ラップランド大学 文化創造学科4年 原田裕作 <4号 2022年3~4月>

 フィンランドも少しずつ気温が上がり始め、4月に入ると徐々に雪解けがみられるようになりました。卒業のため日本の授業を履修している関係で、5月上旬に帰国できるように準備を進めています。今回の報告書では、春セメスターの後半の授業や生活について紹介していきます。

フィンランド 最後のセメスター

 フィンランドの最後のセメスターの最終ピリオドに入りました。僕は主に前ピリオドに引き続き、PrintingやCG演習などの授業を履修していました。これらの講義の最終評価はプレゼンテーションにより行われ、4月には作品などの展示をやり終えることができました。
 この最後の学期は履修する講義を少なくし、「Studies supporting student's own professional orientation」という授業の方式により、個人プロジェクトを行うことで単位(クレジット)の認定を受けました。企画したプロジェクトは3つで、それぞれラップランド大学の先生の指導やアドバイスを受けながら取り組みました。中でも力を入れたものは「フィンランドの自然を用いた染色研究」です。これは日本で取り組んでいた研究と関連付けて、フィンランドの植物から色素を抽出し、条件を変えながら、実用的な染色方法を分析するという実験です。それを終了すると、指導した教授によりプロジェクトに要した時間とまとめた研究報告書をもとに単位が与えられます。僕はそれぞれのプロジェクトで5単位(135時間)ずつ単位を取得し、成績に上乗せしました。
 この方式は学生がプロジェクトの企画書を作ることから始まり、定期的に教授によるフィードバックを受けながら進めていきます。その中で元々考えていたアイデアや方法とは少し違う意見をもらい、軌道修正しながら研究を行うことで新たな発見につながり、非常にいい経験をすることができました。特に設備や研究内容から、県立大学では実現が難しいプロジェクトもできたので大変充実した学びとなりました。


Printingの講義の最終プレゼン

余暇の過ごし方

 フィンランドで過ごす日も徐々に少なくなり、大学で課題に追われる日が続いていました。その中でも時間がある日はできる限りロヴァニエミの街を見るようにしました。ロヴァニエミには様々な美術館や博物館、図書館などの文化施設がたくさんあります。中でも僕がお気に入りだったのはロヴァニエミ市立図書館です。ここはフィンランドの有名建築家 アルヴァ・アアルトが設計した建物で、内装や照明などもアアルトがデザインしたということもあり、見るだけでも楽しむことができます。様々な本や資料を見つけることができるので、勉強の気分転換としてフィンランドに留学に来た際には是非一度行ってみることをおススメします。
またロヴァニエミを離れる直前の週には、フィンランド人や他の留学生の友人が送別パーティーを開いてくれて、多くの友人と楽しい時間を過ごすことができました。長いようで短い留学生活でしたが、多くの友人が関わってくれたことで成り立った留学なのだと実感しました。

春のコテージ旅行

 フィンランドの最後の思い出として、4月には現地のフィンランド人や日本人の友人とコテージ旅行に行きました。昨年の冬に行ったときとは違い、暖かな気候の中、外でのレジャーも楽しむことができました。日中は友人とカードゲームを楽しんだり、フィンランドのモルックという遊びを体験したりしました。モルックとは木の棒を投げ、並べてある数字のついたピンを倒すというゲームです。単純に倒す数を増やすボーリングとは違い、合計を50点に合わせるというルールもあり、チームみんなで協力してプレーをしていきます。ルールもシンプルで素朴なゲームですが、時間を忘れて没頭しました。夜はみんなで夕飯を食べながら話したり、サウナに入ったりしてフィンランドらしいひと時を過ごしました。


みんなで楽しんだBBQ

フィンランド発祥の遊び「モルック」

今後の予定

 全ての講義が終わり、4月末でロヴァニエミを離れ、日本に帰るまでの間、フィンランドのいくつかの地域を旅行しました。その中で初めに訪れたヨーエンスという町について紹介します。ヨーエンスはロヴァニエミから電車で南下したところにあり、ヘルシンキまではおおよそ電車で4時間ほどです。ここのヨーエンスには「コリ」という地域の国立公園があり、そこはフィンランドで最もフィンランドらしいと言われる景色を見ることができます。フィンランド人の友人とレンタカーで向かい、3時間ほどハイキングをしました。天気もよく、フィンランドの自然や街を一望することができ、その景色はずっと心に残るほど美しいものでした。