ラップランド大学 国際文化学科3年 林眞悠花<2号 2024年11月~12月>

はじめに

待ちに待った北欧・フィンランドに冬がやってきました!といっても、日本よりもかなり早い段階で気温が氷点下を下回り、雪が降っていました。私の地元は雪が降らないため、真っ白な雪景色に心を躍らせていましたが、これほどの低い気温は経験がなかったため、下がり続ける気温にいつか凍え死んでしまうのではないかと不安を抱えながらひたすら着込んでいました。日照時間も約3時間程度と短くなり、晴れた日の青空がとても恋しいですが、窓の外から見える幻想的な風景やここならではの景色も楽しめている日々です。

部屋のバルコニーからの景色
部屋のバルコニーからの景色
凍って白くなった前髪とまつげ
凍って白くなった前髪とまつげ
(外は-22℃ 部屋着で大急ぎで出て撮って部屋に戻りました)

授業について

Finnish1

初心者向けの授業で、せっかく来たからには学びたいと思っていたので履修することにしました。簡単な挨拶や基本的な言葉など最初は楽しんでいましたが、初めての発音や文法についてのルールが複雑で、友人やルームメイトに教えてもらいながらなんとか乗り越えました。スーパーなど日常で触れる単語を理解できると少し生活が楽しくなるので取ってよかったと思っています。

Global Media Education

この科目ではAIについてや、AIを活用したツールについて学びました。毎講義の事後課題として、実際にAIツールを用いて授業の振り返りビデオを作る必要があり、少し手間はかかりますが、初めてしっかりAIツールを使用するいい機会でした。

Intercultural Communication; Dimensions of culture

留学生向けの授業で、毎授業異なるグループで自分の国の国民性や文化的側面について議論する授業でした。自分の拙い英語や、難しいトピックに苦労した授業で、スピーキング力もそうですが、日本についての知識不足や、自分の意見がないことを痛感したと同時に、自分の国にもっと興味や関心を持ってきちんと学びたいと思うことができた授業でした。同じ国籍の人と協力して自国文化についてまとめたレポートや、他の国籍の人との最終グループレポートがあり大変でしたが、他の国と日本の違いを比較できる貴重な経験でした。

Pedagogy of English and Swedish languages

第二言語を学ぶ子供たちに効果的な学習方法について学び、最後は実際にグループで英語と自国言語を教える簡単な模擬授業をしました。授業や他のグループの模擬授業を通して学んだことは、今後教員になることを視野に入れている私にとってかなりためになる授業で、実際に使ってみたいと思えることがたくさんありました。

Finnish Culture

毎授業違うトピックを客員教授から教えてもらう授業で、フィンランドの歴史や民族、自然、言語などトピックは様々でとても楽しかったです。特に印象深かったのは、学校の近くの森に集まって、森の中で先生と散歩しながらフィンランドの自然について学ぶ講義で、フランクな会話形式で行われる緩やかな雰囲気と壮大で美しい自然の中でとてもリフレッシュできました。

Teach and Learn (Finnish, Korean)

ペアでお互い言語交換をしながら言語や文化について学ぶ授業です。都合がいい時間に集まってお話しながら相手の国の言語や文化を学び、日本語の会話表現を教えています。また、自分で申請して友達同士でペアを組み、単位取得もできるので、韓国人の友人と普段通り遊んだり、カフェでまったりお話しながら楽しく韓国語を教えてもらっていました。友人が好きな日本の映画監督の作品や韓ドラ、恋愛リアリティーショーを鑑賞しながら、気になった言葉や会話表現についてお互い教え合うなかで、友達が日本語を話している様子をほほえましく思ったり、自分自身も友人と韓国語で話せるようになりたくて、かなり韓国語学習のモチベーションが上がりました。

Special and inclusive education school experience

フィンランドの特別支援について、3種類の学校を1日ずつ訪問し、授業の様子を観察する授業でした。一般的なクラスの少人数教育、身体的障害、知的障害を持つ子どもたちの学校の3種類の実習で、日本でまだ実習経験がなかったので、とても刺激を受けながら、実践的な知識を身につけることができました。

Primary school professional experience

秋学期で一番のハイライトともいえる科目で、約1カ月実際に小学校を訪問し、子どもたちと一緒に時間を過ごすことでフィンランドの教育現場を肌で感じながら学び、そして自分自身も簡単な授業をすることで教員としての経験値を身に付ける本格的な教育実習です。ここで得た経験は本当に豊かで、苦労したことも多かったですが、本当にかけがえのない日々でした。一度書きだしたところ、長くなりすぎてしまったので次で詳しくお伝え出来たらと思います。

フィンランドの12月

フィンランドといえば、クリスマス!留学を志していた時から憧れていた本場のクリスマスを体験することができたのは私にとって夢のような時間でした。フィンランドの観光地の1つであるサンタクロース村が、私たちの住むラップランドにあるため、バスで気軽に遊びに行けるという点で、私は本当に恵まれているなぁと感じます。またサンタクロース村とは別で、サンタパーク、サンタフォレストがあり、私たちはご縁があって、関係者の方と知り合ったため、両方に無料招待していただき、友達と楽しんできました!サンタクロースと会ってお願い事して写真を撮ったり、ジンジャーブレッドクッキーをデコレーションしたり、エルフと遊んだり、おもちゃ工場見学したりと、しっかりとクリスマスを満喫できた、本当に楽しい時間でした。また、友人とヘルシンキに日帰り旅行をして、クリスマスマーケットや、フィンランドっぽさを感じられる料理を楽しむこともでき、当日だけでなく約1カ月を通して、これまでの人生で1番クリスマスを感じた冬でした。そして12月6日はフィンランドの独立記念日でした。当日は祝日だったのですが、前日に小学校で独立記念日を祝う1日を体験することができ、あらゆる伝統を子どもたちと学び、私自身もフィンランドを愛する気持ちが芽生えた記念日になりました。

ヘルシンキのクリスマスマーケット
ヘルシンキのクリスマスマーケット
独立記念日前日の給食のデザート
独立記念日前日の給食のデザート
伝統的なお菓子 joulutorttu
クリスマスマーケットの目的だったメリーゴーランド
クリスマスマーケットの目的だったメリーゴーランド
子どもたちに囲まれながら一番はしゃいでいました。
サンタクロース村にて
サンタクロース村にて
youtube生配信を通して日本の家族や友人に手を振っていました。

最後に

気が付けばあっという間に留学生活も半分が終わってしまいました。秋学期は新しい出会い、生活、学びで混乱もしましたが、毎日が充実した濃い日々でした。今をめいっぱい楽しむことができているのは、家族はもちろん、これまで支えてきてくれたたくさんの友人のおかげだと痛感しています。また、この学期で帰ってしまう友人たちとの別れはとてもつらく寂しかったですが、こう思えるほどの素敵な交友関係を彼らと築けたことが、ここでの私の何よりも大きな宝物です。残りの日々も、学校生活や日常生活のバランスをうまくとりながら、無理なく楽しめたらと思っています。