センター大学 国際文化学科4年 井上由梨香 <最終号>

はじめに

 アメリカから帰って来て3か月、センター大学のオンライン授業やテストが終わってからは1か月が経ちました。留学に出発した日からは1年が経とうとしていると考えると、本当に時間の流れが速いです。今回が最後の報告書となりますので、春学期終盤のこと、帰国後のこと、そして留学で感じたことのまとめをしていこうと思います。

春学期終盤

 前回の報告書で書いたように、全てオンライン上で行っています。

CHN 120 Fundamentals of Chinese-Ⅱ
 ペアで1人15文、2人1組で30以上の会話文を作り、授業で実際に役割を演じながら発表するスキット(寸劇)を行いました。これまで習ってきた文法をたくさん取り入れ、PPTも作りました。PPTは内容をより分かりやすくし、目でも楽しめるように写真やアニメーションを使って工夫しました。作るのに思ったより時間がかかってしまいまいたが、発表の後に担当教授が褒めて下さったのでとても嬉しかったです。期末テストは、配られたフォームに答えを打ち込んでオンラインで提出しました。学習が進んだ分勉強する量が多く覚えるのも難しかったですが、良い点数を取ることができて良かったです。

ARS 210 Introduction to Oil Painting
 最終プロジェクトは、インテリアや家の一角など自分で好きに選んで絵を描いたものの提出でした。私は、自分の家の廊下天井を描きました。選んだ理由は、2つあるライトのデザインが違って面白いのと、梁や装飾が和風で日本っぽさを感じられたからです。細い線や影を表現するのが難しかったですが、納得のいく作品を作ることができました。2~3人ずつのズームセッションで先生に評価をして頂いたのですが、これでもかというほどに褒めて下さってとても気分が良かったです。これはアメリカで生活していてよく感じることなのですが、どの授業の教授も褒めることがとても上手で、何か足りない所や指摘する所があったとしても必ずどこか褒めてくれます。そのおかげでやりがいが生まれて次も頑張ろうという気持ちになります。

ENG 170 Topics in Writing
 期末テストはなく、レポート1枚の提出でした。最後のレポートはコロナ対策をどうすべきかの提案をするもので、私は地元の県について書きました。この授業では批判、定義付け、提案など様々なタイプのレポートを書いたので、それぞれの書き方を学ぶことができ非常に有意義なものとなりました。特に、卒業論文を英語で書かなければならない私にとって大きな助けとなりました。

MUS 120 Materials & Structure of Music-Ⅰ
 最終プロジェクトで曲を一曲つくりました。時差の影響で授業に参加できなかった分、他の生徒との交流があまり無かったりひとりで資料を読んだりして寂しかったですが、何とか乗り切ることができました。教授が帰国後の私に心配やねぎらいの言葉をメールで送って下さって、本当にありがたかったです。

帰国後について

 日本に帰国後は実家で授業や課題をして過ごしていました。時差のせいで夜遅くに授業があったり受けられない授業があったりしましたが、どの授業の教授も生徒のことを気遣って下さるので評定に不利益を被ることはありませんでした。しかし、センターにいたときは図書館や食堂などで勉強している人がたくさんいて、自分も頑張ろうと奮起させられていたので、グループワーク以外は自分ひとりで課題をこなさなければならないのが少し苦でした。家では日本語を使うので、授業を受ける時だけアメリカに戻ったような少し変な感覚になりました。やはり言語は使わないと忘れたり劣化したりしていくのだなと強く感じました。センターの日程が全て終わった後は、卒業論文や就職活動に取り組んでいます。友人とも連絡を取り合っていて、これからもできるだけこの関係を維持していきたいです。

留学を通して

 私は、2年生前期に長期留学をすることを決断しました。センター大学は留学生向けの授業が無く、全てネイティブと同じ授業を受けなければなりません。課題もとても多く現地の学生でも苦労すると聞いていたので、決断するまで本当に沢山悩みましたし、渡米する直前も期待より不安でいっぱいでした。いざ渡米してみても、自分の英語力の無さを実感し他の留学生に圧倒されました。授業中も教授や生徒の発する言葉の意味が分からなったり、課題の資料を読むのに人一倍時間がかかったりして心が折れそうになったことも何度もあります。それでも最後までやってこられたのは、人のあたたかさを感じたからです。教授もクラスメイトも私たちのことを気にかけてくれて、笑顔で丁寧に接してくれました。私が発言しているときはみんな一生懸命私の言葉に耳を傾けてくれました。約束をしていなくてもその場にいた人たちみんなで一緒に食事をしたり、イベントに誘ってもらったり車でどこかに連れて行ってくれたり。本当にいい人たちばかりでした。私はアメリカではマイノリティ(少数派)でしたが、幸い人種差別をされることも無く、むしろ日本に興味を持ってくれる人が多く話も盛り上がりました。目に見える文化も見えない文化もたくさん経験し、アメリカの良い所だけでなく日本の良い所にも気付くことができました。私は元々おとなしいと言われることが多くあまり積極的な性格ではありませんでしたが、自分なりにみんなが集まるイベントに行ってみたり色々な人に話しかけてみたりして、積極性も身についたと思います。言語面も、読む・書く・話す・聞く、全て伸ばすことができました。他にも一生懸命取り組むことや異文化を認識すること、たくさんの課題をこなすことなどを通して、自分の成長を大きく感じました。このような経験は日本にいるだけでは決してできなかった貴重なもので、私の人生の大きな財産となっています。2年前のあの時、留学することを決断して本当に良かったと思いました。これからは、自分がアメリカで良くしてもらったように日本に来た外国の方の役に立ちたいし、不安な気持ちを理解し優しく接してあげられるような人になりたいです。

最後に

 辛かったことも悲しかったことも今となっては良い思い出で、それ以上に嬉しかったことや楽しかったことがたくさんあります。本当にセンター大学へ留学して良かったと心から思います。アメリカでお世話になった方々、日本で支援して下さった方々に感謝し、これからもその経験を何らかの形で活かしていきたいです。ありがとうございました。