はじめに
時の流れとは早いもので、フィンランド生活もあと数日で3ヶ月を迎えようとしています。なかなか日が沈まずに寝ることが出来なかった8月とは打って変わって今では4時前には日が沈み始めるという事実に、フィンランドの3ヶ月の早さを感じます。この号ではこの3ヶ月の出来事を、私が感じたままのリアルな感情と共にお届けしようと思います。

到着まで
この号では9・10月の出来事をメインに報告したいと考えていますが、到着までの出来事は私個人としてみなさんに1番報告しなければいけないと思うほど重要なことが多かったです。アパートの手配や在留許可証の取得、そして飛行機のチケット予約まで、そのどれもが重要なことで、とても気が張っていたのをよく覚えています。初めての海外長期滞在だったこともあり不安が多くある中、自分の手で準備をしたことはとても自信になりました。そしていざ日本を出発し、フィンランド国内での乗り換えの際、飛行機の遅延によって搭乗が出来なくなりそうになった時は本当にどうしようかととても焦りました。グラウンドスタッフの方に拙い英語でなんとか「この飛行機に乗りたいんです!」と一生懸命に伝えたことはいい思い出と自信になりました。このような感じで、ロヴァニエミに着く前から不安とトラブルが多く、これからやっていけるのかなという気持ちでいっぱいでした。しかしロヴァニエミ空港にて前年に私がチューターを担当していた友達と再会した時は、とても嬉しく、ホッとした気持ちになりました。

授業について
ロヴァニエミに到着して1週間ほどでオリエンテーション期間が始まりました。このオリエンテーションは留学生向けのもので、フィンランドでの生活のいろははもちろん、どのような授業があるのかも知ることが出来ました。渡航前からシラバスを見て授業計画を立てていましたが、「この先生の説明面白いから受けてみたい」という授業をオリエンテーションで見つけ、授業計画が大きく変わりました。しかし、この授業計画も実際に授業が始まると大きく変わることになりました。というのも、私が想像していた以上に授業が大変で、全てを履修することが出来なかったからです。私が取った授業の中に、「Oral communication and speech production」という授業がありました。この授業は主に先生になりたい学生向けで、英語のスピーキングに力を入れた授業でした。そのため発音の仕組みを専門用語を使って学んだり、スピーキングとしてたくさんのディスカッションをしたりと、とても難しくレベルの高い授業でした。また周りのレベルが高く日本人は私1人で、1回3時間半の授業が週3日あることがほとんどだったので、周りにも授業にもついて行けずメンタルがとても不安定になりました。しかし授業を一緒に受けていた友達が気にかけてくれて休み時間に話したり、「そんなに気負わなくていいよ」と言ってくれたり、同じく交換留学に来ている林さんのサポートもあって、なんとか無遅刻無欠席でこの授業の単位を取ることが出来ました。しかしこの授業を頑張りすぎて他の授業を諦めることになってしまい、自分の実力不足に泣いた日もありました。でもこの失敗によって自分の現在地の発見と、次の学期こそは計画通り進められるようにもっとアカデミックな英語の実力を伸ばそうという、新たな目標につながったので、とても前向きに捉えています。

授業以外の日常生活
授業がないときは友人と出かけたりパーティーをしたりと楽しく過ごしていました。フィンランドでは大学の学生組合が主催のイベントが多く開催されているので、それらに参加して友達を作ったり、参加証としてのパッチ集めなどをしていました。そして10月は中旬に2週間ほどの秋休みがあったので、友人達とヘルシンキ、エストニア、ラトビアへ旅行に行きました。旅行直後にいくつかのプレゼンと試験を控えていたため、旅行中に準備をすることになりましたがそれでもとても良いリフレッシュになり、最高の思い出になりました。授業を頑張ることも大切だけど、息抜きすることも大切だということを身に持って感じた出来事でした。


円安の影響もあり、外食したり外で遊ぶにはお金がかかるので、家でコーヒーを淹れてゆったりと過ごすという日もありました。フィンランド人の友人イチオシのコーヒーを飲んでいるのですが、さすがコーヒー大国の国民のおすすめです。とても飲みやすくておいしいコーヒーです。

気候について
ここでフィンランドに来て1番驚いたことを紹介します。それは季節の移り変わりのスピードです。到着してすぐの8月は半袖で快適という気温でしたが、今ではもうすっかり冬景色です。太陽は4時前には沈み始め、氷点下で雪が残る日が続いています。これからもっと気温が下がり日が短くなるとフィンランド人の友人がいっていたので、本物の冬が来ることが怖いですが、ウィンタースポーツが楽しめる季節が来ると前向きに捉えて、ビタミンDを摂取することを忘れずに過ごしたいと思います。

さいごに
この3ヶ月は勉強も遊びも全力で取り組む日々を送っていました。授業でメンタルがすごく落ち込んだのが特に印象深い3ヶ月間でしたが、それでもここまで頑張れているのは家族や友人たちの支えなしでは実現しなかっただろうと深く感じています。これからについて、授業計画の変更もあり10月末で今学期の授業の受講は終わったので、来学期が始まる1月まで長期の休みに入ります。この長期休みでは先ほど述べた通り、アカデミックな英語力を上げることを始めとした自己学習に今まで以上に取り組もうと考えているので、次の号では今回とはまた違った報告が出来ることと思います。毎日ゆっくりでもいいから前に進もうという、そしてしっかり休むことを忘れずに!というフィンランドのマインドを忘れずに、邁進しようと思います。
