センター大学 国際文化学科3年 野口二子 <3号 2020年1~2月>

はじめに

 3週間の冬休みが明け、帰省していた学生たちが大学に戻ってきました。また勉強漬けの日々になったことは少し残念ですが、冬休み中は辺りが静かで少し寂しかったため、授業が再開し毎日友人や教授と会えることが嬉しいです。しかし、寒さが苦手な私にとって今の時期は本当に辛いです。吹雪の日もあり、凍てつくような寒さです。インフルエンザも流行っているそうなので、体調を崩さないように気をつけています。さて、今回の報告書ではCentre Termと春学期の授業を紹介していきます。


雪が降った日のキャンパスです。リンカーンが寒そうでした。

Centre Term

 Centre Termは通常の授業とは異なり、毎日3時間ひとつの科目のみを受講する期間です。交換留学生は1年生向けの授業しか選択することができません。また、受講人数に制限があるため、必ずしも第一希望の授業を履修することができるわけではありません。しかし、開講される授業は興味深い内容のものばかりなので、どれを取っても楽しめると思います。
 私は近代中国の歴史についての授業を履修しました。高校の頃に一度世界史で習った範囲だったため、授業自体にはすんなりついて行くことができましたが、リーディングとライティングの課題に加え、毎日の小テストに向けて予習復習は欠かせませんでした。授業中はディスカッションで自分の意見を積極的に発言しなければなりませんでしたが、日本人、中国人、ベトナム人、アメリカ人の学生が受講していたため、常に他の学生に対しての配慮ある発言が求められました。例えば、過去も現在も日中の関係は友好的とばかりは言えないため、私も自身の発言にはかなり注意しました。
 この授業を履修した理由は、二つあります。一つ目は単純にその教授が好きだったからです。穏やかな中国人の先生で、オフィスアワーに行くといつも日本語で「頑張って」と応援してくれます。開講時間や教授の好き嫌いによって履修する科目を決める学生もいるので、好きな教授の授業を選択するというのもやる気の向上につながり、大切なことだと思います。二つ目はその教授の英語が比較的理解しやすかったからです。秋学期では毎回完璧に授業を理解できていたわけではなく、教授や友人によく助けてもらっていました。しかし、Centre Termでは毎日3時間授業があり、他の学生も自分の予習復習で手一杯で助けてもらうわけにはいきませんでした。そのため、前知識がありゆっくり英語を話してくれる教授の授業なら理解しやすいだろうと考え履修しました。
 この授業を通して、史実に対して各国の学生がそれぞれ違った捉え方をしていたことがおもしろいと感じました。日本ではこう教えられているが、中国ではこう教えられているという差があり、それに気づけたことは自身の価値観の幅を広げたと思います。また、授業内で二回プレゼンテーションをしなければなりませんでしたが、終わった後に他の学生が絶賛してくれたため、少し英語力に自信がつきました。

春学期

 Centre Term後の休暇が明けると、春学期が始まります。私は秋学期と同様に、座学を三つと芸術の授業を一つ履修しています。朝から授業がある分、遅くともお昼過ぎには終わるので、午後は課題に専念できます。授業にも慣れてはきましたが、未だに予習復習課題にはかなりの時間を費やしています。以下は私の一週間のスケジュールです。

Monday TuesdayWednesdayThursdayFriday
8:00~9:00Chinese Chinese Chinese
8:30~9:30Chinese
9:40~11:10Ceramics Ceramics
10:20~11:20PhilosophyPhilosophyPhilosophy
11:30~12:30English English English

サマータイムが始まった翌日の朝です。

Chinese
 秋学期に履修していた中国語の授業の続きです。学生は前学期からほぼ変わらず、授業もアットホームな雰囲気で楽しいですが、朝からの授業なので、皆眠そうで全体的に覇気がないようにも感じます。徐々にレベルが上がっていっているため、秋学期ほどの余裕はなくなりました。しかし、中国語を履修していると、中国人の学生に話しかける良いきっかけにもなります。課題も教えてもらえるので、今のところそこまで苦戦はしていません。

Philosophy of Art
 大まかなくくりでいうと哲学の授業ですが、芸術に焦点をあてているため、比較的とっつきやすい内容です。しかし、「美意識」や「美の体験」といった抽象的なことを学ぶため、はっきりとした答えがなく理解がしづらいこともあります。そのため、授業中はただ教授の話を聞くだけでなく、芸術作品を鑑賞しながら実際に「美の体験」をすることにより理解を深めていきます。単なる哲学の授業ではなく、芸術作品についての知識も得ることができるので、絵画や音楽に興味のある学生にはおすすめです。

Ceramics
 陶芸の授業です。作品をつくるだけでなく、粘土の性質や陶芸作品そのものについても学びます。はじめは簡単な立方体や円柱などから作り始めますが、徐々にろくろを使っての本格的な制作に移ります。授業中のデモンストレーションで機械の使い方や作品の作り方などを学びましたが、実際に体験するとかなり難しく、今は課題を一つ仕上げるのに少なくとも2時間はかかります。課題が多く練習にも時間を要するため、楽な授業ではありませんが、ろくろの使い方に慣れてくると楽しいです。


ろくろを使って課題を作成しているところです。

Topics in Writing
 アカデミックライティングを学ぶ授業です。論文の構成の仕方や、参考資料の読み方などについて学びます。留学生だけでなく、ネイティブの学生も多く受講しています。教授がとても明るい人なので、授業自体は堅苦しい感じではありません。帰国後に卒業論文を控えているため、英語論文の書き方についてできるだけ多くのことをこの授業から学び取りたいと考えています。


放課後は友人や教授とバドミントンをしています。

まとめ

 留学生活も残り3か月を切りました。春学期がスタートしてから毎日があっという間に過ぎていきます。初めの頃と比べ、アメリカでの生活にもかなり慣れ、週末や授業のない平日の午後はリラックスした時間を過ごすことができています。友人からは「日本に帰らないで」という嬉しい言葉を言われますが、残り少ない時間で勉強にも専念しつつ、友人らとたくさん思い出をつくりたいと思います。