ナバラ州立大学 国際文化学科2年 松尾亜依 <1号 2021年9月~10月>

事前準備

 スペインへ入国するため、ビザの申請をしに二往復ほど東京へ行きました。その際、何度も確認したにもかかわらず申請後にかかりつけ医の健康診断書が提出されていないことが発覚するトラブルが有りました。ビザ申請は申請者が出頭しなくてはなりませんが、この場合は郵送で良いとのことでした。また、私の場合ビザ申請自体が遅すぎたということもあり、反省としてここに記します。ビザ申請に必要な書類自体がとても多いので注意が必要でした。
 留学のためモデルナ製ワクチンを早期接種させて頂いていました。スペイン入国には接種したという証明であるワクチンパスポート(英字のワクチン接種証明書)が必要でしたが、二回目の副反応がひどく家族に代理で申請・受け取りをお願いしました。

到着

 スペイン到着後の空港ではなかなか英語が通じる人がいませんでした。また、乗り継ぎのフランクフルト空港で入国審査をしたので、マドリッドでは入国検査はありませんでした。ですが、現在コロナ禍のためフランクフルト空港到着前の機内でコロナ対策として名前、滞在先、連絡先などの個人情報を用紙に記入し提出する必要がありました。また、スペインでもその用紙の代わりに独自のアンケートをアプリに記入することで取得できるQRコードが必要だったのですが、私は未成年(当時19歳)であり、法定代理人である家族もパスポートをとっていなかったためQRコードの取得ができませんでした。代わりとして、フランクフルト空港で記入したものと同じものを記入し提出することで入国することができました。
 マドリッドからパンプローナへは、Renfeと呼ばれる電車で移動しました。当時はomioというアプリで予約し、料金は48,15€でした。

滞在

 スペイン到着後二週間ほどは大学付近のホステルで過ごしました。一人一泊20€でした。ホステルに滞在した理由は大学の学生寮が9月から正式に学生を迎えるためです。なお、寮は事前にEメールなどで問い合わせていれば早めの入居も可能です。支払いは月額と一括払いから、部屋は完全個室とキッチンのみ隣室と共有から選ぶことができました。また夕飯やルームサービスなどのオプションを選ぶことができます。私は完全個室・夕飯とWi-Fiプレミアムのオプションで一括を選び、10ヶ月で80万円ほどでした。部屋に備え付けでおいてあるものはベッド、キッチン用品、電子レンジ、衣装ケース、四本のハンガー、ミニ冷蔵庫、部屋用ヒーターです。エアコンはありません。ベッドシーツ、掛け布団、マグカップ、電気ケトル、ドライヤーなどは自分で購入するか持ち込む必要があります。また、コインランドリーがあり、洗濯機、乾燥機それぞれ一回2€で利用することができます。

生活

 生活必需品は付近のスーパーマーケットやラモレアという大型ショッピングモールで購入することができます。
 まず、携帯用のSIMカードです。私は日本で海外へも持っていけるプランのものを事前に契約していましたが、海外の通話・SNSアプリ(WhatsAppなど)が有料になる契約だったためボーダフォンという携帯ショップで月10€で12GBのものを購入しました。毎月店へ通い10€払ってチャージする、というようなシステムです。
 次に、滞在の項目で挙げたような自分で購入するものは、ラモレアの中のプライマークという格安の服やインテリアのショップやエラクラークという大型スーパーで購入しました。ベッド用品やキッチン用品など大きいものは持ち帰りが困難なので近くにあるバス停やタクシーを利用しました。バスはどこまで行っても一回1,35€、バスカード(プリペイド式、SuicaやICOCAのようなシステム)を利用した場合一回0,90€で乗ることができます。

勉学

 ナバラ州立大学で行われたオリエンテーションの翌日、留学生のスペイン語スキルを測るためのスペイン語テストが行われました。文法に関する選択問題と「友達への手紙」がテーマの自由記述問題でした。その後、留学生はみんなレベル別のスペイン語の語学授業を一週間ほど受けました。私はA1クラスで、スペインのアルファベットの読み方や基礎的なスペイン語文法、またスペイン文化も学びました。校外学習も盛り込まれており、サン・フェルミン祭の牛が通るルートやメルカドと呼ばれる大きな市場へ行きました。
 本格的に秋学期が始まってから、スペイン語のA1とA2、英語、そしてエラスムスという留学生支援プログラムから指定された専門から畜産を履修登録しました。私の場合スペイン語の文法面より単語力が足りなかったため、最初の頃は本当に先生の言うことが理解できず苦しみましたが、二ヶ月経った今は以前より理解ができていると思います。その証拠に、スペイン語の先生は、最初の頃は理解できるよう英語を交えてくださっていましたが、今はめったに聞きません。目標であるB1レベルに向けてスペイン語の勉強をがんばれていると実感しています。英語の方は、日本で勉強していた範囲とかぶることもあり理解しやすいです。ただ、私はこちらも単語力がイマイチだったため表現のクラスでは初めて見る単語・用言を多く学んでいます。畜産は、私自身生物(主に動物)に興味があるため履修登録しました。加えて、英語で開講されています。この授業では高レベルな英単語が頻繁に使用されるため正直なところ授業についていくのが非常に困難です。
 最初から困難に躓いていますが、これらを乗り越えてこその経験だと思います。これからも健康に注意し、勉学に励みます。

以下、写真を載せていきます。


1:マドリッドの地下鉄入り口。IC回数券を購入し利用する。

2:自転車等専用レーン。殆どの道にある。

3:パンプローナの山口公園。日本らしいテラスがある。

4:牛追い祭り、牛のスタート地点。

5:入居したばかりの部屋の様子