センター大学 国際文化学科3年 野口二子 <1号 2019年9~10月>

はじめに

 センター大学に来てから約2か月が経ちました。来た頃はまだ太陽の日差しが強く、からっとした暑さでしたが、今では毎日最低気温が零度以下で、寒さに震えながら過ごしています。初回の定期報告では留学前と渡米直後の状況、そして授業内容について記述していきます。


Fall Break期間にダンビル市内を散策したときの様子です

出発まで

 センター大学への派遣が内定したのは、2019年の年明け頃でした。本当に約1年間も海外でやっていけるのか、不安でいっぱいだったため、第1次と第2次募集は見送りましたが、ついに第3次募集で応募しました。
 センター大学から「8月21日にレキシントンの空港に到着するように」と指示があったので、派遣が決まってから出国までは約半年ほど期間がありましたが、実際にVISAの取得や航空券の予約などの準備を始めたのは、5月に入ってからでした。というのも、VISAを取得するためには、I-20という留学許可証が必要ですが、それが手元に届いたのがゴールデンウィーク明けだったからです。私の場合は、7月にVISAの面接を受けるため東京まで出向きましたが、もっと早くに準備すれば福岡や大阪でも面接は可能です。また、航空券も夏休みにさしかかると取りづらくなるので、急いで予約しました。日本からレキシントンへの直行便はなく、成田から一度デトロイト空港へ行き、そこで乗り換えをしました。航空会社はデルタ航空でしたが、チケット代が安い分、対応もまずまずでした。デトロイト空港からレキシントンへの乗り継ぎの際、悪天候の影響で飛行機が大幅に遅れ、到着は当初の予定より3時間ほどずれましたが、無事に着くことができました。

オリエンテーション

 到着日の翌日からは、留学生用のオリエンテーションが始まりました。ISOL (International Student Orientation Leader)という留学生サポーターの学生たちが、大学や市内の案内をしてくれ、映画やボーリング、サッカー観戦などに連れて行ってくれました。2~3日は時差ぼけの影響もあり、目の下からくまがとれませんでしたが、このオリエンテーションのおかげで留学生同士の仲が深まりました。さらに、ISOLのメンバーはほとんどが上級生なので、大学や授業についての質問にも答えてくれ、留学生にとってはとても頼もしい存在です。
 約1週間続いた留学生オリエンテーションの後は、新1年生に向けてのオリエンテーションがまた1週間ほどありました。私たちにとってはすべてオプショナルだったため、参加したものと、そうでないものがありますが、学長宅でのディナーや寮対抗のゲーム大会など、日本の大学では体験できないようなイベントが開催され、新入生に対する歓迎の仕方が日本とは大きく異なっているように感じました。

授業

 履修する授業は、渡米前にセンター大学のホームページから手続きをしなければなりません。私たち留学生は、どの学部の授業でも取れるようになっているので、自分で好きな授業を履修することができます。ただし、授業によっては膨大な量の課題を課せられるものや、授業時間外でも活動をしなければならないものもあるので、留学していた先輩や、山口県立大学に交換留学で来ているセンター大学の学生からよく話を聞いて、どの授業を取るか慎重に決めた方が良いと思います。私も、以前留学していた先輩からアドバイスをもらいながら決めました。また、授業開始から2週間は履修を変更することも可能です。どうしてもついていけない場合や他に受けたい教科がでてきた場合は、この2週間の間に履修変更の手続きができます。以下は私の1週間のスケジュールです。

MondayTuesdayWednesdayThursdayFriday
8:00-9:00SociologySociologySociology
9:40-11:10Hot GlassHot Glass
12:40:13:40ChineseChineseChineseChinese
14:20-15:50MusicMusic

Intro to Sociology
 社会学の授業です。私が履修している科目の中で、最も難しいと感じる教科です。アメリカ社会について、政治、宗教、貧困、人種問題など様々なことを学びます。使用する教材はどれも難しく、平日は20~30ページほどのリーディング、週末はそれに加えてエッセイを毎週提出しなければなりません。毎回膨大な時間を課題に費やしていますが、そのおかげでリーディングとライティングの能力が上がったように思います。

Hot Glass
 吹きガラスの授業です。学生は全員初心者なので、先生が一からグラスカップやボトルの作り方を教えてくれます。授業内容としては、そのデモンストレーションが主ですが、他にもグラスの歴史やグラスアーティストについても学びます。また、授業時間外に週6時間はグラスを作る練習をしなければなりません。パートナーと共に、各々の作品に向けて試行錯誤しながら毎回練習をしています。やりたいことや作りたい作品があった場合は、先生や上級生と相談しながら自分のプロジェクトを進めることができるので、回を重ねるごとに新しい技術が身につきとても楽しいです。



Hot Glassの授業で作った作品です

Fundamental of Chinese
 中国語の初級クラスです。文法や発音には苦労していますが、漢字の意味を推測できるため、そこまで難しいと感じたことはありません。日本人学生にとっては、少し有利な授業だと思います。クラスメートは皆社交的で、授業自体も明るい雰囲気で楽しいです。授業は1時間だけですが、ペアワークで何度も発話練習をするため、読む、書く、聞く、話す、の技能がそれぞれしっかり鍛えられます。また、センター大学には中国人の学生が多く、課題でわからないところがあっても、彼らに聞くと快く教えてくれます。

Fundamental of Music
 音楽の初級クラスです。音符やコードの読み取りなど、基礎的な音楽の知識について学びます。日本語で知っている音楽用語でも、英語に変わるととたんに聞き慣れない単語になるので難しくはありますが、課題が少ないため、復習にしっかり時間を割くことができます。座学ではありますが、覚えることも少なく他の授業よりも気楽に取り組めます。


センター大学専用のブックストアです。教科書だけでなく、衣類や日用品などセンター大学のロゴが入ったグッズが購入できます。

まとめ

 この2か月間は「気づいたら2か月が経っていた」というくらい短いものでした。毎日課題や授業の予習・復習に精一杯で正直、今のところ「楽しい」よりは「大変だ」と思うことの方が多いです。しかし、その中でも着実に成長を感じます。ほんの少しずつですが、来た頃はできなかったことが、だんだんとできるようになってきました。もちろんまだまだできないことが多いです。自分の意思をうまく伝えること、相手の言っていることを正しく聞き取ること、ディスカッションに積極的に参加することなど、課題は山積みですが、できないことをどこまでできるようになれるのか、自分でも楽しみにしています。あと7か月、悔いのないように、全てのことに取り組んでいきたいです。