ラップランド大学(2018年度交換留学生)国際文化学科3年 北谷緑 <2号 2018年11~12月>


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 Hyvaa joulua ja onnellista uutta vuotta!(Merry Christmas and Happy new year!)
 フィンランドでの留学生活もあっという間に5ヶ月を迎えました。今回は秋学期の振り返りとクリスマス休暇、そして始まったばかりの春学期の様子について書きます。

秋学期の振り返り

 秋学期に履修した授業は以下のとおりです。私が所属しているArt&Design学部は通年開講される授業が多いため、実質秋学期に履修・単位取得した授業は少ないです。

XFIN0230 Finnish Culture 3ECTS
 全10回の講義で様々な側面からフィンランドの文化を学びました。先生も毎回異なり、フィンランドの知識もこの講義を通して遥かに増えました。課題は毎回最低1ページのラーニングジャーナルを書き、最終提出日にまとめて提出することでした。私が特に興味を持ったのが、"Finnish conversation"です。先生は講義中にフィンランド人の特徴を次のように説明しました。"The silent Finn, The Not-so-skilled Finn, The Serious Finn, The Polite Finn, The Lonely Finn."確かにフィンランドの人はシャイで物静かな人が多いですが、あまりにも皮肉めいたこの説明をフィンランド人の先生がするというところが何とも面白かったです。

MENG0001 English: Reading Comprehension 3 ECTS
 ラップランド大学では英語を含む多言語の授業はLanguage centerで開講されています。同じデザインを学ぶ学生と履修しました。留学生は私のみで、クラスメイト全員がフィンランド人学生という環境でしたが、おかげでフィンランド人の友人ができました。毎回、Academic Jounalを3つ読んで授業時にペアの人とそれを共有します。相手に伝え、共有するためにはまず自分がしっかりと内容を理解しておく必要があります。Academic Jounalはこれまでにも読んだことはありましたが、定期的に読むことがなかったので余計に苦手意識が強かったです。しかし、この授業では先生がデザインの学生向けにデザインがテーマのものを選んでくれて、課題も自分の分野のものを読むため、専門用語が出てきても興味関心を持って読めるようになりました。

FTEK5005 Printing Workshop 3 ECTS
 秋学期で一番楽しかった授業と言っても過言ではないです。この授業ではシルクスクリーンを用いてファブリックデザインをしました。私は留学前からテキスタイルと色彩に興味を持っていたので、このワークショップを体験できて本当に良かったです。最終課題にプレゼンテーションと作品制作がありました。まず自分の作品を大学内のどこにどのような形で展示するのか(例えばテーブルクロス、カーテン、クッションカバーetc)、そしてなぜその場所、形を選択したのかということを設定した上で実験、制作していきました。私は山口県立大学でサービスデザイン論を履修し、消費者思考のデザインに興味を持ち始めました。このワークショップでは自分の作品をここに、このように展示し、商品化することで消費者はどう感じるのか、逆に現状ではこのように感じているから自分の作品を導入することで、より良い環境にするというようなサービスデザインのアウトプットを経験することができ、とても嬉しかったです。発表後には大学で展示会があり、私の作品が3月にロヴァニエミのデザインショップで展示されることになりました。テキスタイル以外にも、帰国前までに精力的に学びつつ作品作りができたらと思っています。


大学内の展示会の様子。私はコーヒーブレイクルームに展示しました。作品と私。そして作品の拡大図です。作品名は"Luonto(自然)~Based in Rovaniemi~"です。ロヴァニエミの自然から着想を得ました。

クリスマス休暇

 12/3が最終授業だったので、12/4~1/7まで約1ヶ月間のクリスマス休暇がありました。休暇中の1週間はロヴァニエミとケミ(ロヴァニエミから電車で南へ1時間くらいの場所)で過ごしました。フィンランド人の友人宅へ訪問やアパートで映画鑑賞、時間を気にせず料理やお菓子作りをするなど贅沢な時間を過ごしました。残りの3週間は南に下りて首都のヘルシンキで愛するフィンランド人家族のもとで過ごしました。その間にもヘルシンキ大学に留学中の日本人学生の女の子と会うなど充実した日々でした。日本人にとってはクリスマスは恋人や友人と過ごし、お正月は家族や親族と過ごす習慣があると思いますが、フィンランドは逆で、クリスマスを家族と過ごし、お正月を恋人や友人と過ごします。日本はクリスマスが商業化してお店が開いていますが、フィンランドではクリスマスにはほとんどのお店が閉まります。フィンランド人の徹底して家族を大切にする文化をこの5ヶ月で何度も目にし、大学進学を機に地元を出た私はなかなか帰省もできなかったので、帰国後卒業までに家族との時間を今まで以上に大切にしたい、と強く思うようになりました。新年になるとフィンランドでは花火が上がります。日本では花火は夏の風物詩ですが、フィンランドでは新年のものだそうです。お正月は日本から家族がサプライズでビデオ電話してくれて親戚と対面、新年の挨拶、フィンランドの家族の紹介もでき感謝の気持ちでいっぱいになりました。新年を海外で迎えるのは初めてでしたが、思い出に残る素敵なお正月となりました。これまでにも最長1ヶ月の海外生活を経験したことはありましたが、やはり5ヶ月目にもなると家族や友人、日本の味(調味料など)が恋しくなる瞬間も少しずつ増えてきました。愛するフィンランドの家族や友人と時間を過ごし、ゆっくりと自分と向き合えた、有意義なクリスマス休暇でした。

ちゃっかりロヴァニエミのシティのクリスマスツリーの下でスマイル


フィンランドの伝統的なクリスマス料理のスターターはサラダやサーモンなどの魚類、メインはハムなどの肉類です。ちなみに日本のクリスマスはいちごのショートケーキのようなイメージがありますが、フィンランドはケーキの代わりにハムを買うようです。


ポルヴォーに行ってきました。雪に覆われて真っ白な雪景色でとても綺麗でした。サマータイムとウィンタータイムには観光客で賑わうそうです。


ヨーロッパのご飯とポルヴォー名物のルーネベリタルト。色合いも味も最高でした。 Ihana!


フィンランドの雪景色と雪玉をたくさん作ってその中にろうそくを作ったときの写真です。辺りが暗くなると綺麗に光ります。

始まったばかりの春学期のこと

AGRA0506 Workshop in Graphic Design/Ideas and Book Cover Workshop 3ECTS
 秋学期に友人が履修していて、ポートフォリオを見たときに自分もグラフィックデザインをいずれ経験したいと思っていたので履修予定です。
 ワークショップまで数ヶ月、時間があるので大学のパソコンでphotoshopやillustratorをできる限り練習したいと思います。

FENG0002 English:Oral Skills, Textile, Clothing and Interior Design 3ECTS
 Textile, Clothing design学生向けの英語の授業です。

FVAA1029 Materiaalit ja muoto 5ECTS(秋学期から履修中)
 秋学期は服飾におけるマテリアルの授業で、今期は形状の授業になりました。今後は自分のアートワークとしてデザイン画、グループで制作するワンピースをもとにポートフォリオを作成します。

UART1102 Finnish Design(Spring) 4ECTS
 様々なフィンランドデザインの分野を勉強します。

UART1114 History of Design and Architecture in Finland 4ECTS
 フィンランドデザインと建築の歴史を勉強します。

UKUV0915 Excursion: Art in Public Spaces and Exhibition 2ECTS
 ロヴァニエミから南に2時間ほどのオウルという場所にフィールドワークに行くそうです。

UMUO0225 Arctic Design Project 6ECTS(秋学期から履修中)
 Cumulus conferenceのプロデュースのグループに所属しています。アイテムグループとスペースグループに分かれ、秋学期、私はアイテムグループとしてイベント用のTシャツをデザインしました。今学期は、また同グループメンバーと協働して彼らから学びつつデザインに携わりたいと思っています。

XENG0207 Academic Presentation Skills in English 3ECTS
 英語でプレゼンテーションの方法を学びます。

XFIN0001 Finnish for Foreigners1 Group3 3ECTS
 念願のフィンランド語の授業です。秋学期では授業スケジュールの関係で履修できなかったので、とても楽しみです。

 留学生活も早いもので折り返し地点に到達しました。-10度が当たり前のようになっている今日この頃ですが、健康に気をつけフィンランドで楽しみながら学び、一日一日を過ごしたいと思います。