はじめに
日本を出国し、フィンランドでの留学生活が始まってから早くも3カ月が経とうとしています。私たちが生活しているロヴァニエミという街は豊かな自然に囲まれていて、どこを歩いてもついつい写真に収めたくなる瞬間が多く、周りの風景に癒されながら散歩を楽しむ毎日を送っています。そして月日の流れもあっという間ですが、季節の移り変わりはさらに驚くほどあっという間で、部屋の窓からの景色や、日の長さ、動物、そして寒さなど、色々な形で時の流れや日本との違いを実感する日々です。

季節の移ろいを感じられる大好きな景色です。

留学までの流れと到着してから
去年、学内での選考を終えて、今年の5月にラップランド大学に留学申請の書類を提出し、6月中旬に正式に留学が決定してから、あまり時間がない中で留学に向けて、本格的な準備を進めました。学校や生活のためのあらゆる申請に追われ、バタバタしていたらいよいよ8月になり出国!というとてつもないスピード感で日本の夏を駆け抜け、空港についてしまった私の頭は正直楽しみやワクワクといった感情よりも、家族や友人と離れる寂しさや、これからの留学生活に関する不安でいっぱいでした。
8月中旬に到着して最初のオリエンテーションの日までは1週間ほど時間があったので、私たちはその間に生活用品を揃えたり、シティーセンターの方を探索してみたり、ここでの生活に慣れることに徹し、たくさん時間があるうちに楽しもうと、ゆっくりといろんなことを満喫し、充実した時間を過ごせました。この期間で布団や自転車などの大きい生活必需品を現地で調達しましたが、すぐ近くに大きなショッピングセンターやモール、セカンドハンドショップなどいろいろなお店があるので、近場で何でも揃えられるという点で生活にすごく便利な場所だと感じました。
フィンランドに到着した日からは、昨年度の後期にラップランド大学から県大に留学していた友人が、空港に迎えに来てくれたり、ここでの生活について何もわからない私たちが新生活を始めるにあたって、買い物や外に連れ出してくれたりと、いろんな面でサポートしてくれました。彼女がいなかったらどうなっていたことか、、、本当に感謝でいっぱいです。


大自然の中でみるオーロラは圧巻でした
学校生活について
8月にはオリエンテーションが4日間あり、そこでフィンランドでの生活の心得、学内システム、学生組合、そして学部について説明を受け、履修システムの確認や、学校生活に必要なアプリなどの登録をして、いよいよラップランド大学の学生としての生活がスタートしました。また、この間に、組合主催のイベントに参加したりするなどして少しずつ留学生同士で交流し、交友関係を広げていきました。ラップランド大学にはたくさんの留学生がいて、そのほとんどがヨーロッパ各国からの留学生です。着いた当初は、オリエンテーションで英語での情報量の多さに頭が疲れてしまうことが多く、この先の授業が思いやられるように感じていました。しかし一緒にフィンランドでの生活を始めた留学生たちが、第一言語ではない英語を流暢に話せることに尊敬の念を抱いたと同時に、私も頑張ろう!と思えました。
授業について
私が秋学期で履修している科目は以下の9つです。フィンランドは10月中旬に一週間程度の秋休みがあり、そこまでに終了する授業と、秋休み明けから始まる授業があります。各授業について、授業の内容などのより詳しい情報はすべて終わってから次号でまとめたいと思います。
- Finnsh1
- Global Media Education
- Intercultural Communication ; Dimensions of culture
- Pedagogy of English and Swedish languages
- Finnish Culture
- Special and inclusive education school experience
- Primary school professional experience
- Teach and Learn (Finnsh, Korean)
ラップランド大学での授業は一つの講義が2〜4時間で、授業の間に20分程度の休憩をはさみながら行われます。フィンランドは世界で一番コーヒーを飲む国として知られ、「コーヒーブレイク」と呼ばれる短い休憩時間になると、先生たちが早足で、「コーヒーを飲まなきゃ」と私にウインクをしながら教室を後にする姿がとても印象的でした。きりがいいタイミングで、「そろそろコーヒーの時間にしない?」と先生が言うことで休憩が始まるシステムがとてもお茶目に感じました。だいたい曜日と時間は固定ですが、授業の教室や曜日が変わる時もあり、最初は日本の時間割とは違うシステムに戸惑っていました。また、自分の取りたい授業同士、開講される時間が被ってしまうこともあり、履修に苦労しましたが、授業がかぶってしまうことに理解がある先生が多く、教授にメールを送ることで、欠席が承諾されることや、課題の提出期限が延長されることにも驚きました。アプリで授業の資料や録画を見返したりもできるので、授業内容をきちんと理解するために復習用で活用したり、レポートを書くための資料集めや、テスト勉強などにたくさん使いました。
生活、休みの日の過ごし方について
私はフィンランド人のルームメイトと駅前のアパートで生活しています。部屋も十分な広さなのでゆっくり過ごしたり、授業の復習や課題をしたり、またダイニングでルームメイトとお菓子やご飯を食べながらおしゃべりを楽しむこともあります。出かけるときは主に自転車を使っていましたが、雪が降って地面が凍っている今、転倒するのが怖いので、どこに行くにも歩いています。休みの日は県大以外の大学から来た日本人の友人たちと、韓国人の友人たちの一つの大きいグループで行動することが多く、英語を共通言語として会話を楽しんだり、お互いの国の言語を教え合ったりしていて、韓国語で簡単な会話をできるようになりたいという目標もできました。アパートのクラブルームを借りてみんなでお互いの国の料理を振る舞い合うパーティーや、カフェ巡りなどのちょっとしたお出かけなどを楽しんでいます。秋休みには一緒にフィンランドの首都・ヘルシンキや、国境を越えてエストニア・ラトビアへ1週間程度旅行も楽しみました。また、学生組合主催でスウェーデンのイケア日帰り旅行や、アイスホッケーの試合観戦など、今までにない経験で休みの日も十分に満喫できています。ほかにもフィンランドにいる間に、ここでしかできない経験をたくさんできたらいいなと思っています。今はもうすぐ来る、フィンランドでのクリスマスに心を躍らせているところです。

おにぎり、唐揚げ(豆腐、鶏)、親子丼、味噌汁、豚汁、生姜焼きを振る舞いました。

(エストニア・タリン)

(フィンランド・ヘルシンキ)
最後に
フィンランドに来てから約3カ月、もちろん楽しいこともたくさんですが、慌ただしく、壁にぶつかることもあって、学校生活や、新しい経験、いろんな人との交流、日常生活を通して、毎日とても濃い日々を送っていると感じます。そんな中で、時差はありますが日本の家族、友人とも密に連絡を取り、近況報告や世間話、相談をしたりして、たくさんのエネルギーをもらい、励まされています。そして頑張ろう!と思える私の大きな活力となっています。離れた場所にいても支えてくれる人たちに感謝しながら、これからの留学生活も実りあるものにして行けたらと思っています。