ナバラ州立大学 国際文化学科2年 松尾亜依 <2号 2021年11月~12月>

 早いもので秋学期が終わりテストの忙しい期間を経て冬休みとなりました。1セミスターの留学生の友人たちは名残惜しくも祖国へ帰ってしまい、すこし寂しいものです。一度雪が降り一面が真っ白になったり、濃霧が発生してほぼ何も見えなくなったりと気候の違いを感じるなどしていました。


1:自室から見える銀世界

ハッピー・エラスムスでの旅行

 秋学期の期間、何度かエラスムスの旅行に参加していました。エラスムスには「ハッピー・エラスムス」という会員制度のようなもの(有料)があり、それに入会していると各地への旅行が安価でできるというものです。私を含め多くの留学生がこの制度を利用していました。私の場合、サン・セバスティアンやバレンシア、ラ・リオハなどを訪れました。
 サン・セバスティアンは海がとてもきれいで、大きなビーチは観光スポットとなっておりたくさんの人で賑わっていました。コロナ禍以前はもっと多くの人がいたそうです。
 また、バレンシアではオセアノグラフィックという世界一大きな水族館へ行きました。まず土地がとんでもなく広く、展示されている動物や魚の生息地によってゾーンが別れているので彼らの自然界での様子が容易に想像できるようになっています。巨大なイルカのプールではみんなでショーを楽しみました。もちろんスペイン語で行われるので理解するのは困難ですが、イルカと飼育員さんたちのコンビネーションを見るだけで潤んでしまうほど感動しました。


2:大きなイルカプール

3:ワニエリア

 ラ・リオハでは、名産のワイン工場を見学しました。ワインを作る機械や、保存する酒樽倉庫、葡萄畑などを見ることができた他、そこで作られる高級ワインのテイスティングまでできました。ただ私はスペインでは飲酒のできる19歳とはいえアルコールを飲み慣れていなかったので、風味を鼻で感じる程度にしました。

はじめての食事

 スペインに来てから初めて口にするものが増え、自身の好き嫌いも大きく変わったと感じています。そんな外国ご飯のなかで、最近気になった牛乳について紹介していきます。
 スペインの牛乳は大きく分けて二種類、そこからさらに三種類に分かれています。最初の二種類が「加熱処理」と「新鮮なもの」です。日本で飲まれる牛乳は後者になると思います。驚いたのが、加熱処理したものは賞味期限が新鮮なものよりもうんと長く、常温保存も可能であることです。ただ、どちらも飲んでみた感想としては、新鮮なほうが美味しいという感じです。次の三種類が脂肪分に関するもので、「無調整」と「低脂肪」、そして「無脂肪」の三種類が存在します。この5つの種類はスペインの殆どのメーカーの牛乳に存在します。私は「無調整」が好きです。ただ、やはり新鮮なもの、無調整の牛乳は比較的金額が高めです。

アクティビティ

 ナバラ州立大学には、学生であれば利用できる格安スポーツ施設があります。そのなかで2,3度ほどプールを利用していました。大きさは日本の50メートルプールとほぼ一緒なのですが、外国なこともあり深さが桁違いでした。私は身長160センチなのですが、なんと端にいても足が届きませんでした。もちろん真ん中に行けば行くほど深くなり、一番深いところは200メートル近かったと記憶しています。私は基礎体力が少ないため最近は行っていませんが、冬場でもプールは温水なので利用自体は抵抗なくできると思います。他にもテニスやサッカー、大きな体育館などの施設が充実していました。
 また、私の寮であるResaにもアクティビティ施設はあります。プレイルームには卓球台やビリヤード、テーブルサッカーの他ダーツやPS4なんかもあります。もちろんダーツ矢や卓球のラケットなど借りることができるので手軽に遊べます。隣にはジムがあり、ランニングマシンやベンチプレス、他にもたくさんの器具がありました。ヨガマットも自由に借りることができます。

病院の受診

 先日、海外旅行保険を利用して病院の受診をした事があったので紹介したいと思います。
ある日体に異常が現れた(詳しくは伏せますが、コロナ等大事には至っていません)ので、病院を受診しようと海外旅行保険の代理店に電話をしました。担当の方とは日本語で会話しましたがとても親切で、体の異常と受診可能な地域について尋ねられた後、メールでのやり取りに切り替えました。日本支部に保険で賄えるか問い合わせてもらい、無事に受診できるとの返事がもらえたので、別の病院予約を委託されている会社に引き継がれました。その会社の担当の方とも最初は電話で、その後はメールでやり取りをしました。ただ、私の現地で購入したSiMの通話先に日本が含まれていなかったため通話の際少々ごたついてしまいました。次に、委託会社から「クリニカ・ウニベルシダ・ナバラ」という病院の紹介があり、交通も不便がなかったので受診の同意をすると、後日、突然病院から電話があり、吃驚しました。ただ英語の喋れる方だったのでなんとか診察日や英語の話せる先生などの希望を伝えることができました。その後連絡のあった日程予約についてのメールの内容とともに委託会社に報告し、キャッシュレス受診の手配をしてもらいました。当日は予約メール(SMSも来ました)に書かれた場所へ行き、スタッフの方にこのあとどこへ行けばいいかたくさん聞いて回りました。皆さん丁寧に易しいスペイン語で案内してくれました。帰るときに財布とイヤホンを忘れてしまうハプニングはありましたが、無事に帰ることができました。
 受診後に保険の請求書の記入があったのですが、20歳未満は保護者の記入が原則必要でした。ですが一人でここへ来ていることもあって難しいということを伝えるとなんとか許可が降りました。もし次に留学する方が同じことにあったとき同じように許可されるかはわかりませんのでご了承ください。

 最近学んだことは、20歳以下で海外留学するときは上記や前号に記したようなちょっとした困難が増えるんだなあといったところです。その分新鮮な体験がたくさん得られているので後悔はしていません。