慶南大学校 国際文化学科3年 西春南 <最終号>

はじめに

 私にとって冒険の年となった2020年も終わりを迎え、2021年になりました。期末考査も12月には終わり、現在は日本の大学の課題や帰国準備をしながら、韓国人の友人と留学生活が終わるまで楽しく過ごしています。今回は、期末考査とキムチ作りについて紹介します。

期末考査

 一部対面授業が再開していましたが、新型コロナ感染症がまた流行り始め、オンライン講義に戻りました。期末考査は、前期と同じように講義によってオンラインと対面で行われるものがありました。今回は、後期の期末考査について説明をしたいと思います。

日本語教科教育論

 この教科は、対面でテストが行われました。テストはすべて授業や教科書の内容から出題され、問題も解答も日本語であったため、難しくありませんでした。日本語教育に興味がある方は気軽に履修できる科目であると思います。

日本語教科教材研究及び指導法

 この教科も、対面でテストが行われました。先ほど記述した日本語教科教育論と先生が同じであり、テストの方式も似ていました。この教科では、テストよりも模擬授業が重要視されます。そのため、40分の模擬授業により力を入れました。パワーポイントやプリントなど準備に多くの時間がかかりましたが、実際に授業を行うという経験は、自身の性格にあった職業なのかを身をもって体験するので、意味のある時間だったと思います。

中国の理解

 この教科も、対面でテストが行われました。他の科目に比べて履修者数が多く、テスト時には2つの教室に分かれて実施されました。テストは、中間テストと同様に授業内容を理解しておく必要があります。また、最後にレポート課題が出されました。

基礎生活英語会話

 この教科は、オンラインでスピーキングのテストが行われました。事前に作った英文を読むため、練習をたくさんすることができます。私は少し緊張してしまったのですが、先生が優しくずっと聞いてくださいました。全体的に毎週の課題が地味に大変ですが、苦手な英語に触れる機会を作ることができ、先生も優しいので良かったと思います。

大衆メディア文学

 この教科は、オンラインでテストが行われました。中間テストと同様、インターネットカフェで受験しました。内容も中間テストと似ており、期末考査での範囲が非常に広く難しかったです。
 後期の期末考査は、例年より少し早めの12月中旬には終わりました。前期とは異なり、韓国人の学生と共に受ける教科のみだったため、前期よりは大変な部分が多かったです。しかし、短い時間ではありましたが対面での授業も受講することができ、留学生らしい生活を送れたのではないかと思います。

キムチ作り

 韓国では、11・12月頃に1年分のキムチを作ります。김장(キムジャン)と呼ばれるこの儀式は、2013年にユネスコの無形文化遺産にも指定されたそうです。今回も、いつもお世話になっている先生が招待してくださいました。家に入るや否や、山積みになった白菜と子供用のプールだと思われるものと、たくさんの唐辛子がありました。


山積みの白菜
先生の親族、4・5人体制でキムチを漬けていました。写真のように子供用のプールいっぱいに積み重なったキムチの材料たちは本当に衝撃的でした。

キムジャンの様子
このように多くの手で作られるキムジャンの作業は、3・4時間程度行われました。

1年分のキムチ
写真のように多くのキムチを作ることも驚きですが、何よりもこの量のキムチを1年間で食べるということにも驚きました。また、韓国の家庭にはキムチ専用の冷蔵庫があります。このキムチたちもキムチ専用の冷蔵庫に入れられるそうです。

映画館

 期末考査が終わり、初めて韓国の映画館に行ってみました。マスク着用の義務や体温測定、1つ席を空けて座るなどの感染対策が実施されていました。韓国人の友人がインターネット上で事前に予約してくれました。映画館自体は日本と大きく変わった点はありませんでした。しかし、日本語字幕なしで韓国映画を大画面で見ることは不思議な感覚でした。また、このご時世なので、公開されたばかりの映画にも関わらず、観客は10人もいませんでした。


韓国の映画館

まとめ

 1年間に及ぶ留学生活もついに幕を閉じます。韓国に来たばかりの頃は、韓国語に自信もなく、実際に韓国の大学で生活していけるのか不安でした。しかし、共に慶南大学校に留学した福元さんや韓国人の友人、日本にいる家族や友人、山口県立大学と慶南大学校の先生方など、多くの人々に支えられながら、充実した日々を送ることができました。例年とは大きく異なりますが、簡単に外出ができない今だからこそ、韓国で出会った1人1人と深く関わることができたようにも思います。また、留学生活を送る中で、人を頼ってもいいということを学びました。誰かを頼ることは恥ずかしいことではなく、互いに頼り、頼られるという関係性から信頼が生まれるのではないと考えるようになりました。
 1年間、福元さんと慶南大学校に留学し、韓国人の友人に出会え、本当に良かったです。そして、関わったすべての人に感謝しています。