ナバラ州立大学 国際文化学科3年 山田まほら <2号 2019年11~12月>

 12月末に前期が終了し、冬休みを迎え、ドイツと北欧4か国を巡る旅行をしてきました。スペインに戻った時に、不思議と安心感があり、ここで過ごした4か月で心身ともにスペインに馴染んできているのだなと、感じました。今回の報告では、前期の振り返りと、今後について書きます。

友人とのつながり

 前回の報告の中で私は、授業に参加する時、受け身では何も得られないということを書きましたが、それは人間関係でも一緒だと感じたことがありました。こちらに来た初めの頃は、知り合った友人がいても躊躇してしまい、自分から距離を縮めることをしていませんでした。ある日、思い切って英語のクラスメイトたちに、今度ご飯に行かないかと誘いました。全員で行くことは出来ませんでしたが、一人の友人が他の食事会に誘ってくれ、参加することになり、そこで新たな人たちと出会うことができました。友人から新たな友人へと、人とのつながりは本当に大切で、自分からの意識が、多くの場面で変化のきっかけになるのだと、改めて感じた経験でした。私が大学進学のために地元北海道を離れ、山口県に来たときも同じだったことを思い出しました。きっとこれは留学先だからではなく、この先どこへ行っても同じことが言えると思います。身を持って、人のつながりの大切さを知ることができました。

プレゼンテーション

 前期の授業の多くは、テストとプレゼンテーションでの評価でした。その中で社会学のプレゼンテーションは、唯一グループでの発表で、長い時間をかけて準備する必要がありました。私のグループのメンバーは、留学生は私1人と他4人のスペイン人学生です。英語でプレゼンテーションを制作していましたが、この作業が私にとって一番の難関でした。プレゼンテーションの構成や制作の方法について提案することが難しく、伝えたいのにどう表現すればいいのか分からず、もどかしい思いをすることが多々ありました。日常会話のレベルの英語で、私はある程度成長してきたと思っていましたが、それは生活の中の話であって、このような授業などの作業に用いる英語とは異なるものだということを認識しました。将来、海外の方と関わる仕事に就きたいと考えている私は、必ず今回のような場面があると思います。今の私は、到底そのレベルに到達していない実情に悔しい思いをしましたが、それと同時に、今そのことが分かって良かったとも思いました。語学を学習しているだけでは、自分の目標と現状の差を知る機会がなかなかありません。英語開講のこの授業を履修していて良かったと思います。英語だけでなく、スペイン語もこの留学期間が大きな成長のチャンスなので、今後はさらに学習とこういった日常会話とは違う、高度に言語を用いる機会を増やしていきたいです。

フィンランドへ

 冒頭で述べた旅行の中で、2年前に交換留学生として山口県立大学に来ていた友人を訪ね、フィンランド北部の町、ロバニエミに5日間滞在しました。スペインへの留学が決まったときから、その友人に会いに行きたいと考えていたので、実現できて本当に嬉しかったです。時期が丁度クリスマス直後だったので、サンタクロースのホームタウンであるロバニエミは、多くの観光客でにぎわっていました。友人の実家に宿泊させてもらったのですが、家族の皆さんが温かく迎えてくれ、ホームステイのような日々を過ごすことができました。サウナや雪だるま作り、フィンランドで有名な極寒の中での川泳ぎなど、できる限りの全ての経験をしたと思います。お礼に、家族の皆さんへ北海道の郷土料理である、「いももち」と、「抹茶団子」を振る舞いました。


いももちを作っている様子

前期を振り返って

 これまでの留学生活を振り返って、2つの大きな学びがありました。1つ目に留学は、自分がどのような人間であるのかを知ることができる機会だということです。初めての経験や人との関りを通じて、私は自分の知らなかった性格や長所、短所を知りました。このことはきっと留学ならではの収穫ではないかと思います。
 2つ目は、悩みや課題はどこに行っても結局同じだということです。留学前までは、私はきっと留学先ならではの悩みや、新たな課題があるのだろうと考えていました。しかし、環境こそ違えども、根本的な問題は日本にいたときと同じものでした。
 留学後半戦では、前期で知ることのできた自分の性格、課題と向き合って、自分を変えていき、より有意義な留学生活にしていきたいです。


スウェーデンのノーベル博物館に山中伸弥さんのサインの入った椅子が展示されていました。

パンプローナに日本の食品が買える自動販売機ができました。