慶南大学校 国際文化学科3年 折見菜緒 <4号 2019年9~10月>

はじめに

 11月を迎え、留学生活も残り少なくなりました。韓国の大学は後期が12月末で終わるので、大学生活自体は残りあと2か月を切りました。韓国に来たばかりの頃よりずっと韓国の生活にも韓国語にも慣れたので、このまま日本に帰ってしまうのが惜しい気がしている今日この頃です。最後まで気を引き締めて頑張ろうと思います。今回は後期に私が履修している授業について紹介します。

履修中の授業(後期)

 前回の報告書で、どのような授業を履修しているかについて軽く紹介程度に述べました。今回の報告書ではすでに中間試験も終わったということで、各授業がどのような内容なのか大体つかめてきたので詳しく紹介していこうと思います。
 今学期私が取った授業は5つの教養授業「現代社会とマスコミ」、「基礎生活英語会話」、「慶南地域の歴史と文化」、「中国の理解」、「西洋の歴史と文化」と日語教育学科の日本人教授が是非一緒に授業を受けてほしいと言ってくださった日語教育学科の専攻授業「日本語教育総合設計Ⅱ」の計6つです。

 まず、全学科の学生が履修可能である教養授業について紹介します。
 「現代社会とマスコミ」は教科名からもわかる通り、現代社会におけるマスコミがどのような存在であり、どのような影響を人々・社会などに及ぼしているのかについて学んでいく授業です。授業を通して私たちが今後どのようにマスコミと付き合っていくべきかについて考えることができます。あまり見知らぬ単語が頻出するというわけではないので、聞きやすい授業かなと個人的には思います。ただ先生が板書をする際の文字が、その授業を行う教室のホワイトボードの汚さも相まって、解読が困難な場合が多いです。先生の板書のスピードも速く、すぐに書き写さないと消されてしまうことがあるので、とりあえず先生の字を見様見真似でメモしておいて、後で文脈から推測しながらなんとかやっています。この授業は中間と期末2回の試験とグループ別で行う発表があります。試験は資料やノート持ち込み禁止ですが、自分の考えを書くような記述式問題ではなく知識を問う問題なので、しっかり勉強しておけば難しくはないと思います。グループ別発表は各自自由に4~5人のグループを組んで行いますが、先生が留学生に対して配慮をしてくれることなどがなかったので、少し苦労しました。授業を聞いている学生はもちろん韓国人がほとんどなので、韓国人学生と同じグループで活動することになります。韓国の大学生は日本の大学生よりも高成績を重視する学生がほとんどで、課題に対する熱量や完璧を求める意識が高く、完璧な発表を作るためにはどんどん自分の意見を主張したり、相手への批判を行うため、意思疎通などがある程度できないとしんどいかと思います。

 次に「基礎生活英語会話」についてですが、この授業は教科書にあるトピックについてペアやグループで英語を使って会話をする授業です。基礎と中級があるのですが、私が選択した授業は基礎なので、学生の英語力は様々です。この授業は韓国人と外国人が半々くらいの割合で、韓国、中国、台湾、ウズベキスタン、日本とかなり多国籍な授業です。インタビュー形式やゲーム形式で授業が進行していくためとても楽しく、たくさんの人と話せるので私はこの授業が一番好きです。試験は中間、期末と2回で、中間試験はランダムに選ばれたペアとあらかじめ告知されていたテーマについて会話をするという内容でした。あとは時折自己紹介や自分の経験について語るビデオを撮影して提出したり、プレゼンテーションをしたりという課題がありますが、全部簡単で先生もとても寛容で優しいので、それほど負担にはなりません。基礎クラスではそこまで高度な英語力が問われるわけではなく、たくさんの人と授業の流れで自然と話せるので友達作りをする気分で気軽に履修してみるといいと思います。ただ「基礎生活英語会話」は同じ名前の授業が3~4個あり、担当教授がそれぞれ異なるので、私が受けている授業と内容に違いは出るかと思います。

 次に「慶南地域の歴史と文化」の授業ですが、この授業は基本グループで話し合いを行いながら進めていく授業です。授業の担当教授が、留学生に対する配慮をこれでもかというほどたくさんしてくれるため、快適に授業を受けることができます。科目名にもある通り、慶南地域の歴史や文化について学んでいくのですが、韓国の歴史を学んでいると、ほかの授業内容とも結びついたりして理解が深まります。私の場合、前期に履修した「韓国文学の理解と感想」の授業内容と結びつく点がありました。この授業もやはり中間、期末と2回の試験があり、中間試験はオープンブック式の試験でした。授業中に試験問題が配布され、それについて各自まとめた手書きのノートだけ持ち込むことができます。あらかじめまとめた解答をまた教室で答案用紙に同じように書かなければいけないという方式は正直二度手間な気もしますが、スラスラ文章を書けるわけではない留学生にとっては十分に試験準備ができるのでいいかもしれません。注意点としては、時間内に自分が書けるだけの文章量にまとめておくことです。私は試験期間に少しずつ準備したので自分の解答を書くのにどれほどの時間を要するのかわからず、結果試験時間内に全部書くことができませんでした。期末試験はオープンブック式ではないと先生が言っていたので、少し不安です。課題は個人課題とグループ課題があります。どちらも歴史的価値のある場所(遺跡や博物館、文化財など)に直接出向いて記録を取り、文章やプレゼンテーションにまとめるという形式です。量がかなり多く、個人課題とグループ課題の提出期限が被っているので少し大変です。

 次に「中国の理解」の授業ですが、この授業は中国という国がどのような国なのか社会像や現代史などから学びます。中国は日本と物理的に近い国ではありますが、社会体制や文化などが大きく異なる点ばかりで面白く、非常に興味深い授業内容です。ほかの授業は先生が授業で扱ったスライドなどの資料を「eキャンパス(県大でいうYPUポータルのようなもの)」にあげてくれるのですが、この授業はスライド内容を全て手書きでノートにメモしなければいけません。最初の方は書き写し終える前に次のスライドに移ってしまったりということが結構ありましたが、慣れてしまえばさほど苦にはなりません。先生の話し方に少しクセはありますが、個人的には逆にそれが印象的で授業内容が記憶に残りやすいです。試験は中間、期末の2回と手書きのレポート課題があります。中間試験は知識を問う問題で、問題数も少なく、難しくはないと思います。レポート課題はテーマが自由で量も少ないです。この授業は留学生にも比較的易しい授業だと思います。

 次に「西洋の歴史と文化」の授業についてですが、私はこの授業に一番苦労しています。西洋について学ぶ授業なので外国の単語ばかり出てくるのですが、韓国と日本では表記の仕方が微妙に異なるためかなり混乱します。他の科目の授業内容は日本語で覚えて試験の時に韓国語に翻訳して記述することもできるのですが、私は外来語の韓国語表記が苦手なのでこの授業は韓国語で覚えないといけません。試験は中間、期末の2回とレポート課題が1つあります。中間試験は知識を問う問題と、自分の考えを書く問題が出題されました。勉強していればそこまで難しくはないと思いますが、私にとっては苦手分野なのでかなりてこずりました。レポートは量が少し多いですがテーマはそこまで難しくはありません。しかし担当教授が文章構成(分かち書き、単語表現、起承転結など)に非常にこだわりの強い方なので、留学生には少し厳しいかと思います。また、出欠を取る際に簡単なテーマではありますが文章を書いて提出するという方法で出欠を取ることが度々あり、その際にもかなり厳しく訂正をされたりするので文章を書く能力は伸びるかもしれませんが、少し負担にはなります。正直この授業は韓国でないと学べない内容というわけでもないので、この授業をを取るよりは他の授業を取った方がいいかなと思います。

 最後に日語教育学科の専攻授業である「日本語教育総合設計Ⅱ」についてですが、この授業は毎週授業があるわけではありません。学生を2つのグループに分け、それぞれのグループで地域をより良くするための企画を練って発表するという内容の授業です。基本的にはそれぞれのグループで授業外の時間に集まって企画を完成させていき、2か月に1回ほど授業で進行状況を発表します。私の所属するグループは昨年違う場で練って通らなかった企画案を再びこの授業で通したいという学生がいたので話し合いも少なく、日本人学生の負担も日本語訳がメインで、負担が少ないです。試験や課題などもありません。

最後に

 今学期履修する授業は前期より2つ多く、サークル活動も始めたのでかなり忙しい毎日を送っています。日本では経験できなかったであろうことをたくさん経験できていて、非常に充実しています。残りの留学生活も、やるべきことをこなしながら楽しみたいと思います。


サークルの友人とロボットランドに行った時の写真

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