釜山大学校 国際文化学科3年 松井乙未 <3号 2020年7~8月>

 韓国ではひと足先に夏休みが終わり、2学期が始まりました。今年の韓国の夏は新型コロナウイルス、梅雨、台風で大変でしたが、夏休みから通い始めた日韓交流会のおかげで友達もたくさんでき、有意義な夏休みを過ごすことができました。今回は学校のことだけでなく、夏休みの活動もたくさん紹介していこうと思います。

成績発表

 1学期の成績は7月中旬に発表されました。ポータルサイトから成績照会ができるのですが、釜山大では授業評価をしないと成績照会が表示されません。私は授業評価をし忘れていたので照会が遅くなりましたが、時間のあるときに授業評価をしておくと発表後すぐに成績が分かるので事前に評価をしておいたほうがいいと思います。

夏休みと2学期の寮申請

 日本の寮と違って、韓国の寮は学期ごとに申請することができ、長期休暇期間も申請することが可能です。また、1回寮を出たからと言って申請ができないというわけではないので、今の時期のようにオンライン授業の場合だと韓国の学生はよほど遠方から来るわけではなければ実家から通うか寮に住むかを考えてから申請するようです。韓国に行く前に申請したのは1学期分の寮申請だけだったので、今回は寮申請を2回しました。

夏休みの寮申請
 夏休みの寮申請は5月後半に行いました。前回の寮申請と違い、대학생활원(大学生活院)という寮全般の情報を掲示しているサイトでオンライン申請で行われ、申請期間が5日間ととても短かったので事前に出たお知らせの内容をしっかり確認して間に合うように調整をしました。書類などを別途提出する必要はなく、約2ヶ月分の寮費+1日2食×週7日の食費で約80万ウォンでした。

2学期の寮申請
 2学期の寮申請は7月の後半に行いました。前回同様대학생활원のサイトで行われると思っていたのですが外国人はサイトから申請ができず、留学生は別で手続きを踏む必要があったとのことで一次申請を逃してしまい、追加申請で申請しました。留学生は1学期の寮申請と同じ手続きをしなければならず、結核診断書ももう一度提出する必要があったため韓国の病院を探すのに手間取りましたが、ルームメイトが長期の留学生なのもあってX線検査を受けられる病院を教えてくれたのでとても助かりました。普段はどこの病院でも検査を受けられるそうですが、新型コロナウイルスの影響で検査を行っている病院が少ないそうです。

【参考】X線検査を受けられる病院
 대한산업보건협회부산의원という保健所で検査を受けることができます。범어사(梵魚寺)駅で降りて3分程度のところにあり、午前は8時30分から11時まで、午後は13時から16時まで検査を受けられます。ただし、15時50分に受付が締め切られるのでギリギリに行くと受付ができない場合があります。医療機関としては小さめですが、14時ごろに訪問すると検査を受けに来た人でいっぱいなので15時ごろに行くことをおすすめします。私は14時過ぎに行ったのですが、人が多くて受付をするまでに30分近く待たされました。診断書は次の日の14時以降に受け取ることが可能です。


近くに有名な梵魚寺もあるので、友達と一緒に行って帰りに寄るのもいいと思います

 寮費は1日2食×週7日の食費を合わせて約140万ウォンでした。今回の振り込みは1学期のときの振り込みとは異なり、個人にそれぞれ割り当てられた振込用口座に一括で振り込む必要があります。私は銀行を開設したときに1日の送金限度額を100万ウォンまでに設定していたので送金ができませんでした。そのため、銀行の窓口で送金してもらいましたが、手数料が3000ウォンかかってしまいました。口座を開設するときは送金限度額を最大で200万ウォンまでにしておくとネットバンキングで送金できるのでおすすめです!

隔離中に発生する寮費
 2学期から韓国に入国する留学生は、2週間の隔離の際に別途寮費を支払うことになったことを釜山大からのメールで知りました。2週間隔離を受ける必要がある場合は、入国前に海外送金で寮費を送る必要があるそうです。私は一時帰国をしていないので夏休み中の隔離がどのようなものだったかをお伝えすることはできませんが、留学体験談1号にて隔離を受けた当時の様子を記録しているので参考程度に見てもらえると嬉しいです。

2学期の授業について

 8月の上旬までは、2学期は遠隔と対面授業で行われると発表されていましたが、首都圏で新型コロナウイルスが再流行したことにより、ほとんどの授業が遠隔へと変わってしまいました。私も対面授業を多く予定していたのですが、そのほとんどが遠隔授業になってしまいショックでした。しかし、今学期は対面授業を受けること以外にも韓国人学生に混じって授業を聞くことを目標にしており、現段階ではなんとか韓国人学生に混じって授業を聞くことができています。

希望科目入力と自動申請機能について
 1学期の履修登録時には知らなかったのですが、釜山大の履修登録には履修登録の数日前に희만과목담기(履修希望の科目を入力する期間)と자동신청(自動申請機能)があります。希望科目の入力は、事前に入力しておくことで履修登録時に登録ボタンをクリックするだけで履修ができます。事前入力をせずに登録をする場合は、授業のIDナンバーと분반と呼ばれる時間帯を入力する必要があるので非常に手間がかかりますが、事前入力をしておくことで成功率が上がります(もちろん失敗することもあります)。自動申請機能は、希望科目入力の期間にその授業を事前入力した人数が授業の定員に満たなかった場合、希望すれば自動的に申請ができる機能のことです。私は今回、5つの授業を履修しているのですが、そのうちの2つの授業を自動申請で登録しました。

履修している授業
①일본어사(日本語史)
日語日文学科の専攻授業です。日本語の歴史に学んでいく授業です。授業中はすべて韓国語ですが、渡される資料は全て日本語なので韓国人の学生は翻訳してから授業を聞いていると思うので心の中で毎回すごいと思っています...。

②일본어회화Ⅱ(日本語会話Ⅱ)
この授業も日語日文学科の専攻授業です。事前に配られた資料をもとにディスカッションする授業で、全て日本語で行われます。担当の先生も日本人です。日本人が日本語の授業に入るというカオスな状況ですが、きれいな日本語を使いたくて履修しました。

③유학생을위한교양한국어(留学生のための教養韓国語)
今学期唯一の留学生専用の授業です。初〜中級向けですが、上級の学生もいます。授業で使われる表現を学んでいきます。1学期でも受けられる授業なので、留学に来て不安がある人は履修してみるといいと思います。

④젠더,섹슈얼리티그리고인권(ジェンダー・セクシュアリティそして人権)
LGBT、フェミニズムなどの人権に関する授業です。人権の歴史から学んでいき、最終的にはグループ発表もする予定です。遠隔授業と密陽キャンパスでの授業の2つを選ぶことができます。

⑤한국의명시와명곡(韓国の詩と名曲)
韓国の詩と曲について学んでいきます。現代の詩や曲ではなく、50〜100年ほど前の詩などを解説し、歴史的背景を見ていくものです。

 前回の履修登録の失敗を生かして、今回は絶対に成功させようと事前入力などの準備をしてきましたが、当日にサイトに繋がらず聞きたかった授業の半分は失敗してしまいました。例年であれば定員を増やしてくれるそうですが、新型コロナウイルスの影響で対面授業は20人までが限界だったそうです。そのため競争率が2倍近くになっており、私が失敗してしまうのも無理はなかったと思っています。留学生活で1回は履修登録に成功したかったですが、どちらも失敗してしまったのは少し残念なところです...。


オリエンテーションで一度だけ学校に行くことができました!

夏休み中の活動

 今年の韓国の夏は台風や大雨など、自然災害に見舞われることが多かったですが、そんな中でもできるだけ活動をたくさんするように意識しながら夏休みを過ごしました。

ハンドメイドのバザーでショッピング
 ヘウンデにある展示会場BEXCO(ベクスコ)にて行われたK-ILLUSTRATION FAIR BUSANに行ってきました。ハンドメイド作品や自作のステッカーなどを販売するバザーなのですが、100以上のショップがお店をかまえていました。最近は소품샵という主にステッカーやポストカード、キーホルダーなどのハンドメイド作品を販売するお店が韓国で流行っていて、若い女性を中心に人気です。私がよく通っているお店も出店していました。


福元さんと西さんに紹介してもらった慶南大の友達と行きました!

2018年県大留学組とおでかけ
 私が1年のときに県大に交換留学生として来たキム・ヨンジュさん、ノ・ジウォンさんと馬山で再会しました。キムさんとは約1年半ぶりに会ったのですが変わらず元気そうでした!前回馬山に行ったときは大学の前を通らなかったので見られなかったのですが、1年半ぶりに慶南大のキャンパスを眺めることができました。慶南大は私が初めて韓国に行ったときの思い出の場所なので何回見ても語学研修のときのことを思い出します。今まで何回も日本で出会った友人と韓国で再会してきましたが、再開するたびに地球って狭いなと不思議な気持ちになります...。


7月の中旬に会ったのですが、韓国は日本と同じでちょうど梅雨の時期でした

日韓交流会に通うようになる
 新型コロナウイルスの影響で、1学期は学校に行けず釜山大でできた韓国人の友人はバディーしかいませんでした。そのため韓国語の授業で仲良くなった留学生の友達といつも過ごしていましたが、ほとんどが帰国してしまいどうしようか焦っていたところに日韓交流会の存在を知りました。유니원(ユニワン)という交流会で、毎週金曜日の19時からカフェで交流ができます。毎回10〜20人ほど集まるのですが、今は日本人がほとんどいないので韓国人の友達がたくさんできます(もちろん日本人の友達もできます!)。20代が中心で、日本語はできないけど日本に興味がある人、日本に留学したことのある人・留学している人や就活を日本でしようと考えている人など、様々な立場の人と関わることができます。交流会で仲良くなれば個別で予定を立ててご飯を食べに行ったり遊びに行ったりもできるのでぜひ参加してみてください。
instagram: https://www.instagram.com/busan_uni1/


日韓交流会でできた友達の一部です!もっと早く交流会を知っておけばよかったと友達ができるたびに後悔してます...

西さんと蔚山旅行
 8月15日には、慶南大学校に留学中の西さんと蔚山に日帰りで旅行に行きました。光復節の日でもあったため、デモなどの不安もありつつ行きましたが、新型コロナウイルスの影響もあってかデモ等は目にしませんでした。この日はちょうど梅雨が明けて本格的に夏が始まったからか、その日の気温が36度でとても暑く常に飲み物を持っていないと倒れそうなぐらいでした。ちなみに、韓国では大邱が最も暑い地域なので大邱のことを「대프리카(デプリカ、大邱+1年中暑いアフリカを合わせた造語)」と呼ぶこともあるそうです。蔚山は海の周辺に観光スポットがあるのですが、今回はカフェやショッピングモールがある삼산동(サムサンドン)を中心にまわりました。울산대공원(蔚山大公園)では大自然に囲まれながら写真を撮ったり近況を話し、롯데백화점(ロッテ百貨店)の屋上にある観覧車に乗って蔚山を一望しました。次回は1泊2日で海の周辺の観光スポットに行ってみようと思います。


左が蔚山大公園、右は観覧車のなかで撮りました。道を歩いているときにハングルを見たらどうしても写真を撮ってしまいます(笑)

福元さんとソウル旅行
 8月16〜18日には、同じく慶南大学校に留学中の福元さんと2泊3日のソウル旅行に行きました。ちょうどソウルで新型コロナウイルスが再流行しはじめた時期でしたが、人の多い場所を避けたり、飲食店以外では室内でもマスクをする、帰ってきたら必ず手を洗うことを意識しました。ソウルは感染者が毎日のように出ていたのでソウルの人はマスクをしていると思っていたのですが、意外にも外でマスクをきちんと着けていない人が何人かいました。暑かったり息苦しいのは理解できるけれど、一人ひとりの意識や少しの我慢で感染は防げるものなので予防対策は徹底した方が良いと感じました。  今回は若者の街である弘大を中心に観光しました。最近は手作り体験工房が流行っていて、指輪やドローイング、香水、エコバッグ作りなどのお店が至るところにオープンしています。たまたま通りかかった所に香水作りの工房があったので、旅行の記念に福元さんは香水、私はディフューザーを作りました。香水を作るというと、オリジナルの香りを作るというイメージがありますが、韓国では高級ブランドの香水と似た香りを調合してお得に好きな香りの香水を買うという人もいるそうです。今までは旅行というとショッピングをすることばかり考えていましたが、最近は体験型のお店も増えているのでものを作ることで楽しさを見出すことを知ることができてよかったです。
Instagram: https://www.instagram.com/121lemaldupays/


瓶、ラベル、刻印も自由にできます。ディフューザーは刻印に追加料金がかかりますが、サービスで無料でさせてもらいました!彫ってもらう言葉を考えるのに5分近くかかりました...

80年代の韓国を体験
 夏休みの最終日には、交流会でできた韓国人の友達に80年代の韓国を体験できる展示館「추억보물섬(思い出宝島)」に連れて行ってもらいました。韓国ドラマで有名な「応答せよ」シリーズの時代である80年代後半〜90年代に実際に使われていた物が展示されています。展示館では、通常展示品に触ることができませんが、ここではほとんどの展示品を触ることができ、さらに館内では昔の制服を無料で着ることができ、写真を撮ることもできます。最近の韓国ではレトロも再流行しつつあるので、トレンドをおさえつつ30〜40年前の韓国を知りたい人におすすめです。


「応答せよ1994」によく出てくるポケベルを使って写真を撮ってもらいました。ポケベルは韓国語で삐삐(ピッピ)です

おわりに

 留学生活が本格的に楽しくなり始めたところで、留学生活が残り3ヶ月となってしまいました。友達をたくさん作れたことで今年の夏休みは笑って過ごせた時間が多かったと思います。2学期が始まりましたが、今学期は勉強はもちろんのこと、さらに多くの活動をしていきたいです。