ラップランド大学 国際文化学研究科国際文化学専攻2年 山本成美 <1号 2021年9~10月>

 ラップランド大学に交換留学生として派遣していただき、あっという間に2ヶ月を迎えようとしています。現在10月半ばですが、すでに初雪が降り、日々環境の違いを楽しんでいます。秋学期は8月17日に始まり、まる1週間かけてオリエンテーションが開催されました。留学前にオンライン説明会はありましたが、ここではじめて交換留学生達と顔を合わせることになり、少し緊張しながら大学へ向かったことをすでに懐かしく感じます。
 オリエンテーションでは、履修登録について、学校生活全般のこと、フィンランドでの冬の過ごし方や服装についてまで説明がありました。日本との違いに驚いたことは、授業の開講日、時間、教室が不定期である点です。決まった時間割は無く、授業ごとにバラバラに日程が組まれているので、履修登録は少し大変です。また、定員制の授業もいくつかあり、登録した順に確定される場合がほとんどでした。確実に履修したい授業は事前に目星をつけておき、登録が開始されたらすぐに申し込むと納得のいく履修が組めると思います。


写真1 プレゼンテーションの様子

今履修している授業をひとつ紹介します。 "Finnish Design" という授業では、インダストリアル、オーディオビジュアルアート、グラフィック、ファッション、テキスタイルの視点からフィンランドのデザインを観察していきました。グループワークがメインで、授業ごとにそれぞれのグループで調査した内容を発表しました。ここで私が苦労したのは英語でのプレゼンテーションです。事前に練習をしても、実際発表者となると緊張し、言葉の詰まりや言い忘れがあったりなどしました。しかし、計5回の発表を終えてみると、初めての発表の頃に比べたらコツも掴めてきていますし、度胸もついたと実感しています。完成度はまだまだ不十分ですが、グループの仲間に助けられながら取り組んでいます。最終発表では、私たちのグループは子供服の提案をする予定にしており、自身の分野を活かしてテキスタイルデザインを担当します。いろんな分野の学生が混ざっている授業なので、多方面からデザインについて話すことができ、とても充実している講義です。


写真2 ワークショップのメンバー

 学外でも、さまざまな場所がデザインと体験であふれており、ワークショップへの参加も日常的にすることができます。ラップランド大学の学生と出会うことが多いですが、そのほか新たな出会いもあり、参加したワークショップで一緒に制作をしたことをきっかけに、食事をする仲になった友人もいます。この写真のワークショップは、コマ撮りによる短いアニメーション制作を通してコラボレーションの意義を考える、という内容でした。山口県立大学でもサービスデザイン論の授業で活用していたブレインストーミングを用いて各グループのテーマを決めていきました。改めて、共通認識を持って作業を進めていくことの重要性を感じました。今後もさまざまなワークショップに参加を予定しているので、紹介できればと思います。


写真3 リンゴンベリーやビルベリー

 休日には交換留学生の友人たちとフィンランドの自然や各国の食事を満喫しています!到着した頃はまだ山も緑が多く、憧れのベリー狩りに行くことができました。フィンランド人は本当に自然が大好きで、フィンランドに集まってきた人たちも自然を愛好している人が多いように感じます。山に行くとたくさんの人がハイキングやバーベキュー、サイクリング、犬の散歩をしています。私は日本にいた頃から自然は好きですが、ここではより身近に感じることができています。摘んだベリーをその日のうちにジャムにして食べたり、友人はケーキを焼いてくれたり、幸せな気持ちを自然から受け取っています。また、有名な例かもしれませんがフィンランドは"セカンドハンドショップ"(いわゆるリサイクルショップ)が本当に充実しています。これから留学を検討している方は、衣類などの荷物は最小限に、身軽にやってくることをお勧めします。しっかりとした冬用のアウターやスノーブーツも破格で手にすることができます。リサイクルルームという、これまでの留学生が使用していたものを無料で受け取ることのできる場所もあります。私たちも帰国する際には、この部屋やセカンドハンドショップに荷物を置いて帰ることができます。対して、私が持ってきたらよかったと感じたものは、日本の味です。今ではアジアンショップも見つけ、自炊も捗っていますが、はじめの数週間はお味噌汁や白ごはんが恋しくなりました。大荷物にならない程度に持ってくると、良いかもしれません。
 ラップランド大学では交換留学生に対するサポートがかなり手厚くされていると思います。一人一人に学生チューターがついており、留学前から私たちの生活をサポートしてくれて、何度も力を借りました。先生方も、授業のみならず興味を伝えると全力で応えてくれます。私は交換留学期間中に作品の展示を行いたいと考えています。企画書の書き方から、作品に関するアドバイスまで、親身にしてもらい、先日企画の申し込みをしました。これからいい報告ができるように、何よりも自分の納得のいく留学生活が全うできるように、頑張っていきます!