慶南大学校 国際文化学科3年 折見菜緒 <3号 2019年7~8月>

はじめに

 約2ヶ月間の夏休みが終わり、9月2日から後期の授業がスタートしました。気持ちを切り替えて、後期も学びの多い留学生活になるように頑張ろうと思います。今回は履修登録についてと夏休み中の生活について報告します。

履修登録について

 前期の履修登録では外国人サポート担当の先生が手伝ってくれて一緒に行いましたが、後期の履修登録はインターネットを使って一人で行わなければいけませんでした。履修登録の手順は山口県立大学とは異なり、まず仮登録期間(7月23日~25日の3日間)のようなものが存在します。この仮登録期間にはまず수강바구니(直訳すると"受講カゴ")というファイルに自分が受講したい授業を登録しておきます。この段階ではまだその授業を履修できるかどうか不確定な状態です。履修できるかどうかは8月1日にわかり、希望者が定員内の授業はその時点で履修登録完了となります。希望者が定員をオーバーしている授業は学年ごとに決められた日にちと時間にもう一度履修登録をしなければいけません。この際の履修登録は早い者勝ちとなり、登録できなかった人たちは他の授業を登録します。幸い私が仮登録期間に選択した授業は定員がオーバーすることなく、スムーズに履修登録をすることができました。今回は前期の失敗を生かして授業が行われる場所も考慮しつつ履修登録をしました。あらかじめ先生が配布してくれた授業一覧を見ながら履修を組んだのですが、実際にインターネットで授業を検索すると開講しない授業が多く、当初の予定とはかなり違うものになりました。
 今回私が受講する授業は6つ(17単位)、「慶南地域の歴史と文化」、「現代社会とマスコミ」、「中国の理解」、「西洋の歴史と文化」、「基礎生活英語初級」、「日本語教育総合設計Ⅱ」です。自分が現在住んでいる慶南地域の歴史や文化についてはぜひ知っておきたいと思い「慶南地域の歴史と文化」を、マスコミが与える影響やその力を知りどのように向き合っていくかを考えたいと思い「現代社会とマスコミ」を、中国人の友だちと付き合っていく中で役に立つのではないかと考え「中国の理解」を選択しました。「西洋の歴史と文化」は単純に西洋の文化に興味があったのと、「基礎生活英語初級」は英語を忘れてしまわないように履修を決めました。「日本語教育総合設計Ⅱ」は日本人の教授が受講に必要な人数が足りないから受講してみないかと誘ってくださったので選択しました。まだ後期がスタートしてから1週間しか経っておらず、初回の授業では、授業概要が説明されただけなので、次回の報告書でそれぞれの内容について詳しく説明しようと思います。

後期の時間割表

夏休み中の生活について

 夏休み中の寮費(留学生)は1日当たり約6300₩で、何日滞在するかによって決まります。地元への帰省や母国への一時帰国などで寮に滞在しない期間、自分の荷物を部屋にそのまま置いておくことはできず、段ボール箱やスーツケースなどにまとめて寮の倉庫で保管しておいてもらわなければいけません。箱は2つまで無料で預けることができ、3つ目からは有料だそうです。段ボール箱は寮の管理室で販売されていますが数に限りがあるため、遅れて買いに行った私は購入することができませんでした。その場合は近くのコンビニやスーパーマーケットで譲ってもらうか、ホームセンターなどで購入するなどの方法で手に入れることができます。寝具一式は寮の洗濯室に持っていけば10,000₩で洗濯をして保管しておいてもらえます。荷物を保管する倉庫、洗濯室ともに環境があまりよくないため、荷物や寝具にカビが生えたり、ネズミにかじられたり、埃っぽいニオイがついてしまうことは覚悟しなければいけません。
 夏休み中はウォーターパークに遊びに行ったり、カフェ巡りをしたり、脱出ゲームに挑戦したり、映画を観たりなどして過ごしました。韓国でウォーターパークに行くのは初めてでしたが、スリルがあってとても楽しめました。一緒に行った友人も最初こそ怖がっていましたが最後の方は率先してアトラクションへ走っていくなど非常に楽しんでいました。韓国では日本のように学校の授業で水泳を教わることがないそうです。脱出ゲームは日本でもよく見かけますが私は今回が初めての経験でした。密室に用意された謎を解いて制限時間内に部屋を脱出しなければいけないのですが、元々謎解きが得意なわけでもなくさらに問題や資料などすべて韓国語で書かれてあるので非常に難しかったです。一緒に挑戦した韓国人の友人も脱出ゲームに挑戦するのは初めてで2人揃ってお手上げ状態、結局クリアすることはできませんでした。ウォーターパークではロッカーに携帯電話を入れっぱなしだったのと、脱出ゲームも携帯電話の持ち込みが禁止されていたため、写真がないのが残念ですが、日本でこれまで過ごしてきた夏休みとは少し違う夏休みを経験できて新鮮でした。


ウォーターパークで撮影した写真の中で唯一公開できる写真

中国人の友人と行ったカフェ

最後に

 現在日韓関係の悪化が深刻であり、連日日本のメディアでも韓国のデモ活動や日本製品不買運動などの日本人にはあまり気分の良くない部分が切り取られて報道されていたりします。そのため韓国へ行くことへの恐怖心を持つ人が私の周りでも増えてきており、本当にたくさんの人から心配されます。しかし私は少なくとも今のところはデモ活動に遭遇したことも、日本人だからという理由で直接的に攻撃されたこともありません。もちろんそのような経験をされた方もいるでしょうし、気まずい思いをしたことは私にも何度かあります。しかし友好的に接してくれる韓国人、私が困っていたら助けてくれる韓国人との出会いの方が多いです。隣の国とは言え実際に現地に行って自分の目で見て確かめることができる人は少数派であり、報道によってしかお互いの国の様子を知ることができない人がほとんどです。現在の日本と韓国の関係は最悪とも言えますが、あくまでもこれは政治の問題であり、人と人との付き合いの中にあからさまな嫌悪感や敵対心を持ち込んでくる人はいないということを、現在韓国で生活している日本人の立場として伝えられたらなと思います。大学入学前から憧れていた留学生活もいよいよ半分を切り、既に寂しい気持ちになっていますが、残り少ない韓国での留学生活をより有意義なものにしていけるように頑張っていきたいと思います。