ナバラ州立大学 国際文化学科3年 原田結衣 <3号 2020年1~2月>

 パンプローナの冬は雨が多く、雪もたまに降ることがあり、とても寒いと聞いていましたが、今年は例年と異なり、2月も快晴が多く一足先に春らしい気候を感じる日が増えました。大学や街にはあまり日本で見かけることがないMagnolias(タイサンボク:モクレン科の植物)の花が咲いているなど、日本との春の景色の違いも興味深いです。


Magnoliasの花。色味がかわいらしいです。

後期の履修について

 およそ1か月間の長かった冬休みも終わり、後期の授業は1月最終週の月曜日から始まりました。今期は前期に引き続き"HABLIDADES COMUNICATIVAS EN ESPAÑOL COMO LENGUA EXTRANJERAⅡ"(スペイン語の授業)に加えて、前期は語学力に自信がなくとっていなかった"LENGUA, CULTURA Y LITERATURA HISPÁNICASⅡ"(スペインや南アメリカ諸国の文化についての授業)と大学の英語の授業を履修しています。
 スペイン語の授業は、前期に比べるとかなりレベルが上がり、文法などをじっくりやるというよりは、とにかく自分の意見を求められるなど話すことを重視しているように感じます。留学生向けのスペイン語の授業は2つしかなく、名目上は前期のレベルのクラスはA1-A2(初心者レベル)、今のクラスがB1-B2(中級から上級)レベルになっていますが、このクラスはおそらくB2レベル以上の学生も多くかなりレベルが高いように感じます。先生もとにかく早口で喋り、話していることもころころと変わるので、理解するのに必死ですが、周りの学生たちに助けてもらいながら頑張っています。
 また、文化の授業はスペインの知らなかった文化や芸術について知ることができ、とても興味深いです。ただこの授業は週2回朝8:00からの授業なので、早起きを頑張らなければなりません。
 また、前期に引き続き、言語センターの英語とスペイン語もとっています。言語センターのスペイン語は前期の続きという感じで、文法中心にじっくり授業が進み、やはり両方とってよかったと感じます。

スペインでの健康面について

 前回の留学報告に書いたように、大みそかに体調を崩した後、私はずっと長いこと日本から持ってきた薬を服用していましたが、咳や鼻水が治りませんでした。しかしこちらの薬を服用するようになってから、風邪がだんだん回復していきました。ホストマザーやこちらにいる日本人が言うには、スペインの風邪は日本の風邪とタイプが違いしぶといらく、日本の薬はあまり効かないそうです。不安はあるとは思いますが、スペインで体調を崩したときは、こちらの薬を使用してみることをおすすめします。
 さらに体調を崩した後から、目の周りと首の一部だけ、常に異常に乾燥と痒みを伴うようになりました。私はスペインに来てから乾燥に悩まされていたので、ただの乾燥によるものだと考え、毎日保湿クリームをたくさん塗布するなどしていましたが、全く治る気配がありませんでした。そして後期が始まって初めて友人に会ってこれらのことを何気なく話すと、「それは絶対おかしい。医者に診てもらったほうがいい!」と言われ、私は大学の専属医のもとへ連れて行かれました。この時初めて知ったのですが、ナバラ州立大学の保健室には専属医が常駐しており、大学の関係者は無料で診察してもらえるようです。そして診察してもらったところ、その医師に「アレルギーによるものかもしれない、明日にでも絶対病院に行ったほうがいい。」と言われ、その日は一時的に軟膏と飲み薬を処方されて、私は翌日病院へ行くことにしました。
 そしてその翌日、私は日本のプライベート保険しかなかったので、病院に行く前にその保険のバルセロナのデスクに電話をして、提携している病院がパンプローナにあるか、どこの病院に行けばいいのかなどを尋ねました。パンプローナには提携病院がなく、任意の病院に行っていいということだったので、私はホストマザーに付き添ってもらい、ホストファミリーのかかりつけの病院へ行きました。その際私は外国人ということで、パスポートと保険の原本が必要でした。そして診察してもらったところ、私は年末の体調不良や寒さ、乾燥、疲れなどいろいろな要因が重なったことにより、アトピーの症状が出ていると医師に伝えられました。日本では全くそのような症状を患ったことがなかったので、本当に驚きました。薬も複数種類のものを処方され、数日はコンタクトもしてはいけないなどと言われ、自分が思っていた以上に事態は深刻だったことを実感しました。処方された薬を使用してからは今までの症状が嘘だったかのように、一日も経たないうちに皮膚が生き返り、翌日にはもとの状態まで回復しました。もっと早く医師に診てもらえばよかったと少し後悔しました。このように、環境が変わることで、どんなに健康体だったとしても、何らかの異変が身体に起こることは十分にあり得ます。万が一何かおかしいと感じたときは、ひどくなる前に早急に誰かに相談することをおすすめします。
 また、私は友人やホストマザーなしでは、おそらく医師の言っていることも確実にすべてはわからなかったうえに、自分の症状を詳細に伝えることもできなかったと思います。スペインでは病院内の仕組みなどにおいても日本と異なる点が多々あり、1人で病院に行くことはなかなかハードルが高いように感じます。病院に行く際は、スペイン語が十分に話せる人に同行してもらう方がいいと思います。かくいう私は、友人が助言してくれなかったら未だに病院にすら行っていなかったと思うので、友人には感謝しかありません。

最後に

 留学生活も残り3か月ということで、この僅かな期間で、自分に何ができるかしっかり毎日考えながら生活していかなければいけないと感じています。また、スペインも徐々に新型コロナウイルス感染者が増えてきているので、体調面も今まで以上にしっかり気を付けようと思います。


ホストファミリーと初めてスペインのライブに行きました。
スペインのライブはお酒片手に見ることができ、また、撮影OKでした。
開始時間は深夜0時からで終わるのは早朝4時でした。途中から眠すぎて記憶があまりありません。


冬休み最終週に再びサラマンカへ行きました。

この時初めてスペインで雪が降ったのを見ました。
とても寒かったです。