ナバラ州立大学 国際文化学科2年 松尾亜依 <3号 2022年1月~2月>

 時間が過ぎるのは早いもので、もう残り四ヶ月を切って参りました。秋学期も始まり、さらにレベルの上がった授業についていくのに必死になっています。

スペインごはん

 前回はスペインの牛乳について報告しましたが、今回は水について書こうと思います。 スペインの中でもパンプローナの水道水は中軟水と言われ、硬水と軟水の間の水質です。硬水に寄った水は、パスタなどを作るのに向いていると言われています。ただ、軟水である日本の水道水に慣れた私は初めこちらの水道水を飲んだ際口に合わないと感じていました。そのため12月あたりまでずっと軟水のミネラルウォーターを購入していたのですが、私は日常的にかなり水を飲む方で6.25L買って1週間持つかどうか、というレベルでした。もちろん全て飲み水としての利用です。買い物も徒歩やバスを利用していたので重い上容器も大きいので、飲み水を水道水に切り替えました。口には苦味を感じますが飲めない水質ではないためだんだんと慣れ、今は完全に水道水を利用しています。
 ちなみに、私のお気に入りのミネラルウォーターはfont vellaと言うのですが、2Lで0.87€ほどと安価で購入できます。

サッカー

 2月下旬にマドリッドへ旅行し、ドイツ在住の日本人の知人とワンダ・メトロポリターノという会場でサッカー観戦をしました。アトレティコ・マドリードというチームのホーム戦だったようで、会場は赤白一色でした。初めてテレビでなく会場で試合観戦をしたのもあり、会場の熱気を浴びてきました。日本の会場と違うところは、ホーム選手が審判に不利な判定を食らった時に思いっきりブーイングが飛び交うところや、戦況が良いと周りのお構いなしに口笛が飛ぶところだと知人が話していました。選手の腕自体も、世界最高峰の一つであるスペインリーグであることもありとても高いとのことでした。
 パンプローナからマドリードへは五時間半のバスで片道40€ほど、サッカー会場のチケットは30€ほどでした。

1:ワンダ・メトロポリターノの試合後の様子。どこに座ってもよく見える。

畜産について

 秋学期に履修した授業の中にアニマルプロダクションという授業があり、動物(ミツバチ含む)と関わる農業について学んでいました。そこで日本と比べEUが進んでいると感じたのがアニマルウェルフェア(動物愛護、以下AW)の観点です。AWでは、牛や鳥などの家畜動物も野生と変わらない暮らしをする権利が大切にされ、鳥で言うバタリーケージや、豚で言うストール飼いは禁止されています(詳しくはぜひ調べてみてください。少々衝撃的な検索結果になるかもしれませんが、それが現状です)。また、比較的平らで広い土地を活かした放牧が推奨されています。スーパーで見かける卵や肉などの製品パッケージにもどのような飼い方で育てられたかの表示もしてあり、ヨーロッパの人々は家畜動物に対し関心が高い傾向にあります。それに対して日本では先ほど挙げたような飼育法も容認されており、政府も法的拘束力では禁止していない状態です。理由は、日本人がEUのようにAWという観点を知らないもしくは興味がないからです。しかしすべての牧場がAWを無視しているというわけではなく、もちろんAWに留意し放牧を採用した方もいらっしゃいますし、現在AWの基準に沿えていない牧場も施設費(改装費)や人件費など様々な困難を抱えていらっしゃいます。本報告ではAWに関した喚起のようなことはしませんが、そういった学びがあったということを書いておきます。

スペインでの授業

 一つ前で授業について触れたので、授業形態についても記しておこうと思います。スペイン(ナバラ州立大学)での授業は日本のものと同じく講義型で行われます。日本の授業に比べ先生が生徒一人ひとりに寄り添って授業を勧めてくれるイメージがあります。なお、先生にもよりますが授業中は口にするものは水以外NG(お茶も駄目)です。

知人づくり

 また、スペイン語の授業以外にも英語などの授業を取っておくと、スペインの知り合いが作りやすいかもしれません。私は秋学期に英語とアニマルプロダクションの授業を取り、何人かのスペイン人の方と知り合いになれましたが、春学期に入ってからスペイン語の授業しか取っておらず、現地の生徒と知り合う機会が限られました。ここで生活している中で感じたのは、スペインの若い人々は日本人のように友達とまとまって行動し、あまり積極的に知り合いを増やそうとする傾向が見られないことです。そのため、こちらから積極的に話しかけに行くか同じ授業を受けて交流する機会を作らないと大学での知り合いづくりは難しいです。

 3月に入りましたがまだまだパンプローナは肌寒い気候です。これからも体調に気をつけてこちらでの勉強を続けていきたいと思います。

2:サグラダ・ファミリア内の美しいステンドグラス。バルセロナ旅行にて。よく見ると名前があしらわれている。