ナバラ州立大学 国際文化学科3年 進美月 <4号 2022年3月~4月>

 新生活が始まり早一ヶ月、大分慣れてきたかと思いますが、皆さんいかがお過ごしでしょうか。私の方は、今回4回目となるスペインからの定期報告を書かせてもらっています。スペインでの留学生活も8ヶ月が経過し、この定期報告も残すところあと2回になりました。先日3回目の定期報告を書いたと思ったら、もう今回ですからね。本当に時が経つのは早いですね。さて、今回のテーマですが、授業内容と定期試験、留学中の料理事情について書いていこうと思います。

Pamplona市内の写真
図1 Pamplona市内

後期の授業内容

 前回の定期報告で、大学では留学生向けの観光の授業とスペイン語の授業、語学学校の方は、スペイン語の授業を受けていると書きました。しかし、後期が始まってしばらくしてから、追加で語学学校の英語の授業にも通い始めたので、今は計4つの授業を受けています。

緑に包まれた大学構内の写真
図2 緑に包まれた大学構内
 初めに、この英語の授業についてです。スペイン語同様レベル分けされており、B1,C1,C2の計3つクラスがありました。私は、C1レベルなのですが、一般英語のクラスがなかったため、Cambridge examの対策クラスを選択しました。試験対策のクラスでもあり、複雑な文法を中心にWriting, Reading, Listening, Speakingの4技能を学ぶことができるので満足しています。授業のレベルについては、このクラスは本来9月から受けている学生がほとんどなので、それだけレベルも進んでいたこともあり、大学で受けていた英語の授業よりはるかに難しいです。前半は教科書で学んでいたのですが、4月に入ってからは基本、実際のCambridge Examの問題を用いて演習のようなものを行っています。気になる方は、ネットで検索してみてください。クラスは、私以外皆スペイン人の幅広い年齢層で構成されていますが、少人数でアットホームな雰囲気なので、気兼ねなく質問することができます。私は、まだ受けたことがないのですが、定期的に模試があるようです。ちなみに試験に合格することが目的なので、宿題は他の教科よりも多いです。
 次に、大学でのスペイン語の授業についてですが、これは前期履修したものと同じで、基本はスペイン語の文法を学ぶのですが、度々プレゼンテーションといった課題があります。前期はテーマ自由のプレゼンだけだったのですが、後期は、スペイン語学に関するポスターを一枚作成しペアでプレゼンするというものでした。他にも、ペアで長文の要約をするという課題もありました。コミュニケーションがテーマになっている授業なので、ペアやグループで取り組む課題が多いです。
 観光のクラスについてですが、このクラスでは、スペイン語を観光面について触れながら学んでいくことが目的なので、観光を題材に基本的な文法も学んでいきます。また、今期は、非常にアクティブな先生が担当しているので、今までに計3回フィールドトリップがありました。その場所も様々で、バスで一時間かかるところにあるOLITEという街やナバラで最も有名な美術館、また市内にある劇場にも行きました。このフィールドトリップはクラスとして行くため、お金を払うことはなく、各所ガイドがつき詳しく学ぶ事ができます。授業内容についても、ホテルなどの宿泊施設や電車などの交通面といった一般的なことが話題になっているので、難しいと感じることはなく、むしろスペインで観光するときに役立ちます。

牛追い祭りの石像の写真
図3 牛追い祭りの石像
OLITE城からの眺めの写真
図4 OLITE城からの眺め

 最後に語学学校でのスペイン語の授業についてですが、この授業では、週一の授業に加え、ポータルに上げられている計6つのユニットを自宅学習として行っていきます。授業も、ユニットも前期の続きをやっていくので、内容は少しだけ難しくなっています。また、授業内でも、基本毎週何らかの発表があるので、アウトプットを中心としたものになっています。大学での授業はやはりインプット中心なので、語学学校での授業を平行して受けることでスペイン語のレベルアップにつながると思います。

定期試験

 毎回のように書いている定期試験についてですが、スペインの大学は、プレゼンといったプロジェクトや定期試験が本当に多いです。試験期間が終わったと思ったら、2~3週間後には次の試験の勉強が始まるので、日々予習と復習をしていないと追いつきません。

授業後の大学の写真
図5 授業後の大学
 後期が始まってこの3ヶ月で、観光のクラスだけでも筆記試験が2回、口述試験が1回、プロジェクトが2回ありました。この筆記試験についてですが、文法問題といった試験ではなく、2つある課題文のうち1つを選択してそれについて~文字以上で書くというものでした。1時間与えられるのですが、文字数が多いので、時間ぎりぎりで書き終わるぐらいでした。口述試験については、先生から一人一人異なる課題文を渡され10分読む時間が与えられた後に、ペアになりそれぞれに課題文について説明、互いに質問するというものでした。内容もレベルも学生に合わせて様々で、片面1枚だけの場合もあれば、両面2枚の場合もありました。先生からかなり難しいと言い渡された通り、両面2枚の気候変動についての新聞記事だったので非常に難しく、正直読み切るのがやっとで説明する内容を構成する時間はありませんでした。対策として、日頃からスペイン語であらゆるジャンルについて話しておくことをお勧めします。
 一方で、大学のスペイン語のクラスの試験についてですが、筆記試験が2回だけありました。授業自体が文法中心なので、試験もまた文法を中心として、ReadingとWriting2~3つで構成されています。これは、普段普通に授業に参加しているだけでも合格できるように設定されているので、内容的には難しくありません。ただ、2回目は1回目の内容も含むといったように徐々に試験範囲が広がっていくので、予習よりも復習が大事になってきます。
 このように試験とプロジェクトが非常に多いのですが、その分成績も分散されているので、一つ一つをしっかり取り組むだけでも単位は取りやすくなります。

留学中の料理事情

 最後に留学中の料理事情について少しだけ書きます。寮での生活、ピソ(シェアハウス)での生活を問わず、スペインでの留学期間中は自炊が基本になると思います。私は、初めのうちは、寮の食堂で夕食をとっていたのですが、やはり旅行に行く際にお金がかかってしまうので、節約のためにも後期は基本3食自炊しています。また、お金の面だけでなく、日本食に近い食事を始めたことで、長年慣れ親しんできた食生活に戻ったせいか体調も崩さなくなりました。

カフェでの朝食の写真
図6 カフェでの朝食

 さて、自炊で作る料理についてなのですが、やはり日本とスペインとでは市場に並ぶ食材は異なっているので、作れる日本食は限られてきます。また、日本で売っている調味料はここパンプローナでは売っていないので、マドリードに行ったときにアジアンスーパーで購入するか、日本から持参するかのどちらかしかありません。ちなみに私は、白だし、粉末だし、コンソメ、みりんは日本から持参しました。特に白だし、コンソメはアジアンスーパーでも売っていなかったので、使いたい方は日本から持って行くことをおすすめします。(スペインには、食べ物は一切郵送できないので、直接荷物に入れて持って行く形になります)
 また、アジアンスーパーでカレー粉やその他調味料を購入して料理しています。お米についてですが、スペインはパエリアがあることから市場でも様々な種類のお米が売られています。しかし日本のように炊飯器はないので、鍋を使って炊く形になります。意外と簡単に炊くことができるので、スペインに留学を考えている方は、日本にいるうちから練習しているとスペインにきても安心だと思います。私は、スペインに来てからやり始めたので、初めのうちは火加減や水の量などについて不安でした。

味噌そぼろの写真
図7 味噌そぼろ

以下は、私がスペインで作った料理の一部です。
・カレー・オムライス・シチュー
・カルボナーラ・その他のパスタ
・肉じゃが・親子丼・雑炊
・ポトフ・味噌汁

 留学中、食生活は体調管理に大きく関係してくるので、留学前から自分が何を食べるのか、どんな料理をするのか意識して準備にとりかかると良いのではないでしょうか。自分が慣れ親しんだ料理や食べ物なども、留学中のストレス解消に繋がるのでおすすめします。今回も長い文章に付き合っていただきありがとうございました。