青島大学 国際文化学科3年 田中夏帆 <2号 2019年5~6月>

 4月下旬から5月上旬にかけて中国では祝日があり、1週間ほどの休み期間があります。その際、友人たちと済南と天津旅行に行きました。また留学生活にも慣れ、授業にもついていけるようになり、多くの友人と交流する機会も増えてきました。近くにスポーツジムが何か所かあり、年間1,000元程で入会することが出来ます。多くの留学生が利用しており、友人を作ることが出来ます。
 中国はデリバリーサービスがとても発達しています。どんな食べ物でも携帯で頼んで支払いをすると指定の場所まで配達してくれます。饿了么と美団外卖と百度外卖というアプリがよく使われていて、今どこにいて後何分で着くなどの情報が逐一更新され、とても便利です。

済南・天津旅行

 火车という新幹線の様な乗り物を利用して行きました。祝日になるとどんな場所も人がとても多いですが、観光地となれば驚くほど旅行者が多く、トイレに行くにも何十分と並ばなければならないほどです。私たちは火车やホテルを予約する際、微信という中国の無料アプリを利用して予約しました。しかしホテルに行ってみると、そこは中国人しか泊まれないホテルでした。中国では、中国人しか泊まれないホテルが多く、微信で予約すると大半がそのようなホテルのため、しっかりと確認した方が良いと思いました。


友人たちと済南で合流(タジキスタン、インドネシア、フランス、モロッコ、アルジェリア、日本)

アラマダン

 青島大学には多くのイスラム教徒の学生がいます。イスラム教の方々は1年のうち1か月間、断食(日の出から日没期間)をはじめとする様々な禁欲、1日に5回のお祈りをする生活が始まります。そのため、寮内の食堂やカフェはとても人が少なくなり(彼らはお昼は食べられない上に深夜にお祈りなどで起きているため授業後はすぐ部屋に帰って寝る生活)、少し寂しい感じです。
 様々な宗教の人と同じ教室、同じ寮で生活するため、他の宗教のことを学べるのも留学の魅力だなと感じました。

日本語を教える機会

 6月には口語の先生のお宅に招待され、お子さんが1年間日本の学校に行っていたという事で日本語を忘れないようにと教える機会がありました。私たちの先生は山口県下関市に住んでいたこともあり、大変良くしてくださり、よく一緒に出かけようと誘ってくれます。
 また留学生の中でも日本語に興味がある人も少なくなく、ひらがなやカタカナなどの読み方から教えました。最終的にひらがなを読んで理解できるようになった人もおり、嬉しかったです。様々な国の言葉も知ることが出来て楽しいです。


先生の家での食事

期末テスト

 6月末には期末テストがあります。テスト前の1週間は、準備期間ということで授業がありません。テストの数も少ないのでこの週に友人との時間が増え、より仲が深まりました。一緒に寮のカフェで勉強をしたり、息抜きに裏山に登ったり、海に行ったり、カードゲームをしたりと、とても多くの思い出ができました。もちろん勉強もしっかりしました。カフェでも勉強する人が増えます。パワーポイントの発表もあり、私は発音が苦手だったため、中国人の友人に手伝ってもらい、発音や文法のチェックをしてもらいました。


石老人海水浴場

西安

 同じクラスの韓国人の友人と行きました。飛行機を使っていきましたが、日本で買うより安かったです。前回の旅の反省を生かし、ホテルや飛行機の予約は去哪儿というアプリで予約しました。教科書で見て以来ずっと兵馬俑を直接見に行きたかったのでとても嬉しかったです。青島はあまり方言もなく、先生方も標準語を使って授業をするため問題ないのですが、地方に旅行に行くと方言があり、聞き取りに一苦労します。


西安城墙にてサイクリング

大雁塔

兵马俑

支払い

 中国では微信や支付宝といったアプリを使って支払うのが主流です。もちろん現金も使えます。私は6月上旬に日本から持ってきていたクレジットカード2枚が使えなくなり、お金が日本の銀行から引き出せず、中国の銀行にももうあまりお金が残っていないというトラブルがありました。そこで三井住友銀聯カードを使うようにしました。三井住友銀聯カードは、中国で最も普及しているキャッシングカードです。しかし、大きなデパートなどでも使用不可のところがあり、使えるところが少なかったです。結局、日本の郵便局から中国の私の銀行にお金を送金してもらい、なんとか帰国までのお金を確保することが出来ました。

運動会

 6月には青島大学の運動会があり、競技にも中国人の学生と同様に出場できます。出場する際は授業を公欠にできますが、出ない人は授業があります。運動会の日は集合時間が早朝で、とても早いです。開会式には留学生は国旗を持ち、大学から無料配布されたおそろいの青島大学Tシャツを着て、グラウンドを行進します。とても楽しいイベントです。


国旗を持って行進

開会式

お別れ

 テストも無事に終わり、夏休みに入りました。今学期でお別れの友人も多く、最後の思い出にとみんなで海に行きお別れパーティーをしました。そこでアメリカからきた友人が海で遊ぶため、砂浜に設置した荷物置き場に携帯電話を放置していたところ、他の人の荷物は無事だったのに、その携帯だけ盗まれるといった事件がありました。地元警察に行き、防犯カメラを見せていただいた結果、確実に盗難だと分かり、"iPhoneを探す"の機能で探しに行ったのですが、結局見つかることはありませんでした。基本的に住みやすく治安も良い都市ですが、油断は禁物だと思いました。多くの留学生が休日や夏休みにバーやクラブに行きます。女子1人や2人で行くのは危ないですが、複数人で行く分に関しては安全で楽しいです。


ビーチでお別れパーティー

ビルの屋上にてサンセットパーティー

前期を終えて

 前期では素敵な出会いがたくさんありました。留学生を含め良い人が多く、互いに支え合いながら、とても楽しく生活できています。自分と全く違う環境にいた人と出会うことで、自分では思いつかない考え方や生き方、価値観を学べてとても新鮮でした。自分の考え方も少し変化し、これからの進路決定の参考になることも多かったです。
 自分の中国語のレベルが高いとは思いませんが、日本で学習していた時よりも、中国語が身につくスピードは格段に速くなりました。日本ではテストのための中国語学習だったため、あまり伸びなかったのだと思います。しかし、中国に留学すると、友人と話せば話すほど学習意欲も自分の中国語の習得のスピードも上がっていることが実感できます。中国語が伸びるほど友人の輪が広がり、友人と話すことが大好きな私にとって、好きなことをしながらお互いに成長出来ることは大きな魅力です。

 帰国する際の記念写真。友人が帰る際、皆で寮の玄関前まで見送りしました。徐々に人数が減っていき、だんだんと寂しくなっていきながらも、出会えてよかったなぁと感じました。