ラップランド大学 国際文化学研究科国際文化学専攻2年 山本成美 <2号 2021年11~12月>


写真1 クリスマスマーケットにて

 Hyvää joulua!メリークリスマス!ロヴァニエミといえば...!な季節がやってきました。ラップランド東部に位置するコルヴァトゥントゥリという山の中に、サンタクロースは住んでいます。そしてラップランド大学のあるロヴァニエミにはサンタクロース村があり、サンタクロースは毎日そこにやってくるそうです。そのためか、11月を迎えるとすぐにイルミネーションやクリスマスツリーが街中に現れ、スーパーマーケットにはクリスマスムード満載な食品が並びます。すでに気温はマイナスが通常な世界ですが、暖かい灯りに穏やかな気持ちをもらっています。11月、12月は学期末ということもあり、課題やイベントが多く、あっという間に過ぎていきました。完成に苦戦していたレポートを無事に提出する事ができ、今は一安心しているところです。
 授業では、とても楽しみにしていた織物のワークショップが開催されました!フィンランドの家庭には、一家に一台織機があったというほど、織物が身近な存在です。しかし、その技術は祖父母の代で途絶えていることが多く、現在織機はリサイクルショップで€150程で見つけることもできるそうです。


写真2 織機をつかう様子

 私は昔から手織りの織機に魅力を感じていたので、その価格に驚きました。残す課題は輸送方法と、自宅での置き場所のみです。
 このワークショップでは、大学にある様々な織機の基本的な使い方を学び、最終課題は「思い出」、をテーマに織りの技術を使って、作品制作に取り組みました。大学には、伝統的な手織りの織機、縦糸をコンピューターで操作することができるもの、完全にデジタル化されていて、写真のような表現ができるものまであります。また、小さな作品を誰でも簡単に作れるようなハンドクラフト向けの木枠などもあります。私は「Helsinki landscapeヘルシンキの風景」と「My way to school通学路」を制作しました。My way to schoolでは実際に通学路で拾い集めたお菓子のパッケージや木の枝を素材として使用しました。写真は制作過程のものですが、完成作品は細長い雪道のように仕上げました。もちろんまだまだ縦糸と横糸の構造を自分のものにできておらず、こうすればもっと表現したいものに近づける...!端の処理のコツを掴んだ!などなど、制作の過程の中で新しい発見や成長を体感しました。留学期間中、もっと練習をして、表現の幅を広げたいと思っています。


写真3 Helsinki landscape

写真4 My way to school

 授業の他にも、学内では学生主体のイベントが多く開催されています。インターナショナルディナーや、いろいろな国の言語を学ぶ事ができる集まり、研究制作の展示、パフォーマンスなど、多方面で友人の活躍を目にする事ができ、いつも良い刺激になっています。現在一緒にラップランド大学にきている友人は、日本語や日本の文化を海外の方に紹介する活動を行なっています。先日、私も参加させてもらい、習字をしました。私はフィンランドに来てから、日本文化への興味が強くなりました。文化のみならず、歴史や政治などに対しても、知りたい!と思う気持ちが大きくなっています。こちらにいると、どうしてもインターネットでの学習になってしまうので、書籍や実際に体験できる環境がある留学前の時期に、日本文化について知識をつけておくと、他の学生との会話がより盛り上がる事間違いなしです。


写真5 初めての習字でとても上手な友人

 写真6も、私が参加した友人主催のワークショップの様子です。彼女は女性のエンパワーメント(権限譲渡)についてアートを通じて主張する活動をしていて、定期的にワークショップを開催しています。リラックスした雰囲気の中、意見交換をしながら手を動かします。


写真6 ワークショップ中の机の上

 そして11月末に、念願のサーリセルカ村に行ってきました。私事ですが思い入れのある曲のタイトルに、 "サーリセルカ"と入っていて、ずっと憧れていた場所です。フィンランドの中でもかなり北に位置しています。小さな町ですが、ウルホケッコネン国立公園という広大な森があり、クロスカントリースキーやハイキング、オーロラ鑑賞を楽しむ事ができます。スキーといえば、私たちにとっては坂を下っていくダウンヒルスキーを想像すると思うのですが、フィンランドでスキーというと、山道をスキー板をつけて軽快に歩くクロスカントリースキーを指すそうです。実際、この時期の公園内にはスキー専用ルートの方が優先的に示されていて、かなりポピュラーである事がわかりました。


写真7 雪山での散歩

 また、写真7は、大学の先生のお知り合いの方のわんちゃんと一緒に早朝に散歩に出かけた時のものです。この子はたくましく雪の中にいますが、最近は特に寒くなってきているので、散歩している犬が靴を履いている光景をよく目にします。日本では見かけない、とても可愛らしい光景です。そしてこのように先生がお知り合いの方を紹介してくれたり、先日は先生と一緒に夜ご飯を食べる機会があったりと、とても距離が近いことがラップランド大学の魅力のひとつだと思います。


写真8 フィンランドの伝統料理

 今月は本当に色々な体験があり、皆さんにご紹介したい事がまだまだありますが、最後にフィンランドの伝統料理を頂いたのでそちらで締めたいと思います。トナカイのお肉をほろほろになるまで煮詰めて、マッシュポテト、ベリーのソースと合わせていただきます。フィンランドの多くの家庭ではパンも手作りしていて、この日もとても美味しいパンを楽しみました。
 こちらにきてはや4ヶ月、秋学期が終了し、帰国する友人が沢山います。寂しい気持ちもありますが、今までの出会いと思い出を大切にしながら、春学期に来たる新たな出会いに備えて、ますます自分自身の力を高めていきたいと思っています。2022年も実りの多い年にできるよう、努力していきます!Hyvää uutta vuotta!良いお年を!