青島大学(2018年度交換留学生)国際文化学科3年 市木陽<2号 2018年5~6月>


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 留学が始まって5か月が経過しました。中国語のレベルも高くなり、友達との会話の幅が広くなりました。また、青島の土地にも慣れ、友達と街へ遊びに行くことも増えてきました。限られた青島での留学の時間を有意義なものにするために、学習と遊びを上手に両立して生活しています。今回は、授業について詳しく報告します。

授業のクラスについて


クラス写真

 授業は、クラスが、中国語初級101A/B~104A/B、中級201A/B~202A/B、高級301A/B~302A/Bと、細かく分かれています。そのため、自分のレベルに応じたクラスを選ぶことができます。AクラスとBクラスの学習内容は同じですが、先生や授業形態、進度が異なります。したがって、教員との相性やクラスの雰囲気など、様々なことを考慮して自分に合ったクラスを選び、無理なく学ぶことができます。
 私は、初級104Bクラスの授業を履修しています。104クラスには中国語総合、中国語口語、中国語聴力の3科目の授業があります。クラスによって学ぶ内容は様々ですが、104クラスは初級の一番上のクラスで、少し専門的な語彙・文法や内容もありますが、比較的、実用的な語彙・文法を学ぶことができます。私は日本で中国語検定3級を取得してから留学に行きました。最初に104クラスの教科書の内容を見た時は、少し簡単に感じました。しかし実際に受講してみると、教員は語彙・文法や内容の説明など授業を全て中国語で行ない、もちろん学生も中国語で発言するという環境に慣れておらず、聞き取れないところや発言できないことも多く、自身のリスニングとスピーキングの能力・水準に照らし合わせると、このクラスが妥当だと考えたので、総合的に考慮してこのクラスに決めました。また、教員との相性も良く、授業形態も自分に合っていたことも決め手の一つとなりました。さらに、104Bクラスには8か国の留学生がおり、他のクラスより国際色豊かで、様々な国の人と交流できると思い、このクラスを選びました。
 毎日中国語に触れる環境にいるため、1か月が経つ頃には、教員の話や説明はほとんど聞き取れるようになり、中国語での発言にも次第に慣れるようになりました。友達との会話も内容がより深いものとなり、冗談も通じるくらいになりました。この頃になると、授業内容を簡単に感じ、内容的にはもう一つ上のクラスである201クラスが合っていると思うようになりました。中国語検定3級を取得している人は201クラスがレベル的に丁度良いかもしれません。最初のうちは聞き取れないことや発言できないことに焦燥感や危機感がありますが、1か月も経てば慣れます。しかし、大前提として単位を取得する必要があるので、交換留学生は確実に単位が取れるクラスを選ぶことが重要です。

授業について


口語・総合・リスニングの教科書

文化活動の様子

 中国語総合は毎日授業があり、中国語口語は週に3回、中国語聴力は週に2回あります。一つずつ紹介していくと、一つ目の中国語総合はリーディング、ライティング、スピーキング、リスニングの全ての能力が必要とされる科目です。この授業では教科書の本文を読み文法を学ぶだけではなく、プレゼンテーションや作文もよく行います。
 そのため、3つの授業の中で最も難しい授業といえます。二つ目の中国語口語は、実際に会話で使う文章を中心に文法を学習していきます。この授業はスピーキングを重点にしていて、5分間のフリートークをすることがあります。三つ目の中国語聴力では、リスニングを行うだけではなく、時々スピーキングも行います。
 さらに、1科目につき1回、文化活動があり、先日は、それぞれ各国の美味しいお菓子を持参し、各国の有名な曲を聴きながら食べるという内容でした。各国の文化や嗜好、感覚の違いだけではなく、コミュニケーションをとる上で、お菓子や音楽はお互いの交流をより深いものとする良いツールとなると改めて感じました。クラスの雰囲気もさらに良いものとなり、先生と留学生の距離もさらに近くなったと感じました。
 どの授業も進むのが早く、毎日の予習・復習が不可欠です。授業は参加型で、指名されるのを待つのではなく、自らから発言していくといった授業形態です。分からない点があったら、その場で質問をします。この点は日本とは少々異なるが、私はこれを良い機会ととらえて積極的に発言するようにしています。発言することで、さらに理解が深まると思います。また、「あなたの国ではどうなの?」のように、自国の文化や慣習について聞かれることが多々あります。私は留学に来て初めて、日本の文化や慣習に関する知識の不足や認識の低さを強く感じました。外国の文化を学ぶ前に、自国の文化に対する理解は欠かせないと反省する良い機会となりました。

成績について

 今学期は3月8日から開始され、7月6日に終了します。成績は教員により評価方法が異なるが、私のクラスは学習態度(出席率、課題提出、授業への参加度)が30%、試験70%で構成されています。試験は、1科目につき4回(小テスト(1)、中間テスト、小テスト(2)、期末テスト)があり、中間テストと期末テストは70%の内の50%を占めるので、とても重要なテストです。中間テストと期末テストは小テストに比べて問題の難易度が少し高いですが、授業の内容を理解していたら解ける問題が多く出題されているという印象でした。中国語総合と中国語聴力は筆記問題と選択問題など一般的な出題形式のテストです。中国語口語は、会話テストや文章の朗読テストなど、日本ではあまり見られない形式のテストもあります。教員によっては成績上位数名を開示することもあり、良い意味でお互いに刺激をし合いながら学ぶことができています。細かくテストを実施することで、自身の中国語の習熟具合が明確に示され、その後の中国語学習へ生かせるだけではなく、中国語を学ぶモチベーションにも繋がっています。


前期終了時のクラス写真

 留学には、大学の授業での学習を軸に、友達との食事や遊び、旅行など、その他の様々な要素も含まれていると私は思います。私はよく友達と食事に行き、おしゃべりをして楽しんでいます。多くの人と交流することで、自然と中国語も上達していきます。また、異なる文化や異なる社会的、歴史的背景を持つ友達と交流することで、様々な考え方に接することができ、物事に対する考え方や見方をより豊かなものにすることができると思います。日々新しい発見も多く、視野が広がります。友達との交流の中には、大学や教科書では学ぶことのできない多くの学びがあると思います。そのため、毎日の授業を一生懸命受けることはもちろんですが、毎日の友達との交流も同じように一生懸命行うようにしています。

青島の海岸風景