ナバラ州立大学 国際文化学科3年 松村大河<1号 2024年9月~10月>

はじめに

ナバラ州立大学に留学してから2カ月が経過し、こちらでの暮らしにも少しずつ慣れてきました。私はこれまでに渡航経験が無く、今回の留学が人生で初めての海外渡航です。そんな私が今回どのようにスペインで過ごしているのかを、ここ2カ月を振り返りながら皆さんに紹介したいと思います。

出国するまで

はじめにスペインに留学するまでの準備について紹介します。まず留学することが決まったら、ビザ申請に必要な書類(経済証明書、健康診断書、パスポート、犯罪歴証明書など)を用意しなければいけません。健康診断書は近くの内科へ事前に連絡を取ってから行くとよいです。犯罪歴証明書は住民票に記載の警察署でもらえます。必ず事前に予約を取ってから、指定された時間に行きましょう。これらの準備はなるべく早めにしておいた方が、後で焦らずに済むので余裕をもって準備するとよいです。

ビザ申請に必要な書類が揃ったら、ビザ申請のため東京のスペイン大使館へ行きます。スペイン大使館でのビザ申請は午前中(9時30分~12時30分)の間しか行っていません。私は申請が始まる朝9時半にそこへ着いたのですが、その時間でも長い列ができていたので、早めに申請に行くことをお勧めします。また、スペイン大使館は土日祝は空いていないので気を付けましょう。これまで留学ビザは申請も受け取りも東京へ行かなければいけなかったのですが、大使館の人に話を聞いてみると申請も受け取りも郵送で行えるそうなので、受け取りは郵送にしました。しかし、申請から受け取りまでだいたい約8週間と聞いていたのですが、それ以上の時間がかかり、私の場合出発予定日の10日前にぎりぎりで届いたのでとても焦りました。そのためお金はかかりますが、申請も受け取りも大使館で行うのが確実だと思います。

到着してから

私は同じ大学の友人とポーランド航空を利用しました。東京からワルシャワを経由してマドリッドまで約18時間のとても長いフライトでした。はじめての時差ボケを楽しみにしていましたが、フライト中ぐっすり寝ていたためか初めての時差ボケを感じることはできませんでした。到着してからすぐにSIMカードを入れ替えて、携帯を使えるようにしました。そこの店員さんはスペイン語がうまく話せない私たちに、英語で根気よく説明してくれてとても優しく対応してくれました。

はじめてのシェアハウス

到着してから2週間ナバラ州立大学近くのホテルに滞在し、その間にアプリを使って住む家を探し、見つけることができました。私は今同じ大学の友達とハイチ、モロッコ出身の男性と4人でシェアハウスをしています。はじめは深夜の電話をするときの声が大きくて、気持ちよく寝られずに我慢していましたが、一度もう少し小さい声で電話をするようにお願いするとそれからそのようなことは起きなくなりました。思ったことは我慢していてはストレスがたまるばかりなので、はっきりと言って話し合うことがとても大切だと思いました。今ではお菓子を作って一緒に食べたり、コーヒーをふるまったりなどしてルームメイトととても楽しい時間を過ごすことができています。

授業

私は英語で行われるINTEGRATED CONTENTS AND FOREIGN LANGUAGE LEARNING (ENGLISH)という英語教育に関する授業と、留学生のためのスペイン語の授業2つ、3つの授業を履修しました。英語の授業では5~6歳の生徒向けにICTツールを使った、英語の授業計画を立てるプロジェクトを進めています。グループで話し合い、5~6歳の生徒に合った授業をみんなで模索しながらプロジェクトを進めていきます。その授業では私を含めて3人以外はすべてその大学のスペイン人の学生なのでとても緊張していたのですが、先生や周りの学生が気にかけてくれて苦戦しながらもなんとか授業についていくことができています。驚いたことにスペインでは3~4歳から英語教育が始まります。日本では小学3~4年生から英語の授業が行われるので、ここに日本と海外との英語力の大きな違いがあるのだなと感心しました。たまに授業終わりにカフェに誘ってもらったりして、今ではみんなと良い関係を築くことができています。スペイン語の授業では、スペイン語を第2言語もしくは第3言語として学ぶ留学生がほとんどで、スペイン語を使って自己紹介したり、プレゼンテーションを行ったりしてより実践的な言語学習ができています。定期的にテストもあるのでそれに向けて、毎日スペイン語のポッドキャストを聞いたり、アプリを使って勉強したりしています。

日々の生活

私は授業を多くとっていないので、比較的時間に余裕をもって毎日過ごせています。スペインにはあちこちにカフェがあり、そこでは毎日多くの人がカフェで会話を楽しんだり、本を読んだりして過ごしています。わたしはこの文化が特に大好きです。日本では休日におしゃれな場所でランチをしたいときにカフェを利用しているイメージで、頻繁にカフェに寄ることはありません。しかしここではカフェで過ごす時間が人々の日常の一部として溶け込んでいて、カフェで会話を楽しむのが生活の一部になっています。コーヒーは日本にいたときから好きだったのですが、こっちに来てもっと好きになり、今ではコーヒー豆を買って毎朝コーヒーを飲む時間を楽しんでいます。

また休日には友だちとバル(Bar)に行ってピンチョスを食べたり、パデルというテニスに似たスポーツをしたりして充実しています。基本的に友達とは英語でコミュニケーションをとっていて、私の拙い英語を理解しようとしてくれるのでとても感謝しています。

公園でコーヒーを楽しむ様子
公園でコーヒーを楽しむ様子

旅行

HAPPY ERASMUSという留学生のためのグループがあり、そこに参加すると定期的に旅行先の日程が張り出され、自分の興味のある観光地へ旅行することができます。大型バスを使ってグループで行くので、個人で行くよりも比較的安い旅費で観光地を楽しむことができます。私はそれを使ってこの2カ月で6か所ほどの観光地を満喫しました。またそれとは別に、ここでできた友だちと2泊3日のフランス旅行にも行きました。フランスまではそれほど遠くはないので、バスを使って国境を越えることができます。EUには国境はあってもパスポートなしで自由に行き来することができるので、これはEUでしかできない特権だと思います。

まだまだ私の英語もスペイン語も未熟なので、これからもっといろんな人との会話を楽しめるように日々の勉強を継続していきます。

夕方のSan Sebastian
夕方のSan Sebastian
フランス旅行in Bordeaux
フランス旅行in Bordeaux