釜山大学校 国際文化学科3年 星萌々夏 <最終号>

はじめに

 11月から2月の帰国までは韓国での資格取得やボランティアなどで忙しく過ごしました。帰国後、後悔の残らないようにしようと毎日積極的に行動することを心掛け、充実した日々でした!

出国準備

 私は現地で通いたい塾があったため冬休みの間も寮費を払い滞在していました。そのため出国は2月の中旬になりましたが、コロナの状況が日ごとに変わり出国前はかなりバタバタしました。

-荷物
 韓国から日本に荷物を送るために、まずは荷物の仕分けをしました。帰国後すぐに必要なもの、軽いものはEMSで送り、教科書など重いもの、またすぐには必要でないものは船便で送りました。
 予め郵便局のホームページで申請をしておくと割引もあり、時短になるのでお勧めです。

-PCR検査
 帰国に際して、飛行機搭乗の72時間前に検査した日本政府のフォーマットに基づいた陰性証明書が必要になります。私はソウルのシーゼン医療財団(씨젠의료재단)という病院で検査しました。この病院では出国者対象の検査を行っており、完全予約制です。費用は11万ウォンと、仁川空港で受けるよりも安いです。そして一番のメリットは検査結果をPDFで送ってくれるため、病院を再訪問する必要が無いという事です。私は検査後すぐに仁川に移動する予定だったので助かりました。検査結果は出発前に空港内で印刷が可能です。

旧正月(설날)

 今年は1月末~2月初めにかけて旧正月の連休でした。このような名節の時にチェサという儀式を行うのですが、その際にお供え物としてタングク(탕국)、チャプチェ、ナムルなどを備えた後食べる文化があります。タングクはお店でも売っていないので今回友人にお願いし、食べさせてもらいました。海鮮のスープでした!
 日本ではできない貴重な体験ができてよかったです。


ボランティア

 11月から帰国まで、非営利団体のリサイクルショップでボランティアを始めました。週に1回通い、帰国までに48時間ボランティアをしました。
 接客や電話対応などで語学力を鍛えられただけでなく、一緒にボランティアをする仲間とご飯を食べたりと楽しく通うことができました!



梵魚寺(범어사) 外国人ツアー

 釜山大学校から近いところにある梵魚寺で外国人グループを対象としたツアーがあり、中国、台湾、韓国の友達と4人で参加しました。

梵魚寺の中でVRゲームをしたり、韓国の茶道体験をしたりしました。

1年間の留学を終えて

 1年間の留学を通してたくさんの事を学びましたが、その中でも特に自分の中で大きな変化があったのは「人への配慮」だと思います。私は留学に行く前、韓国語もある程度話せるし、韓国に友人も多いから心細いこともあんまりないだろうな、と考えていました。しかし韓国で「外国人」になり、社会制度的な部分で多くの制限を受け、対人関係で困難を感じるたびにマイノリティとして生きるという事がどういうことなのか、分るようになってきたと思います。「ウリ文化」のある韓国では、「ウリ」であるかどうかを日本よりもかなり重視する文化です。ウリとは「私たち」という意味ですが、韓国語の会話の中には頻発する単語です。ウリマル(私たちの言葉)、ウリオンマ(私のお母さん)、ウリナラ(私たちの国)...。外国人である私はもちろんいつも「ウリ」の外にいます。韓国に行ったばかりの時は初めて出会う人も多かったためウリという言葉を聞く機会も多く、この言葉を聞くたびに疎外感を感じることも多々ありました。幸いにもこの悩みを話すことのできる友人にも出会うことができましたが、そのとき友人と話しながら気づいたことがあります。それは自分がマジョリティに属していることで享受できるものがとても多いという事です。これは自分がマイノリティの立場に立つまで分からないことでした。今考えると、大多数の中の一人としてマイノリティに対する配慮が出来ていなかったり傷つけたりすることもあったのではないかと反省しています。「ウリ」の外にいるマイノリティとして一年間生活した経験は、これまでの自分の言動をもう一度見直すきっかけをくれました。留学をしたことで語学力やコミュニケーション能力が付くだけでなく、人として必要な部分を学べたのが私にとっては大きかったと思います。この先もこの経験を生かして、人への配慮を忘れず生きていきたいです。


写真1 釜山 影島