ラップランド大学 国際文化学科4年 北谷緑 <4号 2019年3~4月>

Mitä kuulu?(お元気ですか?)

 ラップランド大学での留学期間もついに残り1か月を切りました。短かったようで長かった9か月。こちらでは5月末まで授業があるので、まだ新学期を迎えたことも、4月から最終学年になったということも、さらには元号が平成から令和に変わったということも正直まだ実感ありません。帰国後また新たに色々なことに向き合わなければならないため、正直不安と焦りが出てきている今日この頃ですが、フィンランドで学んだ心・身体・時間に余裕のある暮らし方を実践し、私らしくいこうと思っています。

3月8日International Womens Day2019(国際女性デー)

 皆さんはこの日をご存知でしょうか?恥ずかしながら私は知りませんでした。

1904年3月8日に米ニューヨークで婦人参政権を求めたデモが起源となり、1910年のコペンハーゲンでの 国際社会主義会議にて「女性の政治的自由と平等のために戦う日」と提唱したことから始まりました。(Happy Woman https:happywoman.online『国際女性デーとは』 https://happywoman.online/ 参照)

 フィンランドの家族のお父さんとその息子2人達から、お母さんと私にともらったバラの花束を囲み、美味しいごはんを食べました。フィンランドは仕事も子育ても男女ともに非常に積極的な国です。そんな私にとって理想のライフスタイルの国でこの日を迎えられ、愛する人たちにお祝いしてもらえて幸せでした。

Arctic Design Week

 3月18日~24日の間、ロヴァニエミではArctic Design Week が催されました。この期間中はデザインに関するワークショップやカンファレンス、展示会等の様々なイベントが開かれ、フィンランド国内外からのデザイン関係者、地元の学生、家族、老若男女問わず多くの人でにぎわっていました。ちなみに毎年、本学文化創造学科の数名がラップランド大学でのデザイン研修、そしてこのデザインウィークに参加しています。この期間はできるだけ学生に様々な催しに参加してほしいという事で、ラップランド大学のデザイン学科の学生は授業があまりないと友人から聞きました。確かに私も英語の授業しかなかったように思います。このような先生方の配慮もあり心置きなく多くのことを吸収できた1週間でした。この期間中、滞在していた文化創造学科の学生のアテンダント及びラップランド大学での通訳をしました。日本を出てフィンランドで生活してもうすぐ1年。日本の良さを痛感したと同時に、フィンランドの魅力も存分に感じた日々でした。そんなフィンランドの魅力を少しでも学生に紹介し、山口県立大学とラップランド大学の橋渡しになりたいという思いがありました。その結果、学生からもラップランド大学の先生からも肯定的なフィードバックをいただけて感無量の喜びでした。

JAPANILAINEN PUUTARHA(日本庭園)

 南フィンランドに滞在したときにフィンランドの家族が室内日本庭園に連れて行ってくれました。庭園はビニールハウスの中にありましたが、室内に入った途端懐かしい湿度を感じ日本を思い出しました。フィンランドは湿度が低く非常に乾燥しています。ありきたりな表現ではありますが、日本にいたときは当たり前だった四季の美しさも、日本を出てみるとより一層その美しさに気付くことができます。

授業について

UMUO0225, Arctic Design Project, 6 ECTS
 1年を通して履修してきたこのプロジェクトも、いよいよ今月末で終了です。メンバーと共に、5月末にラップランド大学で行われる大規模なカンファレンスのプロデュースに勤しんでいます。このプロジェクトに長いスパンで参加することで、サービスデザイン思考を取り入れた計画、実行とそのプロセスを学ぶことができました。昔から1人作業を好んでいた私にとって、他の人と協働することで1人では得られないことが経験できるのだ、と気付きました。カンファレンス成功に向けて、最後までやり抜きたいと思います。

FENG0002 English: Oral Skills (CEFR B2), 3 ECTS cr.
 前期も英語の授業を履修しましたが、今期はとくにスピーキングを重視する授業を履修しました。毎授業事に課題があります。この授業の先生は、先生と生徒という壁を感じさせない、とてもエネルギッシュで面白い女性で、私はこの先生が好きでした。もともとスピーキングは好きな方でしたが、1年を通して英語の授業を履修し、最近友人たちから「英語が上達したね!」と言ってもらう機会が多くなりとても嬉しいです。帰国後も英語の授業を履修予定なので、引き続き語学力を磨きたいと思います。

MVAP0024 Competition, 2-4 ECTS cr. / 1 Cr.
 フィンランドで有名なアラビア社でデザイナーとして働いていた方のマグ・ワークショップに参加しました。フィンランドの自然に基づく色合いをイメージしながらデザインしました。「やっぱり私は手を動かして何かを作るときに幸せを感じるなぁ」と感じた瞬間でした。今後もこのようなワークショップがあればぜひ参加したいです。

FVAS7006 Artistic Production of Clothing Design, 5-10 ECTS cr.
 文化創造学科の学生が参加した「YPU Color WS」のアテンダントをしました。担当の先生による色彩やファッションの歴史のプレゼンテーション、最終課題であるカラープレート制作等のワークショップを1週間かけて行いました。通訳や先生のアシスタントをする中で私自身も多くのことを得ました。色に興味を持っている私にとってとても有意義なワークショップで、見ているだけでも楽しめる、そんな至福な時でした。


Kiitos Paljon!(Thank you so much!)

 ラップランド大学での学びも残り1か月を切りました。今率直な気持ちはまだしばらくフィンランドにいたいという気持ちと、日本に戻りたいという気持ちの半々です。こちらに来て新しい友人、大切な人たちもできました。約9か月間がむしゃらに毎日を送ってきました。日本にはいつも応援し励ましてくれる、愛する家族・友人がいます。また、留学前から暖かく見守ってくださっている山口県立大学の先生方、いつもありがとうございます。このレポートはまだ最終号ではありませんが、私にかかわって下さっているすべての方々にお礼申し上げます。残り少ないフィンランド生活を思う存分楽しみます!Moi Moi!