センター大学 国際文化学科3年 野口二子 <2号 2019年11~12月>

はじめに

 ケンタッキー州・ダンビルは気温の変化が激しく、12月にもかかわらず最高気温が20度近くまで上がる日もあれば、翌週にはマイナスまで一気に下がることもあり、体調管理には常に気をつけながら生活しています。そんなアメリカでの生活にもだいぶ慣れてきたところで、留学も折り返し地点にさしかかりました。今回の報告書では秋学期の最終試験や休日の過ごし方、寮生活について記述していきます。

Final Exam

 センター大学ではMid TermとFinal Examという2回の試験があります。Mid Termは中間試験のようなもので、Final Examは文字通り最終試験です。どちらも今までの授業の復習をかなりしっかり行わなければなりません。試験期間中は図書館が深夜2時まで開いているので、大多数の学生が毎日夜遅くまでそこで勉強しています。試験の有無や形式は履修している教科によって異なり、代わりにプレゼンテーションやレポートが課される場合もあります。
 私は社会学、中国語、吹きガラス、音楽の4つの授業を履修していましたが、試験があった教科は中国語だけでした。(それぞれの教科の詳細については前回の報告書に記載しています。)社会学では、プレゼンテーションかレポートのどちらかを選ぶことができたので、私は後者を選びました。字数制限やテーマが特に課されなかったため自由に書くことができましたが、今までに学んだことをレポートのなかに盛り込まなければならなかったため、授業の理解度やライティング力がかなり必要で、一番苦戦しました。
 中国語の授業では口頭試験と筆記試験がありました。前者は教授のオフィスで一対一だったため少し緊張しましたが、教授が和やかな雰囲気で試験をすすめてくれたので、緊張はすぐにほぐれました。日本の大学では口頭試験はあまり行なわれないため、慣れない形式の試験ではありましたが、発音やイントネーションに注意しながら試験対策をする分、スピーキング力の向上に繋がると感じました。
 吹きガラスと音楽の授業では、試験の代わりに最終プロジェクトを提出しなければなりませんでしたが、レポートや試験に比べればかなり楽だったため、他の科目の勉強に時間を費やすことができました。芸術系の授業は、普段の授業も最終プロジェクトの作成も良い息抜きになったので助かりました。個人的には、座学の授業ばかりを履修するよりは、こうした芸術系の授業をいくつか取ることをおすすめします。


吹きガラスの授業で最終プロジェクトを作成している様子です

寮生活

 センター大学の学生は、9割以上が寮生活をしているため、キャンパス内にはいくつも寮があります。一年生向けの古い寮から上級生向けの新しく広い寮まで様々です。私は上級生向けの寮に住んでいるため、部屋、ロビー、バスルームはどこも綺麗で広いです。共同スペースは他の学生もいるので清潔に使用しなければいけませんが、住み込みで毎朝掃除をしてくれる方がいるので、自室以外は掃除の必要もありません。時々上の部屋から騒音がすることや、夜中まで他の学生が騒いでいることがありますが、私はそこまで気にならないので特に困ることはありません。しかし、一度だけ窃盗がありました。私はなぜかコンタクトレンズの洗浄液を盗まれました。寮内だからと油断せずに、貴重品の管理や部屋の施錠には十分に注意しなければなりません。
 また、部屋は基本的には二人で一室ですが、申請をすれば一人部屋(※別途追加料金が必要)にしてもらうことや、ルームメイトを変更してもらうことも可能です。私のルームメイトは夜型で、私とは生活リズムがかなり異なるため、普段はあまり会話ができていませんが、お互いに時間があるときはゆっくり話すこともあります。彼女が自室に冷蔵庫や電子レンジを設置してくれたおかげで、部屋での生活もかなり快適になりました。部屋の設備はベッド、タンス、勉強机、クローゼットだけなので、その他必要なものは自分で買いに行かなければなりません。私は9か月しか滞在しないので、必要最低限のもの以外はあまり購入していません。たいていのものはこちらですべて揃うので、日本から大量にものを持って行く必要はありません。


私が住んでいるBreckinridge Hallです

休日

 普段の休日は、ほとんどの時間を勉強に費やしています。土曜日には近くのスーパーまでのシャトルバスが出ているので、それを利用して食料や衣類を買いにいっています。ダンビルは公共交通機関が少ないため、車持ちの友人がショッピングモールなどに連れて行ってくれることもあり、かなりありがたいです。そして、日曜日は丸一日課題をしています。履修していた授業で、毎週日曜日の夜までの課題が出されていたので、秋学期中の休日は正直心が安まるものではありませんでした。
 こちらでは普段の休日以外に、4~5日ほどのFall BreakとThanksgiving Break、そして約3週間のWinter Breakがあります。休暇になるとほとんどの学生が帰省や旅行などで街をでるため、キャンパス内はとても静かになります。Fall BreakとThanksgiving Breakは期間が短いため旅行をすることは難しく、私は市内を散策したりホストファミリーと食事に出かけたりしていました。しかし、Winter Breakの間は学内の食堂もカフェも閉まり、寮のキッチンも使用できない状態になるのでかなり生活しづらくなります。そのため、シャトルバスなどを利用してこまめに食料を買い足しに行く必要がありました。私は日本食がものすごく恋しかったので、日本からの仕送りやアジアンマーケットで調達した日本食でしのぎました。
 また、休みが始まってすぐに一週間ほどフロリダを旅行しました。知らない国での旅行は、危険なことも理不尽なこともわからないこともたくさんありましたが、それも経験の一つだと思いました。違う土地に行くと違う価値観をもった人たちや、違う言語を話す人たちがたくさんいます。私は旅行中に様々な人種の方々と触れあい、アメリカならではの体験をすることができました。これから留学を考えている人には、留学期間中に旅行することをおすすめします。今自分が生活している地域だけが、その国の本質とは限らないからです。今回の旅行を通して、色んなところへ行き、色んな体験をすることで、その国をより知ることができたと感じました。


冬休みにホストファミリーのお宅でクッキーを作らせてもらいました

フロリダ旅行で訪れたディズニーランドと美術館です

まとめ

 センター大学の人たちは、学生も教授も想像していた以上に優しく、困ったことやわからないことがあるとすぐに助けてくれます。異なる文化や価値観、言語が障害となるときもありますが、それらを否定するのではなく、受け入れて理解しようとしてくれます。前回の報告書では、留学生活を「大変だ」と思うことの方が多いと記述しましたが、今でもそれは変わりません。しかし大変な生活の中でも少しずつ「楽しい」と思うことも増えてきました。私をサポートしてくれる人たちのおかげです。ここでしか体験できないことや、ここでしか出会えない人たちとの関係を大切にしながら、残りの留学生活を楽しんでいきたいと思います。