センター大学(2018年度交換留学生)国際文化学科4年 稲葉皐 <4号 2019年3~4月>

初めに

 センター大学での生活も残すところあと約1か月となりました。残りの期間でやりたいことを全てやりたい!と思っていますが、やはり平日は課題に追われて忙しい毎日を過ごしています。今回は3月と4月の出来事を報告します。

授業について

 3月の中旬に中間試験がありました。この期間はレポートとテスト、小学生に向けてのプレゼンテーション作り等で忙しかったのを覚えています。中間試験とその後の授業の内容について報告します。

POL260 Intro to International Relations
 中間試験では、授業内容とリーディング課題から選択問題と語句の説明・ショートエッセイを書く問題が出題されました。試験前にオフィスアワーに行き、わからないところを質問して試験に備えました。秋学期にこの授業を取っていた友人に過去問を見せてもらい、授業中にとったノートと照らし合わせて勉強したので、なんとかすべての問題に時間内に答えることができましたが、難しかったです。
 中間試験後はさらに発展的な内容として、NATO、テロリズム、アメリカや国連の人道的介入などについて学びました。相変わらずリーディングが難しく、内容を理解するのに苦戦をしていますが、わからないところを友達や教授に聞いて勉強しています。
 国家は国連などの機関を作ってリベラルな世界を目指そうとしているのですが、やはり人間は「力」を持つことが重要であり、リアリズムの風潮が強いのではないかと感じています。また、フェミニズムや構造主義、マルクス主義の観点から国際関係についてそれぞれの主張を考えるのもこの授業の面白い特徴だと思います。

ENG170 Better College Writing
 3月の初めに文法のテストがありました。その後春休み前にCausal Argumentとしてコードスイッチングについて書いたペーパーを提出しました。文法のテストは、授業中に習ったRhetorical Grammarについてまんべんなく出題されました。  春休み後はCausal Argumentを少し書き直して再度提出し、また、Proposal Argumentとして「センター大学の留学生は外国語圏に留学するべき」というテーマでペーパーを提出しました。オフィスアワーや授業後に、教授からペーパーについてフィードバックやアドバイスをもらっているのでその都度修正しています。

ARS210 Introduction to Oil Painting
 この授業では中間試験はありませんでしたが、春休み前に出された課題の絵を完成させるのがすごく大変でした。スポットスクリーンと言って紙に小さな穴があいた道具で絵具の色の確認をするのですが、何度確認しても思うような色を作ることができず、苦戦しました。
 春休み後は筆を使ってペインティングをしています。今までに布や水の入ったコップを描きました。だんだんと描くものが複雑になっているので、課題を仕上げるのが大変になってきました。しかし、音楽を聴きながらペインティングをする時間はリラックスできる時間となっています。


 授業で描いた絵の一部です。今まではキャンバスペーパーという紙を使っていたのですが、最近は白い絵の具でコーティングした板や本物の布が貼ってあるキャンバスに絵を描いています。

EDU226 Technology and Education
 この授業も中間試験はありませんでした。その代わり、春休み後に行われる小学校での授業に向けて計画書やウェブサイトを紹介する動画、プレゼン作り、配布する資料作り等の締め切りに追われていました。提出した計画書などは教授や小学校の担当の先生にフィードバックを送っていただき、それを修正したものを最終的に提出しました。その後、春休みが終わった2日後に近くにある小学校でテクノロジーについての授業を行いました。これはCommunity Based Learning (CBL) Projectということで、小学校の情報機器担当の先生と相談しながら担当する学年に合った授業内容を決め、使用するウェブサイトやアプリについてリサーチをして授業に臨みました。私のプロジェクトは自分の行ってみたい国についてグーグルを使ってリサーチをし、「Canva」というウェブサイトでポスターを作るという授業を計画しました。私は5年生のクラスを担当しました。どの児童もたくさん質問をしてくれ、楽しそうにポスターを作ってくれていました。特に面白いと思ったのは、ほとんどの生徒が中国かフランスを選んでポスターを作っていたことです。その中でも女子児童はフランス、男子児童は中国を選んでおり、アメリカの児童がイメージする外国と言ったらこの2国が主になるのかなと思いました。中にはタイや日本を選んでいる児童もいました。しかし、児童はポスターを作ることばかりに夢中になってしまい、本来の目的である「外国について知る」という目標を徹底することができなかったと反省しました。新しいテクノロジーを教えるということ、教える側として臨機応変に対応するということの大変さを学びました。授業が終わり、後片付けをしているときにもっとこうすればよかったと反省することばかりでしたが、担当の先生や児童に楽しい授業だったと言ってもらえたのでよかったです。本当にいい経験となりました。プロジェクト後は小学校と教授からのフィードバックを基にリフレクションペーパーを書いて提出しました。  普段の授業では実際にVR(バーチャルリアリティー)体験をして、VRを教育現場で使用することはできるのかという興味深いディスカッションを行ったり、個人で、決められたテクノロジーやテーマについて15分ほどのプレゼンテーションを2回行いました。私は教育的なウェブサイトと日本のソーシャルメディアのいじめ問題についてプレゼンを行いました。ソーシャルメディアのいじめはどこの世界でも行われており、教育現場で現在一番取り組む必要のある問題の1つであると感じました。

Cherry Blossom Festival

 3月9日に日本語クラブ主催のCherry Blossom Festivalが行われました。私は運営メンバーとしてイベントのアイデアを出し、イベント中に流すプレイリストを作りました。また、当日は浴衣を着て、山口県立大学に交換留学していたマディソンさんと一緒に茶道のデモンストレーションをしました。私は茶道を今まで全くやったことがなかったのですが、事前に簡単に作法を教えていただいたのでなんとか失敗せずに披露することができました。その後は現地の学生と実際に抹茶を飲んだり、箸でジェリービーンズをつかむゲームをしたりと楽しく遊びました。日本のお菓子を食べながら、日本に興味のある学生とたくさん話をすることができ、楽しかったです。


 茶道のデモンストレーションが終わった後で、同じく山口県立大学に交換留学をしていたエヴァン君にこの写真を撮ってもらいました。二人とも緊張していましたが、楽しくお茶を飲むことができました。

春休みについて

 3月16日から24日は春休みでした。現地の学生曰く、春休みは実家に帰ったりするよりも友人と遊びに行く人が多いとの事で、私の友人の多くが仲良しのグループでビーチに行ったり、都市に観光に行ったりしていました。  私も、ルームメイトのアナさんと、アイルランドからの交換留学生と一緒に車でジョージア州・フロリダ州・テネシー州に旅行に行きました。長時間車に乗っているのは少し大変でしたが、お菓子を食べたり、歌を歌ったり、ガールズトークをしたりとロードトリップを楽しみました。課題や授業のことを忘れて、観光を楽しむことができ、本当に充実した春休みとなりました。

 ジョージア州ではコカ・コーラ博物館やジョージア水族館、ジョージア大学に行きました。コカ・コーラ博物館にはいろいろな味のコーラを無料で試飲できる機械がありました。ジョージア水族館は海から遠い所にあるですが、ジンベエザメや大きなマンタが水槽の中を優雅に泳いでいたのが印象的でした。また、ジョージア大学の大きなキャンパスを見学したり、緑色の服を着てセントパトリック・デーをお祝いしたりしました。

 フロリダ州ではウォルトディズニーワールドとココアビーチに行きました。ディズニーワールドでは乗りたかったアトラクションに全て乗ることができ、様々なキャラクターにも出会えてとても充実していました。ココアビーチは本当に綺麗でした。何もせずにビーチに寝そべっておしゃべりをし、リフレッシュできた時間となりました。

ステレオタイプとその変化

 センター大学に来たばかりの頃は、毎日何もかもが新鮮で、ワクワクしていたのを覚えています。しかし、こちらに来て8か月ほど経つと、新しい発見は少なくなり、毎日課題・授業・食事・睡眠のサイクルを黙々とこなしているように感じます。新鮮さがなくなってきたなと思っていましたが、アメリカの文化やアメリカ人のふるまい方、歴史について慣れてきて、彼らを理解できるようになっている自分がいることに気が付きました。また、「アメリカ人」と一括りにするのではなく、彼らを一人ひとりの人間として見て、色々なことを話し合えるようになりました。時には英語を理解できない・話せないと決めつけられたり、口をきいてもらえないということもありますが、ほとんどの人は優しく、何かを伝えようとするとお互いがきちんと理解するまで話を聞いてくれます。このようなことに気付くことができるのも、長期留学の醍醐味ではないかと思います。

終わりに

 春学期は秋学期に比べると内容がずっと難しくなると現地の学生が言っていました。たしかに、秋学期はだんだんと授業内容が簡単になっていたのに、春学期は日を追うごとにだんだん難しくなっています。また、ペーパーの締め切りやプレゼンテーションが次々にやってくるので本当に忙しい毎日を過ごしています。このような忙しい毎日もあと2週間ほどで終わり、長いようであっという間だった留学も終わってしまうのかと思うと寂しいですが、残された期間を全力で楽しみ、頑張ろうと思います。


綺麗な景色を見ながら美味しいソフトクリームを食べました。センター大学の周りには高い山がありません。見えるところが全て平らなのでアメリカの広さを感じています。

図書館が夜の12時に閉まってしまうので、図書館の閉館後にまだ課題が終わっていないときはよく友人と一緒に食堂でスナックを買って勉強しています。


Intercultural Festivalで仲良しの友人が中国語の歌を披露してくれました。その後カラオケをしたりと楽しい時間でした。