ナバラ州立大学(2018年度交換留学生)国際文化学科3年 磯部優佳 <3号 2019年1~2月>


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 留学生活もとうとう折り返し地点を過ぎてしまい、一日一日過ぎていくことに寂しさを感じています。私事ですが、1月に21歳の誕生日を迎えました。誕生日当日はホストファミリーとパエリアや私の大好きなオリーブなど少し豪華なランチを食べ、夕方にはホストシスターのレイレの友人家族、ホストマザーのカルメンの両親と弟家族が家に来てくれて一緒にコーヒーとケーキでお祝いをしてくれました。誕生日プレゼントをみんなからもらって、たくさん祝われてとても幸せな誕生日でした。プレゼントは大切に使っています。次の日は大学のスペイン人の友人と一緒に食事に行き、祝ってもらいました。その時が初めてスペイン人の友人との1対1の食事だったのでちゃんと会話が弾むのかなど少し緊張していましたが、とても楽しい時間を過ごせました。その友人とはその時までほとんど英語で会話していたので、こんなにスペイン語が話せるなんて知らなかったと驚いていてとても嬉しかったです。
 さて、1月23日から春学期が始まりました。私は、今期は「HABILIDADES COMUNICATIVAS EN ESPAÑOL COMO LENGUA EXTRANJERA II(外国人のためのスペイン語の授業)」と「LENGUA, CULTURA Y LITERATURA HISPÁNICAS II(スペインの言語、文化、文学の授業)」の二つを受講しています。スペイン語の授業は前期に引き続き受講しています。前期は入門のA1-A2のクラスでしたが、後期は上級のB1のクラスになりました。前期よりも授業の内容が難しくなりましたが、新しい表現を学べることがとても楽しいです。スペインの文化の授業では、全てスペイン語で行われ週1回プレゼンテーションか作文の課題が出るので大変ですが、内容が祭りや音楽、教育まで幅広く学ぶことができとても興味深いです。最近ではバスクやナバラの伝統的な音楽について学び、txistu(チストゥ)という楽器を見てすごく興味を持ったので、近々購入して練習してみたいと思っています。そして、大学の授業とは別に、パンプローナ郊外のZizirという村で行われているスペイン語の個人レッスンに通い始めました。前期は大学の付属の語学学校でスペイン語のレッスンを受けていましたが、グループレッスンで他の学生はヨーロッパからの留学生が多く、しばしば授業についていけないということがありました。そこで、個人レッスンが受けられるところを探して今の先生の所へ通い始めました。わからないことや疑問があったらすぐに質問することができ、たくさんアウトプットできるのでとても充実しています。
 前期にたくさんの友人ができましたが、そのほとんどが1月、2月に自国へ帰っていきました。とても寂しくなりましたが、ナバラ州立大学にはたくさんの中国人留学生がおり、そのほとんどがスペイン語専攻であるため後期の授業では中国人の友人ができました。また、パンプローナの留学生の団体AEP(Asociación Erasmus Pamplona)に入ったので、そこでもたくさんの友人ができました。前期に比べて英語を使う機会が減り、忘れつつあるので定期的に活動に参加して英語を練習するようにしています。その活動の中で一番好きなのは、「REP. your country」です。これは自分の国についてプレゼンテーションをし、その後その国の料理をみんなで食べるという活動です。イタリアとアメリカの発表はどちらもとても面白く、楽しかったです。私も日本のプレゼンテーションをしたいのですが、他に日本人がおらず50人分の食事を1人で作るのが不可能なので実現しそうにないので残念です。また、私は参加したことはありませんが、定期的にAEPでの旅行があり、San SebastianやOliteの日帰り旅行から、Madrid3日間、Granada5日間などの少し長めの旅行まで盛りだくさんなので、とてもおすすめです。
 スペインでの生活は、ホームステイをしているおかげでとても充実しています。1月にホストマザーの従兄たちのパーティーにお邪魔しました。とにかく飲んで話して踊ってという感じでした。夜の8時にバーで集合でしたが、噂通りスペイン人は遅れて来て、飲んでいるうちに人が集まり、11時にやっと食事、それからバーを何軒もはしごし早朝4時にお開きとなりました。それでもホストマザーが「こんなの序の口で次の昼まで続くこともある」と言っており、スペイン人は本当にフィエスタが大好きだなあと思いました。
 1月にNoche vieja(大晦日)とNuevo año(正月)などがあり、2月にはCarnaval(カーニバルまたは謝肉祭)がありました。中世よりカトリック圏では、キリスト復活日の46日前から始まる四旬節という期間中は、食事や祝い事の節制が行われてきました。四旬節中は、肉を絶つ慣習もあるので四旬節が始まる前に「思う存分肉(Carne)を食べお祭り騒ぎをする期間」として、Carnavalが生まれたそうです。現代では、食の節制などを実際に行う敬虔なカトリック教徒は少なくなっていますが、お祭りの習慣は、色々な国に根強く残っています。私はレイレや親戚のカロリーナ、その彼氏のホルヘと、カウガールやインディアンの仮装をして街に出ました。夜はお祭り騒ぎで仮装した人たちが街を練り歩くパレード、街の中心にある広場では特設ステージが組まれ、みんな思い思いに歌ったり踊ったりしていました。
 この2カ月はほとんど旅行をしませんでしたが、1月の授業が始まるまでにオーストリアのウィーンとザルツブルグへ一人旅をしました。私はクラシック音楽が大好きで夢を叶えるために行きました。ウィーン国立歌劇場でのオペラや室内楽のコンサート、ニューイヤーコンサートで有名なウィーン楽友協会、モーツァルト関係の博物館、映画「サウンド・オブ・ミュージック」のロケ地まで実際に訪れることができ、本当に充実した旅でした。1週間の短期旅行でしたが、その間もホストファミリーと電話をしたりしました。
 留学期間も残り少なくなってきましたが、最後まで楽しみつつ悔いのないように過ごしたいと思います。

誕生日ケーキ

憧れだったウィーン国立歌劇場にて

カーニバルでの仮装