センター大学 国際文化学科4年 野口二子 <4号 2020年3~4月>

はじめに

 本来ならば3~5月にかけての時期は春学期の真っ只中で、留学もラストスパートという頃でした。しかし、コロナウイルスの影響により留学を断念せざるを得なかったため、予定より2ヶ月早く帰国しました。授業はオンライン体制となり、スケジュールやシラバスに変更はあったものの当初の予定通り学期は5月の半ばまで続きます。イレギュラーなことも多々あり、異例の留学体験となりました。今回の報告書では春休み前後のセンターでの生活やその後の学校の変化などについて述べていきます。

春休み前後

 春学期が始まってからは毎日忙しく、授業の予習復習や課題にかなり時間を費やしていました。そんな中、慣れない環境での生活に体が疲れたのか、体調を崩してしまいました。39度の高熱を出し、インフルエンザかコロナにかかってしまったのかと不安でした。すぐさまヘルスセンターで検査をしてもらい、その結果が陰性だったことで少し安心しましたが、その後1週間ほどは寝込んでいました。中間テストを控えており精神的にも肉体的にもかなり辛い時期でしたが、ヘルスセンターでしっかり治療をしてもらえたことや友達が食堂から食べ物を持ってきてくれたことで不安な気持ちはすぐになくなりました。  また、ちょうどその頃からコロナウイルスがアメリカでも猛威を振るいはじめ、それに伴い大学内の状況は一変しました。当初の予定では春休みは3月21日から29日までの期間でしたが、1週間前倒しでスタートしました。春休み前半は体調が回復するまで自室で休んでいましたが、その後は友達とご飯を作ったりハイキングに行ったりなどして過ごしました。しかし、今後の状況を考え早期帰国せざるを得ないと感じ、休みの後半は帰国に向けての準備をしていました。アメリカにいる人たちと最後の思い出をつくるため、帰国の前日は学内に残っている友達に声をかけ夕食を一緒に食べました。

春休みに友人と隣町までハイキングに行きました

生活の変化

 春休みが始まるとすぐに、ほとんどの学生が寮を退去する準備を始め、1週間のうちにキャンパスに残っている学生は50人程になりました。ウイルス感染を予防するため、学内では各建物の閉鎖やオンライン授業への切り替えの準備など様々な対策がなされていました。食堂では学生は食べ物に手を触れることすらできませんでした。学生の中にも人との接触に過敏になり、自室から出てこなくなる人もいましたが、大学側の徹底的な衛生管理はそのような学生にも安心感を与えていました。異例の事態ではありましたが、大学の対応はかなり早かったです。また、町中では休業しているお店もちらほらありました。不思議なことに、スーパーやドラッグストアでは日本と同様にマスクが品切れの状態でしたが、町中ではマスクをつけている人をほとんど見かけませんでした。


食堂での最後の食事です。本来ならサラダやスイーツ、飲み物も含めすべて自分で好きなようにお皿につげますが、キャンパス閉鎖後は感染予防のため職員の方についでもらうようになっていました。

オンライン授業について

 春休み終了後、すべての授業がオンライン体制に切り替わりました。授業の形態は教科によって様々です。映像授業の代わりに毎週レポートが課されるものや、リアルタイムで授業が開催されるものなどがあります。帰国前は日本とアメリカでは時差が13時間あるため、リアルタイムの授業に不安がありました。インターネットの問題や時差の関係でどうしても授業を受けることができない日は教授に相談しています。今のところはほぼ毎回授業を受けることができていますが、始まりが日本時間では夜中なので眠気に耐えながら乗り切っています。時差以外にも問題はいくつかあります。リアルタイムの授業がない教科では、自分の好きな時間に映像授業を受けることができますが、その分モチベーションが低下しました。また、今までは授業についてわからないことがあると教授に直接質問をしたり周りの友達に助けてもらったりしていました。しかし、オンライン授業が始まってからは、オフィスアワーが真夜中にもうけられているのでメールでのやりとりしかできません。そのため十分に内容が理解できないことが多々あります。教授は全力でサポートしてくれますが、面と向かっての授業の大切さに気づきました。

まとめ

 今回コロナウイルスにより中途半端に留学を終了させてしまうことになったのが残念ですが、留学生活に後悔はありません。帰国してからも教授や友達とビデオを通じて会話できることが嬉しいです。また、留学生活後半で感じたことは人の温かさです。初めの頃は英語がうまく話せず、大人数の集まりが苦手でした。しかし生活に慣れてくるにつれ、少しずつコミュニケーションを取ることができるようになり、帰国前日の夕食会には多くの友人が集まり別れを惜しんでくれました。半年という短い期間でしたがアメリカで築き上げた友人関係は今後も大事にしていきたいです。


滞在中お世話になった方々です。いつも温かく接してくださいました。