釜山大学校 国際文化学科4年 兒玉悠梨乃 <最終号 2024年11~12月>

はじめに

10か月の釜山大学校での留学生活があっという間に終わってしまいました。今回は、11・12月の学校生活やサークル活動の様子、留学を終えての感想をまとめたいと思います。

大学生活

期末試験

期末考査は、12月16日から20日までの1週間でした。私が履修している授業のうち、「日本現代史」「韓国近現代史の流れ」「グローバル中国語Ⅰ」の3つの授業で試験がありました。中間試験と同じように、「日本現代史」「グローバル中国語Ⅰ」の試験は短答型と選択型で、「韓国近現代史の流れ」の試験は論述式でした。

「フランス語Ⅰ」の授業では、12月9日と11日に期末考査の代わりに小テストがありました。「フランス語Ⅰ」の授業は2人の教授が曜日ごとに授業を行っていたので、教授ごとに2回に分けてテストが行われました。テストの内容は、リスニング問題や質問に対して3文程度の文章を書く問題、道案内の文章を聞いて地図上の場所を当てる問題など様々な問題がありました。

中国語のテスト勉強をしている様子です。
→中国語のテスト勉強をしている様子です。
授業の空き時間に友人と正門トーストを食べに行きました。
→授業の空き時間に友人と正門トーストを食べに行きました。

サークル活動

秋になり、私が所属している写真芸術研究会の活動が活発に行われました。11月には秋の1泊という遠征や출사(出写: 写真を撮りに出張すること)、家族班の集まりなど様々な行事がありました。秋の1泊には、卒論に追われて残念ながら参加できなかったのですが、출사(出写)では、범어사(梵魚寺)に行って紅葉している景色の写真を撮りました。先輩方のように上手くは撮れませんでしたが、はじめに比べたら写真を撮ることに慣れたのでは?と少し成長を感じました。釜山大学で写真芸術研究会に入って始めた、カメラという趣味ですが、留学後も続けられる趣味と出会えて、たくさんの友人たちとも出会えて、とても良い経験になりました。

先輩が撮ってくれた写真1
先輩が撮ってくれた写真2
先輩が撮ってくれた写真3
→先輩が撮ってくれた写真です。上手な先輩たちがフィルムカメラを使って写真を撮っていて、私もフィルムカメラがほしくなるくらい、良い写真が他にもたくさんありました。
범어사(梵魚寺)の写真1
범어사(梵魚寺)の写真2
→私が撮影した범어사(梵魚寺)の写真です。

卒業論文

11月になると、卒論制作に追われ、授業以外の時間は部屋にこもってひたすら卒論を進めるという生活でした。12月初めの卒論提出までの1か月は、週に1度のオンラインで行われたゼミで、みんなと卒論の制作状況を確認しながら、不安なことはすぐに先生に質問していました。ゼミの友人たちと会って話をしながら卒論を進めるということができなかったことに加え、ゼミの友人に私の代わりに卒論を提出してもらわなければならなかったので、早く完成させなければととても焦りながら卒論を書きました。ゼミの友人たちの中には昨年交換留学をしていた友人もいたおかげで、留学生活と卒論の両立という忙しさに共感して励ましてくれたので、焦りながらもどうにか卒論を書き終えることができたと思います。私の授業時間に合わせてゼミの時間を変更してくれ、私の代わりに卒論を印刷し提出してくれた友人たちと先生には、本当に感謝しています。

ゼミの友人たちが私の卒論も一緒に提出してくれました。
→ゼミの友人たちが私の卒論も一緒に提出してくれました。

休日の過ごし方

11月終わりに無事卒論をほとんど完成させることができ、卒論が終わった後は残り1か月もない留学生活を満喫しようと友人たちとたくさん遊びに行きました。以前県立大学でのグローバル学生交流に参加していた韓国人の友人たちとミリャン(密陽)でナッコプセを食べたり、友人の家でゲームをしたり、サークルの友人とクリスマス感あふれるカフェでゆっくり話したりと12月の休日は毎回予定を入れて遊びに行っていました。自分ではあまり感じていなかったのですが、留学前から仲の良い韓国人の友人たちに、韓国語が上手くなったねと言われてとても嬉しかったです。

ナッコプセ
釜山大近くのカフェ
→友人たちと食べたナッコプセの写真と、釜山大近くのカフェの写真です。

また、12月初めにはソウルで行われたK-POPアイドルのコンサートに行きました。このコンサートに行く予定があったからこそ卒論を無事に完成させることができたのではないかと思います。韓国でのコンサートならではの体験をたくさんすることができ、卒論を終わらせた自分への最高のご褒美になりました。

寒波の影響でソウルでは雪が積もっていて、とても寒かったです。
→寒波の影響でソウルでは雪が積もっていて、とても寒かったです。

帰国準備

2学期は12月20日頃までテストがあり、寮の退寮期間は12月21日から23日までの3日間でした。留学ビザ自体は1月末まで期限があったので、冬休みも寮を申請して1月末まで残ることも考えていましたが、ルームメイトとの生活がとても大きなストレスになっていて、もうこれ以上は耐えられないと思い、2学期が終了し、12月21日にすぐ帰国しました。期末試験が終わってすぐに帰国するため、荷物の準備を事前にしておかないとバタバタして片づけられないと思ったので、12月に入ってすぐに郵便局で段ボールを購入し、期末試験週間が始まる前にEMSで日本に送りました。EMSで送った荷物は、4日ほどで山口まで届きました。心配性で物が多い私は、約10キロの段ボール4つ分の荷物を日本に送り、26キロのスーツケースと15キロのスーツケースをもって日本に帰国しました。

退寮手続きは、部屋の掃除をして事前にお知らせがある部屋の写真を撮り、寮1階の退寮申請所で退寮申請書と写真の確認を受けた後、警備室にルームキーとベッドカバーを返却、その後撮影した写真をメールで寮に提出するという手順でした。私はルームメイトよりも先に退寮したため、自分のスペースを片付けた後、ルームメイトの物は写ったまま部屋の写真を撮り、メールで提出する際にルームメイトがまだ残っているという旨を伝えました。私は21日の退寮申請が始まる時間である朝9時にすぐ申請したので、手続きは5分もかからずに終わりました。

退寮申請の際に撮影した写真の一部です。
→退寮申請の際に撮影した写真の一部です。
帰国前に日本人留学生の友人たちと集まったり、釜山の名物を食べたりしました。1
帰国前に日本人留学生の友人たちと集まったり、釜山の名物を食べたりしました。2
→帰国前に日本人留学生の友人たちと集まったり、釜山の名物を食べたりしました。

留学を終えて

留学を通して様々な事を経験し、語学力の成長だけでなく、「自分の意見を伝えること」や「普段の生活への感謝」、「人との関わり方」など自分の中で変化した部分が多くあります。中でも「自分の意見を伝える」という面での変化がとても大きいと思います。私が釜山大学校で出会った韓国人の方々はみんなとてもやさしく、日本の文化にも関心を持って話をしてくれていましたが、会話をしていると話題に対する自分の意見を求められることが多々ありました。日本の政治や歴史に対しての自分の意見を聞かれたこともありました。私はそれまで物事に対して、なんとなくこうなんじゃない?といったぼんやりとした意見しか持っていませんでしたが、自分の意見を伝えるように努力したことで、会話がより深まり、自分にはなかった意見も学ぶことができました。また、人の話を聞くだけではなく自分の意見を伝えることで、語学力・コミュニケーション力が身についたと思います。

また、留学に行ったからこそ、日本の良い所をたくさん感じることができました。普段の生活の中では当たり前だと思うことも、海外に出てみると当たり前ではなかったというものがいくつもありました。留学が終わり、山口に帰って来た時には、空気のきれいさに少し感動しました。

10か月の留学生活では、慣れない土地で生活するストレスや、必ずしも性格が合うわけではない他人との生活でのストレスによって、精神的に苦しい時期もありました。しかし、留学中に得た経験は私自身を大きく成長させてくれ、私の今後の人生に役立つ学びや新たな気づきを与えてくれました。過去の先輩方は留学中に様々な活動に参加されており、私も何か参加しなくちゃ!と始めは焦っていましたが、頑張りすぎず、自分のペースでのんびりと過ごした留学生活はとても良い経験になりました。初めての留学生活で気が付いた周囲の人々の支えに感謝し、卒業後にもこの経験を活かしていきたいです。