ラップランド大学 国際文化学科4年 中村はつき<3号 2022年1~2月>

新年

 新年を迎え、多くの友人が帰国してしまい静かなお正月を過ごしました。1月1日は日本人で湖に初日の出を見に行きました。冬至と比べると日が長くなったとはいえ、日の出時間はまだ11時前後です。太陽が昇る位置が低すぎるため、結局初日の出を拝むことはできませんでした。初日の出が無い世界もあるのだなと気づかされた瞬間でした。

太陽が上がらない1月1日の写真

太陽が上がらない1月1日

新しいルームメイト

 この日は友達の家で1月に来たばかりのドイツ人達とボードゲームやトランプなどをしていました。自分のアパートに帰宅すると新しいルームメイトが丁度到着したところでした。ルームメイトはまさかの日本人!違う国籍の人や違う学科で同部屋になると聞いていたのでとても驚きました。必ずしも多国籍になるとは限らないようです。日本人だと知ったときは少し残念でしたが、お互い同じ言語で通じ合える分刺激を受けて、勉学など改めて頑張ろうと思いました。彼女はお酒がとても好きで、今までフィンランドのお酒をあまり開拓してこなかった私にとって楽しい時間が増えました!

水に濡らしたタオルが凍った瞬間の写真

ルームメイトのみさきさんと 水に濡らしたタオルが凍った瞬間

日常

 昨年は毎月どこかに国内旅行をしていました。ですが1・2月はロヴァニエミから出ることなく終わりました。その代わり、毎日散歩に出るように心がけていました。この時期、授業は対面とオンラインの併用だったため、週に2回は必ず学校に行っていましたが、それ以外は家に籠ってしまいがちでした。気分転換として、散歩の他にアパートについているサウナを利用したり、ルーネベリタルトやラスキアイスプッラといった、この時季限定のお菓子に挑戦したりしました。

湖の写真

湖が完全に凍り、歩いて渡れるようになりました

学食のラスキアイスプッラティータイムをした写真

学食のラスキアイスプッラでティータイムをしました

授業内容

 1・2月の授業は、English Reading for Academic Purposes、English Oral Communication for Academic Purposes、Chinese 3の3つで、言語の授業ばかりでした。レポートの提出はありませんでしたが、それぞれ週2回の授業と宿題が毎回あり、短期間でしたが忙しい期間となりました。Readingの授業は毎回課題の文章が提示され、それをグループのメンバーで手分けして読んできて次の授業でディスカッションをするという内容でした。Oralの授業も文章を読んできてディスカッションという流れは同じでした。Readingと違うのは読んでくる記事の種類で、主にフィンランドのニュースを読んでくるのが宿題でした。この二つの授業はオンラインでの開催だったので一度もクラスメイトと対面することがなく、顔を見ることもなく終わってしまいました。せっかくのディスカッションの授業だったので少し寂しかったです。

授業での挑戦

 今期の授業において私にはチャレンジがありました。それは、どちらの英語の授業もフィンランド人の中に外国人は私一人ということです。ディスカッションでみんなが使っている社会福祉用語がわからず説明してもらったり、いきなりフィンランド語で話し始められてしまって英語での説明をお願いしたりと大変なことはありました。ですが日常生活では触れづらい、新型コロナウイルス政策への個人的な意見や、フィンランド人の働き方や人生設計について語り合う機会があり、興味深く貴重な経験ができました。また、フィンランド人独特の英語の発音や会話の進め方に慣れることができたと思います。フィンランド人は日本人と同じように、相手の話を遮ることはありません。それと同時に沈黙があっても気にしません。その時間はじっくり自分の意見を考えたり、会話の切り替えの時間だったりします。その性質を知っているつもりでも、最初はオンラインで顔が見えないということも相まって沈黙がとても怖かったです。相手と発言のタイミングが一緒になってしまった時、いつもターンを譲ってくれるため、それがわざわざ発言の機会を用意してもらっているようで変に緊張しました。全体で先生に発言を求められることもあり、始めは緊張し過ぎて出番が回ってこないことを祈っていました。ですが、みんな英語を訓練するためにこの授業を取っているのだと思うとそれ程苦ではなくなりました。先生が最初の授業で、英語で話すことの抵抗を無くそう、というようなことを言っていました。それは以前よりできるようになったと思います。一方で、日常会話とは違って議論をする時の少し難しい単語や、長い文章の組み立てには苦手を感じました。授業は終わってしまいましたがそこを少しずつでもよくしていきたいです。

規制緩和

 フィンランドでは新型コロナウイルスに関する規制が段々と緩和されてきています。例えば、飲食店への入店でワクチンパスポートが必要無くなり、バーや美術館等にもパスポート無しで入れるようになりました。そのお陰で、以前コテージや実家に招待してくれたフィンランド人のアンスクを心置きなくカフェに誘うことができました。ロヴァニエミにある美術館「コルンディ」にもワクチンパスポートなしで入館できるようになり、さっそく出掛けてきました。今は再度規制が厳しくなることが無いように願いつつ生活しています。

アンスクとカフェに行った帰りの写真

アンスクとカフェに行った帰り

留学を半年終えて

 前期でできた友達は多くが国に帰ってしまい、今でもふと寂しく思うことがあります。ですが帰国してしまった友達と入れ替わりで同じ大学から来た子と仲良くなれたり、共通の友達の話題で盛り上がれたりするのはとても嬉しいです!フィンランド人の友達は今もロヴァニエミに居るため、前期よりも中が深まったような気がします。そして前期は勇気が出ず声を掛けることができなかったクラスメイトや隣人と新しく友達になれて、こちらもとても嬉しいです!暗く長い冬はどうしても気分が落ち込んで理由もなくやる気が出ない日がありましたが、そんな冬が終わりに近づいています。まだまだ雪は残っていますが、春になると留学が終わってしまうような気がして焦ります。残りの3分の1を楽しみます!

隣人のユラとの写真

隣人のユラと仲良くなり、スケートに行きました

山本さんの展示オープニングセレモニーの写真

大盛況、山本さんの展示のオープニングセレモニー
今までの友達と一気に会えました

リャンの写真

 中国から来たリャン。前期で友達になったフェイと同じ大学から来たのですぐ仲良くなることができました。リャンが私の作った巻き寿司を食べているところ。