青島大学 国際文化学科3年 田中夏帆 <最終号>

11月

 11月は、クラスの交流が多くありました。文化祭に出店した際の売り上げを使い、遠足に行きました。海辺を散歩し、みんなで料理人監修の下で、中国料理体験をしました。
 また大学主催で、自分たちの教室内を飾りつけるコンテストがありました。授業時間外にみんなで協力して作業をしたので、よりクラスの仲が良くなりました。準備中、余った紙で鶴を折っていると、クラスメイト達が「すごい、私にも教えて」と集まり、教えているうちに人数が増え、鶴の数も増えていきました。日本人は小さいころから折っているのでうまくできますが、外国人は折るのに苦労していました。飾り終えた教室の画像を大学内のポータルサイトにあげ、教師陣の投票でより多くの票を得た班は賞金がもらえます。私たちの班は1位になり、賞金500元(約8,000円)を獲得しました。


 11月11日はタオバオという中国では通販のセール日で、多くの人が利用します。買ったものは近くのお店などに届き、自分で受け取りに行く仕組みです。普段はちゃんと店内に保管されていますが、商品の量が多すぎて道にまで並べられていました。また、本来はそのお店の店員に、届いた番号を伝えて商品を受け取りますが、この日は店員に自分で探すように言われて、誰もが自分の商品を探していました。


タオバオの日の様子

通っているジムの卓球大会。中国発祥のスポーツということもあり、みんなとても強かったです。

12月、1月

 12月中旬くらいから、空気がとても悪くなってきました。PM2.5の影響です。外を数十分歩くと息切れしてしまいます。中国に来た当初は毎日マスクをしていましたが、だんだん中国の環境に慣れ、油断していましたが、マスクは必須で、毎日ウエブサイトで大気汚染の度合いをチェックし、数値が高い時は、不要な外出はしないほうがいいと再確認しました。

寮で起きた問題

 寮内には様々な人がいるので、問題も少なくありません。喫煙者のマナーが悪く、禁煙であるはずの寮内でタバコを吸う人も多く、注意しても聞きません。ある日の深夜に、2階のごみ箱から発火し、煙が各階に充満しました。4階の私の部屋にまで届き、ルームメイトが気づきました。すぐに消火しましたが、もし気づかなかったらと思うと怖かったです。


各階にこのように大きなゴミ箱が設置されています。毎朝、寮の管理員が掃除をしますが、住む人も多いのでよくゴミ箱からゴミがあふれています。

新年前に催される新年会

 12月末に、大学主催の新年会がありました。ここでは奨学生の発表をはじめ、有志で集まった留学生による発表や、伝統芸能、歌やくじなど様々な催しがあり、とても楽しかったです。昨年までは食事も出ていたようですが、年々留学生が増え、全員が一堂に会する場所がないということで、今年は講堂のような広いところでの開催となりました。

中国のクリスマスと新年

 中国では、クリスマスと新年を楽しんだり、お祝いをしたりという習慣があまりありません。クリスマスになっても、多少のイルミネーションや小規模なクリスマスマーケットのようなものはありますが、日本よりは町のクリスマス色は薄いです。留学生寮内でもクリスマスで盛り上がっているのは、日本人をはじめ、韓国人くらいです。私はクリスマスの朝、友人たちの部屋の前にプレゼントを置き、シークレットサンタクロースをして楽しみました。クラスによってはクリスマス会をしたり、シークレットサンタクロースをしたりして楽しんでいました。
 中国では、旧正月の"春節"を重要視するため、1月1日にあまり特別なことはしません。日本では、特別番組や年越しそば、初もうで、おせち料理、初日の出など新年ムードに包まれますが、中国ではあまり特別な感じはしませんでした。


近くスーパーで材料を買って作った年越しそば

早起きした人たちで行った初日の出

留学を終えて...

 無事、1年間の留学生活が終わりました。始まったときはとても長いように感じていましたが、今となってはあっという間に終わったように感じます。この1年でたくさんの人たちと出会い、様々な経験をして、精神的にも成長したと思います。本当に貴重な体験ができました。留学前は、中国の大気汚染や衛生面など、たくさん不安がありました。しかし、実際に中国で生活をしてみると、日本よりも便利なことも多く、留学中に出会い、関わった人は皆優しく、「日本人です」というと、より親切に親しみを込めて接してくれる人ばかりでした。(タクシーの運転手も親切なので、安心して乗れました。)
 この留学で得た経験、知識、中国語力をこれからの就職活動や人生に活かしていきたいと思います。


青島ビール博物館