ナバラ州立大学 国際文化学科3年 植木惠理奈 <1号 2019年9~10月>

 留学生活2か月が経ちました。UPNA(Universidad Pública de Navarra)での大学生活にもだいぶ慣れ、友人もでき、充実した日々を過ごしています。

出発前

 6月頃からビザ申請の準備を始めなければいけません。必要書類はスペイン大使館のHPに書いてある通りです。有効期限のある書類や、発行するために日数がかかるもの、申請や受け取りに行かなければならないものなど(少なくとも2回は東京にあるスペイン大使館に行く必要があります)があるので早い段階から調べ、日数を逆算して準備しました。

住むところについて

 UPNAから指定などもなく、自分で決めなければなりません。選択肢は家賃の安い順に、ピソ(シェアハウス)、寮(1人部屋)、ホームステイがあります。私は寮にすると自分の性格的に引きこもってしまうと思ったので、出発前からピソにすると決めていました。出発前にUPNAから大学の寮兼ホテルでもある"Los Abedules"の案内があったので、1週間宿泊する予約をとり、その間にピソを探す計画でスペインに到着しました。
 予約はメールでしました。8月21日にマドリードに着く便だったのですが、その日のうちに1人でパンプローナまで移動できるか不安だったので、マドリードに一泊するかどうかを寮の予約の時点でまだ迷っていました。そのため、念のために21日から寮を予約することにしました。名前と21日から27日まで予約したいという内容を送ると、予約完了と合計の料金が送られてきました。支払い方法やパスポート番号の確認など、その後も連絡がなかったので不安に思い、出発一週間前に本当に予約ができているのかを確認しました。確認ができたので安心して、22日の夜、一緒に留学をした山田さんと寮に着きました。すると私の予約はないと言われました。受付の人に言葉が伝わらないうえに、寮の社員ではなかったのでスムーズに話が進まず、結局メールを見せながら予約した証明をするのに1時間ほどかかりました。なんとか理解してもらえたのですが、担当の社員がいないからどうすることもできない、新しい部屋もとれないと言われ、その夜は18ユーロを払って山田さんの部屋にエキストラベッドをつけることになりました。ようやくすべてが終わったころには24時になっていました。次の日の朝、担当の社員にメールを見せて事情を説明すると、21日に来なかったから全部キャンセルにしたと言われました。私がはっきり決まってない時点で急いで予約したのも悪かったのですが、不安なスペイン生活のスタートになりました。
 その後、寮は1週間以内に引っ越さなければいけませんでした。私は様々なサイトを見て5件ほど連絡を取りました。2件内見させてもらうことが決まりましたが、寮の予約期間内に引っ越すことができそうにありませんでした。焦っていたときに、出国前に県大の先生に教えていただいていた、ピソを経営している日本人がいることを思い出し、連絡を取りました。その日のうちに内見させてもらい、これを逃したらもっと難しくなるだろうと思ったので、その場でそこに住むことを決めました。他の2件を断り、無事に寮の予約期間内に引っ越すことができました。ピソには、はじめはイタリア人もいたのですが、今はオーナー(日本人)とオーストラリア人の3人で暮らしています。

大学生活

 オリエンテーション後、1週間大学内の語学センターでスペイン語の授業を受講できます。  大学の授業自体は、9月から始まります。留学生は、UPNAのすべての学部学年の授業を履修できます。履修は、アカデミックコーディネーターに相談して決めるのですが、そこで勧められた授業を履修しました。大学ではスペイン語(スペイン語開講)、社会学(英語開講)、文化多様性(英語開講)の授業、大学の語学センターではスペイン語と英語の授業を履修しました。しかし文化多様性の授業は、UPNAの1年生の必修科目のため、授業中騒がしく、なかなか授業に集中することができませんでした。そのため先生に許可をとり中間プレゼンテーション後、履修をやめました。後期は自分が学びたい科目を履修できるように、前期のうちに語学力を高めたいと思います。語学の授業は読む、書く、話す、すべてを均等に学ぶことができます。
 語学センターでの授業の単位は、大学の単位になります。しかし別途授業料がかかります。決して安いとは言えない値段ですが、大学の授業だけでは足りないと思ったので履修しました。


自転車で通学しています。

言語

 私はスペイン語を学びたくてスペイン留学を選びました。しかし、英語を使わなければならない場面が思っていた以上に多く、もっと英語の勉強をしてくるべきだったと毎日後悔しています。UPNAには多くの国から留学生が来ています。そのため、留学生同士の会話は主に英語です。(とはいえ英語の勉強のためのスペイン留学はお勧めできません。)しかし街にでるとスペイン語を主に使います。もちろん英語を話せる人は日本よりも多いですが、基本的にスペイン語です。

生活

食べ物
 スペイン人は14時に昼食をとります。そのため、時間割も14時から15時までがお昼休憩になっています。私は2か月経った今でも体内時計が日本のままなので、14時まで待てません。13時前後に学校のカフェか、学校近くのカフェバー、または家で食べています。
 夜ごはんは、基本的に家で自炊をしています。週に1、2度バルやレストランで友人と食べています。スペインのレストランは高いので、バルで「ピンチョス」を食べることの方が多いです。自炊に関しては、日本よりも食材が安く、スーパーも至る所にあるので、ほぼ毎日行って食材を買い、作っています。


毎週木曜日の"JUEVINTXO"では若者からお年寄りまでたくさんの人が街の中心街に集まり、ピンチョスを食べながらワイン・ビールを飲み、おしゃべりをします。

スペインを代表する料理「パエリア」

買い物
 日本と同じように、なんでも揃います。スーパーはフランス系やドイツ系など様々な種類があるうえに多いので、とても便利です。洋服屋はZARA系列のものが多くあります。百貨店やモールなどもすべて大学から徒歩30分、バス15分以内の距離にあります。買い物をする中でとても驚いたことは、返品がとても簡単にできることです。開封の有無や汚れのチェックなどもなく、商品とレシートさえ持って行けば返品できます。
 不便な点は、遅くまで開いているお店は多いのですが、シエスタがあるので14時から16時までは閉まっているお店が多いことです。シエスタがあるかどうかを確認して行かなければいけません。

休日
 AEP(Erasmus)という留学生をサポートしてくれる団体があります。毎週格安のツアーやスポーツイベント、季節のイベント(ハロウィンなど)、お互いの国紹介など様々なイベントが企画されています。それらに参加することで、いろいろな国の人と関わることができます。最近は友人と旅行に行ったり、ジムやハイキングに行ったりして休日を過ごしています。この2か月でバルセロナ、サンセバスチャン、サラマンカ、セゴビア、ビルバオ、オリテ、トゥデラ、アンダイエ(フランス)などたくさんの観光地に行くことができました。


AEPのイベント"INTERNATIONAL DINNER"パーティーで、私は巻き寿司を作りました。並べて写真を撮る前に全部なくなりました。

スペイン人の友人に誘ってもらい、パンプローナのサッカーチーム(オサスナ)の試合を観に行くことができました。

治安
 基本的にとても安全です。特にパンプローナは、スリも殆どいません。しかし地域によって異なります。例えば、バルセロナではスリやデモが非常に多いです。旅行に行くときは、その地域の情報を調べています。


バルセロナにて、カタルーニャ州分離独立派による抗議活動が行われていました。