釜山大学校 国際文化学科3年 星萌々夏 <4号 2021年9~10月>

はじめに

 9,10月は2学期も始まり忙しく過ごしていました。10月半ばまで釜山は暑くて、半袖で過ごしていましたが後半に入るととたんに冷え込み、ペディン(ダウン)を着る季節となりました。中間試験とTOPIK(韓国語能力試験)、ITT(国際通翻訳資格)試験などが重なり勉強尽くしの2か月間でした。

2学期 開講

 韓国の2学期は日本よりも1か月早い9月から始まります。2学期の授業は以下の通りです。


図1

― 時事で学ぶ韓国語:今学期唯一の韓国語の授業です。ニュース記事を使って韓国語を学ぶ授業です。毎時間ランダムで最近のニュースについての発表があり、いつ当たるか分からないのでどきどきしながら授業を受けています。

― 住宅と室内デザイン:講義名は室内デザインですが、都市デザインについても学びます。班に分かれて発表があるのですが、私たちの班は「再開発地域のデザイン面での問題点」というテーマで準備をしています。10月3日には実際に海雲台にある再開発予定地区に行き、フィールドワークを行いました。班員は全員韓国人の学生でしたが、私に対してもしっかり仕事を任せてくれて、有意義な経験になりました。


図2

―装飾具の歴史:今学期唯一の対面授業です。金属工芸を学ぶ授業で、現在は指輪の作成を行っています。とっても楽しいです!

図3 ワックス技法で指輪づくり


― ストーリーテリング民法:主に不動産に関する民法について学ぶ授業です。中間試験の時期までは物権について勉強しています。知らない単語がよく出てきますが、将来この授業で得た知識が役に立つと信じて頑張っています。

― 就業実戦戦略:韓国の就職活動の動向や準備の仕方について学べる授業です。実際に職務分析や自己紹介書などを作成しながら、就活の準備ができる授業です。

― デジタル時代の映像と文化:カメラや映画の歴史や構造、アナログ時代とデジタル時代の変化について学ぶ授業です。意外と哲学的な内容で面白いです。

中間考査(10月18日~23日)

 今回、試験があるのは2科目なので試験勉強はそこまで多くなかったのですが、試験前日にTOPIKの試験があったので中間試験の勉強とTOPIKの試験勉強を並行して行うこととなり、かなり大変でした。学校の図書館が集中できるのですが、試験期間は朝8時前に行かなければ席は取れません。Clickerというアプリを使って図書館の席を予約し、10分以内に図書館のWi-Fiをつかまなければ自動的にキャンセルされる仕組みです。熾烈な席取り戦争のために試験2週間前から毎日早起きしていました。

社会統合プログラム

 9月25日から毎週水曜日19時~23時、土曜日9時~13時に社会統合プログラムという韓国政府が行っている外国人早期適応プログラムの授業を受けています。このプログラムは70時間の授業を聞き、試験を受け合格をすればのちに就業ビザ、結婚移民、永住権など様々なビザ取得に役立つというものです。学習内容は韓国の社会や文化、歴史についてです。大学の授業と比べて進度がそこまで早くないので、のんびり授業を聞いています。将来のビザ取得に向けて受講し始めましたが、韓国人の友達も知らない豆知識も学べて楽しいです!


図5 社会統合プログラム 教科書


ワクチン接種1次、2次

 9,10月でワクチンを2次まで打ち終わりました。コロナにはもううんざりですが、外国でワクチンを打つという貴重な経験をできたのは良かったです。

― 1次
 事前に予約をしていた日に文化センターに行き、ワクチンを接種しました。人がかなり多かったように見えましたが、スムーズな誘導のおかげで無駄な時間なく接種が終わりました。会場に着くと何人ものスタッフが案内をしてくれ、小さなスペースで医師からの診察と説明(飲酒、運動等控えるよう)が終わるとすぐに接種コーナーに移動しワクチンを打つという流れ作業でした。


図6 文化センター

― 2次
 1次を予約すると自動で2次の接種日も決まるのですが、中間テストと被ってしまったため私は残余ワクチンを予約し2次を打ちました。残余ワクチンとは、キャンセルなどで余ってしまったワクチンの消費期限が切れる前に使うシステムで、ワクチンが余るとカカオトークにお知らせが来ます。お知らせが来た1分以内に予約をしないと逃すほど競争率は高いのですが、何とかゲットし大学近くの病院で接種しました。

 韓国ではCOOVというアプリでワクチン接種の証明ができます。今はあまり見たことが無いですが、もしワクチン接種者のみ入れる場所があれば、このアプリのQRコードをスキャンして入場することになります。
韓国はこれまでソーシャルディスタンスとして一度に集まって食事などをする人数を4人までに定めていましたが、ワクチンを2次まで打っている人同士だと8人まで集まれるようになりました。


図7


ITT受験

 9月25日にITT(国際通翻訳資格)の日韓ビジネス翻訳3級の試験を受けてきました。留学に来て翻訳に興味を持ち始め、勉強を始めてから約2か月で合格しました。次回は1,2級の合格を目指してこれからも頑張りたいと思いました。
釜山大学校は国際通翻訳資格の担当校となっており、英語の授業は申請をすれば無料で受けられます。大学が大きい分、このような便利なシステムもたくさんあるので積極的に活用しようと思いました。

休日の過ごし方

― アミ洞碑石文化村
 釜山のチャガルチ市場の近くにある碑石村に行ってきました。日本の植民地時代に日本人のお墓を集め、アミ洞に日本人共同墓地を作ったのですが、朝鮮戦争が休戦したのちに避難民たちが国家から指示をされてこのアミ洞に住むことになったそうです。当時戦後直後で貧しかった人々が墓地の上に団地を作ったのがこの碑石村のはじまりです。この碑石村を知り、気になったので授業の合間に一人で行ってきました。


図8 アミ洞

図9 アミ洞の碑石碑

―チュソク連休
 韓国には旧暦のお盆「秋夕(チュソク)」があり、今年は土日とつながって5連休でした。せっかくなのでチュソクに食べるお餅「ソンピョン」を買いに、市場に行ってきました。


図10 ソンピョン

 釜山大学校の近くにある迷路市場に行き、ソンピョンを買いました。ソンピョンは松の葉で蒸したお餅です。独特の味がしておいしいです。


図11 天ぷら

 これはチュソクのときにお供えする天ぷらのようなもの(ティギム 튀김)です。韓国は名節があるたびにチャレッサン(お供え物)を準備します。もともとは各家庭で天ぷらやチヂミ、果物などたくさんの食べ物を準備しますが、最近ではそれが女性の大きな負担になるため市場や飲食店で注文するのが主流になっているそうです。


図12 台湾の友人

最後に

 留学生活も残り少なくなってきました。寂しい気持ちよりは、したいことを全部し尽して帰れるかという焦りが大きいです。残りの数か月はボランティアや資格取得、校外活動に積極的に参加し同年代以外の人との交流を増やしたいと考えています。1日も無駄にするような日が無いように計画を立ててしっかり努力したいです。


図13 運転手専用食堂