覚ましく、2020年東京オリンピックを前に山口県や山口市においても訪日外国人数増加に向けたインバウンド観光促進は大きな課題となっている。また、訪日観光において、近年はグループや家族、個人などが口コミ情報を活用し、観光スポットを選んで自分だけの特別な旅をつくる傾向が高まっていることから、今回の共同研究では、「クチコミ情報サービス」を提供する媒体を活用した山口市の観光情報の発信を目的とした。

研究内容

 訪日外国人のための多言語Q&Aサービス「Tazuu」(外国人が母語で質問したものが自動翻訳・人為翻訳され、日本人の回答も翻訳により母語で回答者に届く情報サービス)を運営するフォートラベル株式会社、本学国際文化学科異文化交流論研究室、山口市の三者間において、役割分担をして進めた。具体的には、フォートラベル株式会社は「Tazuu」における自治体機能(山口市の観光情報を提供する「専用ブランドページ」、アクセス状況把握のための「基本分析ツール」、他の観光情報媒体上でQ&Aが閲覧可能になる「ガジェット」等)の無償トライアル提供を行った。本学は、学生が山口市観光に対する質問の回答作成を行うほか、留学生を対象に山口市観光についての質問を収集し、海外から想定される質問や回答について検討を行った。山口市は学生の回答例の作成プロセスにおいて助言や支援を行うほか、「Tazuu」をもとにした産学公連携事業の広報宣伝等を行い、実用化に向けた取り組みを行った。


期待される成果

 今後も質問や回答の動向を見つつ、山口市を訪れる訪日外国人の満足度を向上させる回答について学生たちとともに検討を続けていきたい。さらに今後の課題としては、日帰り客や宿泊客を増やすための活用策の検討や、山口県内で回答を投稿してくれる住民(ユーザー)の登録者数をいかに増加させるか、すなわち、グローバルな時代の「観光拠点」「観光情報源」としての個人(市民)をいかに増やせるかなどがある。この研究は、グローバルとローカル、都市と地方、マクロとミクロ、ゲストとホストなどの多角的な視点を持つことの大切さを実践的に学ぶ機会となった。

訪日外国人のための多言語Q&Aサービス