ナバラ州立大学 国際文化学科4年 佐守薫乃<2号 2022年11月~12月>

 留学生活も4か月が過ぎ、冬休みになりました。山口の冬と比べると少し暖かく、スペインに来てからは一度も雪を見ていません。日中歩いていると暑くなって、ネックウォーマーを外すことが多いほどで、とても過ごしやすい環境です。日本ほど寒くはないものの雨が降ることが多く、雨傘が必需品となっています。

履修授業および期末試験

 最初に、前期の授業の期末試験(12月はじめ~12月20日ぐらいまで)についてです。私は英語、スペイン文化およびスペイン語を履修しました。スペイン文化の授業は、学習したテーマに関して、プレゼンテーションをするという課題でした。例えば、スペインのお祭りや偉人についての動画や、料理を実際につくって紹介する動画などを作成し、授業で発表しました。また、授業の中でナバラ州の名産品であるパチャランというスピノザスモモを使ったリキュールを飲みました。日本では授業中にお酒を飲むことは、あまり聞いたことがないのでとても驚きました。試飲させてもらいましたが、甘くてアルコール度数の高いお酒でした。
 さらに、テスト前の課外授業では、バスに乗ってlacturaleという乳製品の製造会社の見学に行きました。この会社は、パンプローナやサン・セバスティアンなどのスペイン北部に拠点があり、私もスーパーマーケットなどでこの会社の乳製品を多く見かけました。牧場には、牛や羊がたくさんいました。牛は人がいる方に近づいてきて、とても人馴れしていました。説明と見学を終えた後、できたてのヨーグルトを頂きました。このヨーグルトの特徴は、そのままだと固形ですが、振ると液体状になり飲むヨーグルトのようになり、滑らかで口に入れるとすぐに溶け、新鮮さが感じられておいしかったです。このように机上の学習だけではなく、課外学習もあり、楽しみながら受講しました。
 スペイン文化の期末試験としては、地理や政治などの分野の択一問題と記述問題でした。内容が専門的なこともあり、設問を読解することでさえも難しいものでした。 スペイン語の期末試験は、二人一組であるテーマについて話したり、写真について説明したりするというものでした。DELE (Diplomas de Español como Lengua Extranjeraの略で、「外国語としてのスペイン語」の能力を証明するものです。世界で通用する唯一の認定スペイン語試験)の試験内容に沿った内容だそうです。

パチャランの写真
パチャラン(スピノザスモモを使ったリキュール)
Lacturaleでの写真
Lacturaleでの写真
Lacturaleでの写真
Lacturaleでの写真

Lacturaleでの写真

郵便事情

 次に、日本からの国際郵便についてお話したいと思います。EMS国際eパケットを利用して、日本の家族から、食品等を送ってもらいました。無事に届くのか不安でしたが何事もなく受け取ることができました。ただし、住所ではなく、郵便局での受け取りが必要で、スペインの郵便局のサイトで受け取り場所を調べました。受け取りの際には現金、メールアドレス、外国人証明書が必要でした。支払う金額は、種類毎の関税によって違うようです。一人で不安な部分もありましたが、意外と簡単に窓口の方とやり取りができました。以前よりもスペイン語を話すことに慣れて、簡単なフレーズならすぐに言えるようになっていることに驚きました。

食事会

 地域のコミュニティのイベントの一環で昼食会に参加しました。参加者の方々はとても優しく、メニューがわからなくて戸惑っていた私に試食させてくれました。どれもとても美味しかったのですが、その中から私が注文したのは、セピア(Sepia)という名前の料理で、日本ではコウイカや紋甲イカを指すようです。結構大きく、これだけでおなかがいっぱいになるほどでした。噛み応えもあり、あっさりとした味でした。
 また、途中でパンが運ばれてきたのですが皆口にすると、そのままテーブルの上に食べかけのパンを直接置いていて、驚きました。参加者に聞いてみると、テーブルマナーの一種でパンのお皿がない時にはそのように置くそうです。デザートにチョコレートケーキやチーズケーキ、パンチネータ(Pantxineta)というバスクの伝統的なお菓子を頂きました。おいしくて新鮮な味わいでした。いろいろな所に行って、スペインの美食をもっと堪能したいと思います。

セピアの写真
Sepia
チョコレートケーキの写真"
Chocolate Cake

振り返り

 留学した当初は慣れるのに必死でしたが、最近は日本との違いを見つけてスペインでの生活を楽しむことができるようになりました。また、郵便窓口でもやり取りができるようになりましたが、今後はもっと自分に自信をもって、スペイン国内だけではなく、ヨーロッパも旅するつもりです。
 今までの自分を省みて、今後はもっと外に出て積極的に行動しようと考えています。この4か月間は、うまく自分の伝えたいことを伝えられず塞ぎ込んでしまったり、もっとこうするべきだったのではないかと後悔したりする場面も多々ありました。けれどもそのたびに誰かに助けられ、立ち直ることができました。留学時間が限られる中で、自分に何が必要なのか、達成するにはどういったことをすべきか、焦る気持ちもありますが、視野を広く持って、現地の人々とのコミュニケーションや、生活自体を楽しむことができるようになりたいと感じています。