ナバラ州立大学 国際文化学科2年 進美月 <3号 2022年1月~2月>

 2022年、早くも三月が始まり、暦の上では春がやってきましたね。皆さんは、どのような学年末休暇をお過ごしになっているでしょうか。スペインでは、1ヶ月半の冬休みも終わり、先月から後期が始まりました。今回でこの定期報告も3回目ということで、真新しい情報は少なくなっているかもしれませんが、スペインでの留学生活について少しでも伝えることができたら幸いです。

期末試験後半(1月)

 この内容について定期報告2号で一度書かせて頂きましたが、今回は年をまたいで1月中頃にあったアカデミック科目、Animal Productionの期末試験について書いていこうと思います。私は、前期に4つの授業をとっていましたが、授業においても試験においてもこの科目が一番難しかったです。英語開講の講義ではありましたが、農学部の専門科目だったため、理系のような計算を多々しなければいけないこと、そして何よりその分野での基礎知識がなかったことが非常にきつかったです。しかし、教授が交換留学に理解のある方だったため、試験の際、全問筆記の所を私たち留学生には一部選択問題にするなど考慮してくれることが多かったです。友人達が受けている他の講義でも同じように考慮してくれる教授が多くいたので、大学全体が留学生にとって講義を受けやすい環境を作っているように感じました。

空き時間に教わったスペイン料理
図1 空き時間に教わったスペイン料理

 試験が終わり、数日後には成績も発表されましたが、幸いにも私は不可が無かったため後期開始までの2週間は休暇になりました。再試験の様子についてですが、周りの友人達をみていると、同じような試験をする場合もあれば、別のプロジェクトのようなものを行い確実に単位がもらえるといったものまで様々なものがありました。科目によってはかなりシビアに成績が出されていることもあり、不可をとる生徒も周りに多くいましたが、誰も気にとめることなく再試験に向けて勉強していました。なので、合否を余り気にせず好きな講義に挑戦することができ、試験期間これといってストレスを抱えることもありませんでした。

後期(1月28日~)

 試験も終わり後期開始までの2週間ほどは再び冬期休暇としてゆっくり過ごしながら、後期の準備をしていました。まずは、前期の始まりでもあったように、履修登録をしなければいけないので、大学のポータルと留学生用の掲示板を見ながら講義を決めました。その際、山口県立大学のように時間割は配られないので、自分で一つ一つ調べながら重なっていないことを確認していかなければならず、少し大変でした。しかし、重なっていたとしても講義によっては複数のグループの中から自分で選べるのでその点についてあまり心配はありません。私は、留学生のためのスペイン語の授業と、スペインの観光、また語学学校でやっているスペイン語の授業の3つをとることにしました。初めの二つは、大学が用意している留学生のための授業なので後期が始まる前にオリエンテーションがありレベル分けのテスト等を受ける必要がありました。もう一つの語学学校の授業については、大学とはまた別なので、インターネットもしくは直接オフィスにいって4ヶ月分のお金を払い、申し込みをする必要があります。ちなみに日本のクレジットカードだとセキュリティが高いため、インターネットからの支払いは拒否されることが多く、私も直接オフィスにいって支払いました。 長いと思っていた冬期休暇もすぐに終わり、1月28日から後期が始まりました。最初の授業はどこもオリエンテーションでしたが、2回目から課題もどんどん出てきて、日々スペイン語の翻訳で時間がかなりとられてしまいます。しかし、休みも明け前期よりスペイン語が身についていることを実感しているので非常に充実しています。説明するとしたら、前期は先生の言っていることを理解することに集中していたため、授業内で出される課題にあまり余裕を持って取り組むことはできなかったのですが、半年もスペインで生活をすると基本先生の言っていることは自然と理解できるようになり、自分の意見や考えも伝えることができるようになりました。

講義でのテキスト
図2 講義でのテキスト

旅行・観光

 今回は、今まであまり触れていなかったスペイン国内での旅行について少しだけ紹介します。この2ヶ月間でバルセロナとマドリードへそれぞれ3泊4日で旅行に行きました。スペイン国内では都市間をつなぐ交通網は日本のように便利とは言えず、電車かバスでの移動になるのですが、電車でも4時間、バスになると7時間かけて移動することになります。もちろんバスの方が安いので、私たち留学生は基本バスで移動します。夜行バスが多く出ており、夜中の12時に出て、朝の7時頃にちょうど到着するような形です。中には午前中に出発する便もありはするのですが、ゆっくり休日がとれる今回の場合など午後に着くように向かいます。ホテル等ですが、人数が3人以上であれば、Airbnbを借りてとまる事が多いです。一部屋を借りて人数分で割るので、非常に節約することができ、一晩あたり平均20€で泊まることができます。基本一週間前ぐらいに予約すればいいのですが、今回行ったマドリード、バルセロナといった大都市に行く場合は、早めにとっておかないとやはりどこも予約で埋まってしまうので注意が必要です。

マヨール広場
図3 マヨール広場

 現地での移動手段ですが、バルセロナ・マドリードには観光客用に1日単位もしくは10回単位で地下鉄のチケットを買うことができるので、それを利用し市内を回っています。マドリードは特にですが、街が大きく移動する手段は地下鉄に限られていることもあり非常に便利なので、一日で大半を見て回ることができます。ちなみにマドリードでは、プエルタ・デル・ソルというメイン広場の駅が路線の混じる中心になっているため度々通ることになりますが、キャラクターの着ぐるみを着ている人が毎回何人か歩いており、写真に勝手に入ってきてお金を請求されることがあるので気を付けてください。

カサ・ミラ
図4 カサ・ミラ

 治安についてですが、マドリードは首都ということもあり、警察が24時間パトロールしているので、バルセロナに比べると非常に治安は良い印象を受けました。しかし、やはり100%安全とは言い切れず、地区によっては犯罪が多い場所もありはするので、夜遅くは基本出歩かないこと、人通りが少ないところは避けることが吉ですね。
 どちらも非常に綺麗で説明しがたいほど素敵な都市なのでスペインに来た際はぜひ観光してみてくださいね。

プエルタ・デル・ソル
図5 プエルタ・デル・ソル
パエリア
図6 パエリア

スペインでのコロナ生活

 最後にコロナにかかった時の過ごし方について書こうと思います。実は1月末に私自身がコロナにかかってしまいました。しかしBarやパーティーといった人が集まるような場は避けほとんど外出していなかったので、症状が出始めた時は、私自身全く気がつきませんでした。非常に鼻が痛かったことと高熱がでて動けなかったので3日程自室で休んだ後にコロナの検査をする場所に行き、数時間後にコロナだということが分かりました。その後は、隔離されることなく部屋に7日間待機という形で過ごしました。その間ですが、私の住んでいる寮でもう既に何人かかかっていたようで、フロントに言えば、三食扉の前に運んできてくれるとのことでした。(実は私は、それを知らなかったので部屋にひたすらこもってコロナが治った友人に運んできてもらっていました。)コロナの症状自体はコロナと分かった頃には落ち着きあまり身体的にはきつくなかったのですが、グループラインなどで遠回しに責められることがあり正直精神的に非常にきつかったです。

 日本でもコロナが流行っていることで蔓延防止法も出ているようですので、皆さんも体調に気をつけて日々お過ごしください。もしも、周りにコロナにかかった人が出てしまった時は、責めないであげてくださいね。

カサ・バトリョの中で
図7 カサ・バトリョの中で