キックオフ・フォーラム活動報告


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文部科学省「グローバル人材育成推進事業」の事業開始を記念し、学内外に向けて周知を図るため3月29日(金)に「キックオフ・フォーラム」を本学講堂で開催しました。

講堂玄関では学生が民族衣装を着てお出迎え。

受付

来場者には関連資料を入れたグローバルバッグが配布されました。

配布資料 配布資料

オープニングセレモニー

学長挨拶

学長挨拶

山口県立大学における取組みについての説明を事業総括のシャルコフ教授が行いました。

シャルコフ先生

グローバル・パネル・ディスカッション

「グローバル人材になるためには」というテーマで、グローバルに活躍している企業人、ジェトロ、本学の卒業生の4名をお招きして、本学の教員と一緒にグローバル人材を生みだす秘訣を、本学国際文化学部学部長の岩野教授の司会のもと、パネルディスカッションの形式で探りました。

パネルディスカッション


招待パネラー

徳重氏

テラモーターズ株式会社 代表取締役 徳重徹氏

電動バイクの国内リーディングカンパニーで、グローバル規模でのイノベーションの実現にむけて活動されるとともに、ビジネススクール、国際シンポジム等でも多数講演をされています。

森氏

日本貿易振興協会ジェトロ山口 貿易情報センター所長 森 則和氏

世界各国(シカゴ、カイロ、北米、オセアニア等)の貿易関連業務、企画業務や上海博覧会の事務局を歴任されています。

大田氏

MAIOHTA DESIGN 代表 マリメッコ ファッションデザイナー  大田舞氏(フィンランドド在住)

マリメッコはフィンランンドのアパレル企業で、世界各国1000以上の店舗を有するファションブランドで、グローバルに知られています。

阿部氏

ノースクエスト大学異文化センター 英語・異文化トレイナー 阿部雄司氏(カナダ在住)

カナダの大学で政府や企業と提携し、異文化交流や英語教育を主なテーマとした研究、カリキュラム作成・授業、ワークショップを実施されています。


パネルディスカッションの冒頭、招待者4名と本学国際文化学部文化創造学科の斉藤理准教授より自己紹介を含めたプレゼンテーションがありました。

パネルディスカションでは、徳重氏及び森氏からは日本企業がグローバル経済市場で成功していくためには、グローバルな「スピード感」と日本人のアイデンティティとなる「歴史・文化」を学ぶことが重要であり、海外の場数を踏むことも必要だ、とのお話しを頂きました。

本学の卒業生、大田氏、阿部氏からは「夢をもって海外にチャレンジ」することの重要性と学生のときから海外との交流の機会をとらえ海外に出かけることが大切だというメッセージがありました。

斉藤准教授からは世界の地域と日本の地域を結ぶため、まず身近な地域を探索し、研究することの重要性についてコメントがありました。地域の文化、伝統などを学び、そのうえで世界の地域へ輪を広げていくアプローチが大切であるということでした。

パネルディスカッション

岩野学部長 斉藤准教授
   岩野学部長                   斉藤准教授

学生決意表明

学生決意表明

日本学生支援機構留学生交流支援制度(短期派遣)奨学金を受け、13プログラムの海外スタディーツアーに延べ163名の学生が参加しましたが、ハワイ、台湾、タイ、韓国、フィンランドへのスタディーツアーのリーダー5人がこれからのグローバル人材育成推進事業に向けての決意表明を行いました。

海外スタディーツアーで学んだことや感じたことを活かし、世界と地域との橋渡しになれるようなグローバル人材になりたいと、力強い思いを語ってくれました。

グローバルカフェ

休憩時間にオープンした「グローバルカフェ」
民族衣装を着た学生が来場者にフェア・トレードのコーヒーや紅茶を無料でふるまいました。

カフェ1

カフェ2

 *フェアトレード*
 発展途上国で作られた食べ物などを適正な価格で購入し、生産者の自立につなげる貿易促進活動。
 今回はTFT(Table For Two)のサークルメンバー5名とコラボレーションしました。

海外スタディーツアーポスター展示

ポスター1

ポスター2

13プログラムの海外スタディーツアーに派遣された学生がポスターを作成し、会場ロビーに展示しました。スタディツアーの目的は、本学が目指す「インターローカル人材」に必要とされる能力のうち、自ら積極的に社会の課題を発見し、その解決法を国際的視野から、具体的な形で見出せる力を習得させることです。派遣先は、中国、韓国、タイ・ミャンマー、インドネシア、ハワイ、フィンランド、台湾、ドイツ、シンガポールの9地域でした。

基調講演

ビナード氏

フォーラムの最後のプログラムとして、アメリカ出身の詩人・俳人・翻訳家のアーサー・ビナード氏に「ことばメガネをかけかえると」(Looking  Through Language Lenses)についてお話をいただきました。氏は、山口県が生んだ詩人、中原中也賞を受賞されたほか多数の文学賞を受賞をされ、現在ではエッセイ、ラジオ・テレビパーソナリティとしても活躍されています。

(基調講演の内容)
言葉は、国が違うと見表現方法や視点が変わる。日米間の言葉について具体例をあげて、面白くかつ鋭く、言葉のうちに潜む「根っこ」(文化・伝統に根付くもの)の一端を紹介されました。

矢尻(Arrowhead)

ビナード氏

英語では矢の先端は「矢頭(Arrowhead)」なのに、日本語では「矢尻」で一見正反対の表現方法となっている。日本人、アメリカ人、それぞれが当然と思っているが比較すると実に奇妙だ。よくよく考えると、アメリカ人は矢尻を飛んでいるときの状態でとらえているので「矢頭」、日本人は置いているときの状態でとらえているので「矢尻」となるようだ。

目玉焼き(Sunny-side up)

ビナード氏3

英語では目玉焼きは、フライドエッグをサニーサイドアップと呼び、さわやかな太陽のイメージがあるのに対し、日本語では「目玉焼き」という、奇妙な恐ろしい表現となっている。日本ではフライパンに卵を入れて焼いた姿が目玉に似ているからこのような名前となったとのことだが、日米でこのようにとらえ方が大きく違う。

このように文化が違うと言葉の表現が異なることがあるが、そもそも文化とは何なのだろうか? 本質が見えないので、なんとなくあやしい響きがある。 見方の多様性が文化に根ざしているので、言葉を考えるときは、歴史を、そして今を見抜くことが重要だ。文化を、グローバルを議論する際は、「ことばメガネをかけかえる」ことが必要なのではないだろうか?

基調講演を終えて

日本人以上に日本語に真剣に取り組む姿勢、ユーモア溢れる話術、そしてグローバル人材に必要なものは何なのかを考えさせてくれた講演でした。来訪者からも大変好評で、又話が聞きたい、もっと詳しい話が聞きたいとのご意見を多く頂きました。