センター大学(2018年度日本語TA)国際文化学科4年 山下璃帆<1号 2018年9~10月>


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はじめに

 センター大学での2年目が始まりました。交換留学生として派遣されていた去年とは違う立場で、山口県立大学から久しぶりの日本語TAとしての派遣となりました。1年目とは全く違う気持ちでの暮らしが始まり、もうすでに2ヶ月が経とうとしています。今回はクラスの履修、各授業の様子について触れます。

一時帰国、そして2年目突入

 2018年の5月末に帰国し、日本で夏休みを過ごしました。夏休み中はセンターで学んだLGBTの知識をもとに啓蒙活動を行いましたが、やはり日本のLGBTに対する意識の低さを感じました。
 ビザは4年間有効である上に日本に帰国前に新たなI-20をもらえたので、帰国中に必要な手続きはありませんでした。荷物はキャンパスに置いていたので追加で必要な分のみ日本で買い足しました。去年インターナショナルオリエンテーションに参加していたので、今年の参加は必要がなく、上級生と同じタイミングで入寮しました。本来なら他の交換留学生とともに領事館に行き、ビザの手続きが必要になります。またインターナショナルオリエンテーションと新入生オリエンテーションに参加する必要があるのでそれはセンター大学に派遣された交換留学生の報告書を参考にしてください。オリエンテーション期間中はTAとして派遣されてもやることは交換留学生とほぼ変わりません。去年仲の良かった子とルームメイトになりました。二人部屋ですが一人一人の部屋、かつキッチンとバスルームがあるので快適にストレスなく過ごせそうです。


私の部屋の一角です

授業の履修について

 学生は原則として1学期に最低12単位取らなければいけません。TAとして派遣される場合は、インターンシップ(INT-400)を履修した上で、残りの6単位は自由に決めることができます。久しぶりの派遣ということやセンター大学のこのプログラムの担当者が変わったこともあって情報が全くなく、授業開始1日目に履修登録をするはめになりました。
 基本1クラス、3~4単位なので2つのクラスを履修することになります。私は去年から続けている中国語と、もともと宗教の勉強が好きなので、アジア宗教を履修することにしました。中国語はだんだんと文法が難しくなってきましたが、普段使える内容が多く役に立っています。元々仲の良い友達はアメリカ人が多く、中国語に触れることはあまりありませんでしたが、今では毎日の様に中国人の友達に中国語を教えてもらっているので、アメリカにいながら生の中国語を学べています。アジア宗教では一つのクラスで様々な宗教をカバーしています。去年、ヒンドゥー教を履修したのですが、その授業とは違い、深いことは学ばず、広く浅くという感じです。神道など日本の宗教を学びましたが、実際にはそんなことないけどな...と思うこともあり、やはり異国の文化、伝統、宗教を学ぶことは難しく感じました。クラスで日本人は一人だけなので、先生は日本についての質問を私によくします。一人の日本人として個人的な見解で話してくれと頼まれることがあるのですが、クラスには様々な学生がいるので少し気を遣います。留学する時に自国文化を知っておく必要があるというのはよく言われますが、本当に大事だと思います。去年より一クラス少ない分、時間に余裕があるので教授にお願いして火曜日にジェンダーの授業の聴講をさせてもらっています。

私の授業スケジュールです。
Chinese 210 MWF ... 9:10-10:10
Japanese 110 MWF ... 10:20-11:20
        R ... 11:30-12:30
Asian Religion MWF ... 1:50-2:50

日本の授業

Japanese 110
 初級クラスの教材は『初級日本語 げんきⅠ 第2版』を使っていて、今は第5章です。クラスは19人ほどで、比較的大きなクラスです。2週目が終わる頃にはひらがなクイズがあり、この時期からほとんどひらがなで授業が行われるため、この時点でひらがなにつまづいている学生は授業についていくのも大変そうです。授業では書く練習をしませんが、中国人の学生の方が比較的にひらがなを書くことに長けていると感じます。今は、な・い形容詞について学んでいますが、「いい」や「綺麗な」など普通とは少し違う活用に苦戦しており、日本語は難しいという学生がほとんどです。

Japanese 210
 中級クラスは初級より人が少ないですが、去年より多くて12人の学生が履修しており、教科書は『初級日本語 げんきⅡ 第2版』を使っています。使える単語や文法が増え、長いエッセイを書くことができます。授業の最初の10分は会話練習です。週末にした事や最近あった出来事について話しています。また作文を書くこともあるので実践的な学習が増えてきています。今、学生が直面している問題といえば長い文章を作ろうとするあまり、文法や時制、形式がわからなくなってしまっているということです。ひたすら練習あるのみだと思います。

日本語TAとしての仕事

 主な仕事は授業中のアシスタントと宿題・小テストの採点です。アシスタントとしての仕事に徹しており、わからないことがあれば、最初は手を挙げて質問されることが多かったですが、今では「りほさん!」と私を呼ぶ人がいて楽しい雰囲気の中で授業が進められています。学生間の仲も良く、学習会などもたまに開かれています。また授業で見るビデオ選びや文化体験を担当しています。先日は中級クラスでおにぎりを作りました。三角に握ってと伝えていたのですが、ペンギンや平たい三角などの個性豊かなおにぎりが出来上がりました。火、水、木は19:00~21:00でチューター活動をしています。授業でわからないことを聞きにきたり、宿題を持ってきたりする人が多いです。各章のテスト前には多くの学生が来るので混み合っています。やはり学生との距離が縮まるととても楽しく、実際に身近に日本人がいることはモチベーションの面でも大事だと思います。
 英語でどのように説明するか、わかりやすく説明するにはどのようにしたらいいのかを、去年1年かけて学んだので今年は実践を通して学べています。

秋休み


 10/11~10/14は秋休みだったのでニューヨークに行ってきました。一度は訪れてみたい場所だったので、4日間ですが旅行することにしました。秋休み前は中間試験があり、なかなか計画を立てる時間もなかったので、現地に行ってとりあえず楽しもうという感じでした。秋休み後の課題もしっかりあるためキャンパスでおとなしくしておくのもいいかもしれません。

終わりに

 2年目になると新しい発見というのはなかなかないので自ら新しいことに挑戦していく必要があります。英語もあまり不自由がないので、頑張らなくてはというような貪欲な気持ちがなくなっているのが現実です。だんだんこの生活が当たり前になってきて、ただの学生生活を過ごしているように思います。実際に留学生活も残り7ヶ月、この報告書を書くことによって初心にかえれたので、しっかりチャレンジ精神を大切にしていきたいと思います。