ナバラ州立大学 国際文化学科2年 進美月 <1号 2021年9月~10月>

 スペインでの生活が始まり早くも2ヶ月が経ちましたが、周りのサポートもあり充実した楽しい日々を送ることができています。今回は、1回目の定期報告ということで、大学での生活よりも、そこに至るまでを中心に書きました。

出国から現地での生活が始まるまで

 ナバラ州立大学で学び始める交換留学生は、大学が始まる1週間前から大学に隣接している語学センターでのスペイン語の授業を受けることになっています。私たち日本からの留学生も例外ではなかったため、25日から始まる語学センターでの授業に合わせて、20日には日本を出国しました。直行便がなかったため、ドイツのフランクフルト経由でスペインの首都マドリードにあるバラハス国際空港へのフライトでしたが、20日の午前に日本を出国し、スペイン時間で同日の夜10時頃には到着しました。ちなみに入国審査についてですが、経由地のドイツで入国審査を受けEU圏に入ったので、スペインでは一切入国審査はなく、日本国内の移動と同様飛行機を降りたらすぐに荷物をとって出口へ直行でした。しかし、ドイツでの入国審査は名前と学生かという質問にYESと答えただけだったので、ある意味私は、ちゃんとスペインで入国したことになっていたのか非常に不安になりました。そこで、空港の中の案内所や、警察、様々な場所を1時間近く回り尋ね回ったのですが、一人も英語を話せる人はおらず泣きたい気持ちを抑えながら、Google翻訳も使い、ドイツで入国したから大丈夫だったのか確認しました。その後、近くのホテル(Hotel Don Luis)にタクシーで移動しチェックインをしたのですが、ベッドに入る頃にはもう日付が変わっていました。
 翌日、前回の留学(2年前にスペインとイギリスに語学留学)で知り合った友人達とマドリードでゆっくり過ごし、スペインに到着して2日目の8月22日に大学があるパンプローナに到着しました。マドリードからパンプローナには、Renfeと呼ばれる電車よりも少し速い列車で移動したのですが、私は、日本からスーツケースを二つ持ってきていたため、列車内で荷物を置くスペースが無く困りました。(Renfeの荷物置き場が少ないことと、座席の頭上にある荷物置き場に本来置くはずの小さいものを、スーツケース等専用の棚のど真ん中に置いてくる人が結構いることが原因。)私の場合は、駅員さんに頼んだのですが、一回お願いした程度では、いやだと、ほとんど話も聞いてもらえなかったため、近くの乗客に頼み、三人がかりで伝え、動いてもらいました。
 パンプローナに着いてからの宿泊場所ですが、学生寮は9月から契約していたため、それまでの約2週間、ホステルと呼ばれる民宿のような場所に泊まりながら語学センターの授業に通っていました。しかし、事前にお願いすれば、9月に入る前でもお金を払って寮に入ることができたようなので、正直ホテルや、ホステル等に泊まるより、早く寮に入る事をおすすめします。


図1ショッピングセンターで飾られていた折り紙

語学センターでのクラス分け試験と授業

 8月24日には留学生のオリエンテーションがあり、ほとんどの交換留学生とこの日に顔を合わせました。オリエンテーション自体は英語で、丁寧に説明してくれたので、問題なく理解することができました。翌日8月25日から、語学センターでの授業が始まったのですが、午前はクラス分けのためのスペイン語の試験がありました。文法問題100問とwritingの問題があったのですが、私は、半年間何も勉強しておらず、焦りすぎてwritingの問題があることすら忘れて提出してしまいました。そのため、B1からのスタートだったのですが、その中でもいくつかにレベル分けされており、自分に合ったレベルでスペイン語の学習に取り組むことができました。スペインに来る前にDELE(外国語としてのスペイン語検定試験)やスペイン語技能検定といった試験を受け自分のレベルを知っておくと、どんな内容の勉強をするのか目安がつくため、良いかもしれません。授業内容ですが、私のクラスは、全てスペイン語で、先生が何を言っているか正直全く分かりませんでした。しかし、一週間もすれば、耳も慣れてきて大分理解できるようになったので、少々自分より高いレベルのクラスに入ったなと感じても心配いりません。

大学での手続きと講義

 大学は、9月からスタートしたのですが、最初の一週間が本当に忙しく大変でした。日本の大学で言う「履修登録」をしなければいけないのですが、ここは、紙媒体で、かつチューター教授のサインが必要だったので、メールでアポイントメントをとり、研究室にいかなければいけませんでした。私の担当教授は英語が話せたため、すごく気楽に話すことができました。その後、その紙は、インターナショナルオフィス(大学内にある部門の一つで留学生をサポートしてくれます。留学前はここの方と連絡を取り合って準備をしました。)と呼ばれる場所に提出します。また、同時進行でNIEと呼ばれるヨーロッパでの 住民カードのようなものを申請するための書類を準備しました。その際、写真が必要だったのですが、証明書、パスポートサイズの写真を事前にいくつか日本から持って来た方が良いでしょう。


図2 ナバラ州立大学敷地内の並木道、大学のキャンパスに向けて長く続いています

 大学での講義についてですが、私は、現在英語での授業2つ、スペイン語での授業1つをとっています。少ないように思えるかもしれませんが、スペインでは基本全ての講義、一週間に2コマあるため、課題に加え、復習も加えるとかなり勉強しなければついていけません。また、10月の中頃から後半にかけて、中間試験もあったため、今のところ平日は勉強漬けの毎日を送っています。また、大学での講義に加え、別途授業料を払い語学センターのスペイン語を受けているので、毎日何かしらスペイン語の課題をしています。
 コロナについてですが、日本よりもコロナ対策が厳しく、教授によってはマスクをつけていないと単位すら危うくなるほどです。そのおかげか、大学では、コロナに感染するかもといった不安は全く感じられません。


図3 授業でやったプレゼンテーションのスライド作成時

その他

 私は、この2ヶ月学生寮(RESA)に住んでいますが、寮の中に学習スペースがあるので、そこで平日の午後や、土日は勉強しています。また、この寮には、ナバラ州立大学だけでなく、ナバラ大学の学生も一緒に住んでいるため、多くの交換留学生と知り合うことができました。3連休など、少し長い休みがある度に、ERASMUSという交換留学プログラムの会社が企画し、連れて行ってくれる旅行にみんなで参加しています。自分たちで行くより、はるかに安いので、9月10月の2ヶ月間で、バレンシアや、グラナダといったかなり遠いところも含め、5カ所ほど旅行することができました。留学して2ヶ月も経たないうちに私は体調を崩してしまい、先月病院にかかりました。留学前に喘息にかかってしまい、治療を受けて一旦は治ったのですが、それが今回また再発してしまった形でした。日本から薬は少し持ってきていたのですが、生活環境が変わったからなのか、ひどくなる一方で、夜中に緊急で病院に行きました。やはり、医療費は高額でしたが、海外旅行保険で交通費まで支払ってもらうことができたので、非常に助かりました。
 みなさんもコロナに気をつけて充実した日々を送りください。
Gracias por leer. Un buen día!


図4 学生寮で出てくる夕ご飯

図5 セビージャでの夜景(ERASMUSの交換留学生の旅行)