ナバラ州立大学 国際文化学科3年 松尾亜依 <4号 2022年3月~4月>

 5月になりました。スペインでは随分暖かくなり、ジャンパーやコートが要らなくなってきました。また、20日から屋内でもマスク着用の義務がなくなり、外でも中でも人々の素顔が見られるようになってきました。バスなどの公共交通機関内では、みんなマスクをつけていますが、学校の授業などではクラスメイトや先生の表情が見ることができて、新鮮さを感じています。

1:寮の庭から。自然豊かな地域。

最近の暮らし

 今回は最近の暮らしについて書いていこうと思います。日本では最近春休みがあけて次年度前期が始まった頃だと思いますが、スペインでは春休みはなく2月頃(正確には覚えていませんが)から後期の授業が始まります。私は前期にA1レベルの授業を受けていたのですが、Aレベルは修了したものと扱われ、後期はB1レベルの授業を受けています。ただA1とB1の間にはA2というレベルがあります。私はそのレベルに関しては日本の大学での授業を十分に受けていなかったので、少々苦労しています。前期のA1の授業内容としては基礎的なserやestar動詞(英語で言うbe動詞に近いと感じています)の用法や、Me gusta構文(I likeという意味ですがスペイン語では受け身型で表現します)、時間の表現法などでした。現在B1で習っているのは過去形や未来形、indicativoとsubjuntivo(これらは未だ理解しきれていないので私の課題です)などです。スペイン語において、少なくとも過去形には4つほどの使い分けがあります。こちらも私はとても難しいと感じています。ほぼ毎回出される課題と学期内に終わらせる課題に追われる日々です。
 生活面では、後期では午後からの授業をとるようにしたため比較的夜型の生活になっています。昼前頃に起きて、朝ごはんや昼ごはんを食べ、授業を受けるとあっという間に夜になっています。寮の晩ごはんは夜8時半からで、その時間になると寮のカフェテリアで夕食を取っています。夕食のとり方にもPara comer aqui(カフェテリアで食べる)とPara llevar(部屋へ持ち帰り)があり、忙しい日や課題が多い日は持ち帰りを利用しています。そのこともあって、日によって寮の友達と会える日、会えない日があります。

最近の気づき

ある日ふと、りんごジュースが飲みたくなったので買ってみたところ、紙製ストローが使われていました。

2:紙製ストローが採用されたりんごジュース。

 日本でもスターバックスなどで紙ストローが使われているというニュースは耳にしていましたが、このように(上図参照)小さな紙パックで使われているものは初めて見たので感動しました。今までは、先程挙げたスターバックスのようなカフェの提供するドリンクについてくる、口の広いストローしか紙化は不可能なのではないかと考えていたので、この口の狭い紙ストローを見て、技術の進歩を感じました。実際に使ってみた感想としては、丁寧に使う範囲では全く問題がないといったところです。ただ、子供やストローを噛んでしまう癖がある人はつい変形させてしまったり長い間口に含んでしまったりでストローが柔らかくなってしまい、飲む上で支障をきたしてしまうのではないかと感じました。 その点を踏まえた上でも十分利用しやすかったので、日本でも紙ストローが普及するとプラスチック削減につながるのではないかと思います。

 また、他の気付きですが、クラスの友達が自国のものを予めプレゼントとして持ってきていたのを見て「あ、それいいなあ」と思いました。それ自体は安いらしいのですが、それでももらったら嬉しいだろうなあ、と感心しました。もし大事な友達やお世話になった先生ができてなにか自国のものをプレゼントしたくなったときのために、軽めのお土産を予め持っていくのも良い考えだと思いました。

パンプローナの自然

 先日、暖かくなり始めた頃に、外を見ると綿が舞っていました。最初私は花粉かな、という程度の気持ちでいたのですが、よく見てみるとそれは明らかに綿でした。すごい量の綿が舞っていて、窓を開けてしまえば大量に入ってくるだろうと思えるそんな光景でした。見たことのない植物といえばナバラ州立大学のキャンパス内に、中学校あたりで習った「羽付きの種」を落とす木があるなあ、とは思っていましたが、この空に舞う綿を見たときはまさかそんな木があるなんて思っても見ていませんでした。現地の友達に聞いてみたところ、この木は Chopo(日本語でポプラ)と言って、川の近くに生えていることが多いそうです。また日本の綿花と似ていますが、これらは別の植物です。

3:Chopo。街灯より大きい。

 また、植物だけではなく生き物も日本とは違うものばかりです。こちらでは、美しい白と黒の羽を持った下図のような鳥をよく見かけます。この鳥は Urraca(日本語でカササギ)と言い、ナバラ州ではPicarazaとも呼ばれているようです。彼らは日本で言うカラスや雀のように街の至る所にいます。また日本にいるような鳩や雀も時々見かけます。

4:Urraca。近づくとすぐに逃げてしまうが、飛ぶときに広がる尾羽が美しい。

 スペイン留学も終盤に差し掛かってまいりました。これからも健康に気をつけ、のびのびと学習を続けてまいります。